6 誰のものでもない場所と更にギフト追加入ります
「そ、それなら…誰の物でもない土地をもらって気ままに農業したり、スローライフをしたり、神様達からの依頼を受けたりして暮らしていきたい…です、ダメ……でしょうか?」
日本では中々難しい夢、不老不死の身体と農業に役立つであろう、土魔法とそして固有スキル園芸ショップなら夢が叶うと詠斗は確信している。
「ふむ、誰の物でもない場所…幾つか候補はある」
「確かに…」
「それなら、最初の依頼を頼めるあの場所が良いと思うなのです」
「あの場所なら…更に追加を」
「待て待て、まずは聞いてみようぜ」
神々が矢継ぎ早に話し合いを始める、詠斗はなぁんとなくだが《アタラクシア》の病状の進行が止まらない訳に気づいた気がしなくもなかった。
「ちょうど《アタラクシア》のこの部分の場所」
1人の神がゆっくりと自転し、ちょうど詠斗の真正面の薄い雲の幕が濃い箇所を指す。
「ここは、《不毛の地》と呼ばれる場所」
「《アタラクシア》が病に侵され、最初に枯れた大地をそう呼んでいる」
「これを…」
神が天井を指すと、映像が浮かび上がってくる、鮮明とは言えずボヤけている映像には、干からび何もない大地が映っていた。
「これは…」
「この大地には何の生命も無い、だから何も生まれない」
「人々は《不毛の地》を忌み地とし、近付かない」
「故に誰の物でもない」
「もし、もしこの場所を選んでくれるなら、最初の依頼としますなのです」
「他にも誰の物でもない場所はある、勿論植物、生物は存在している…この最初の《不毛の地》だけはどれだけ時間をかけても何も生まれなかった…」
神々の言葉が右から左に流れていく、詠斗は今映像の場所に釘付けになってしまっている。
「この、この場所を神様達からもらった魔法とスキルとポイントで生き返らせます!」
両手を握りしめ、真っ直ぐ13の神々を見渡し堂々とした態度で宣言する。
「では、最初の依頼を受けた……」
『時永 詠斗に感謝と誠意を』
13の神々の声が1つ重なる、同じ声なはずなのに不思議と複数の声が重なって聞こえる、その声が詠斗にはくすぐったい。
「もう一度ステータス見てみな」
「はい」
時永 詠斗 : 不老不死 肉体年齢 21歳 担う者
所持魔法
土魔法 水魔法 火魔法 風魔法 浄化魔法 転移魔法
スキル
状態異常無効 無限収納(時間停止) ステータス隠蔽 攻撃無効※
自動マッピング
固有スキル
園芸ショップ
善行ポイント
10,000pt+500pt:500ptは神々から依頼受理による付与
「うゃっ、中々慣れないなー。ん?増えてる」
頭の中でステータスオープンと唱え、目の前に出てくる画面に転移魔法、自動マッピング、善行ポイントも増えていた。
「ふむ、転移魔法は《不毛の地》の中なら何処でも自由に転移出来る、広大な大地だ移動が楽になる。この魔法は応用が効く、是非活かしてくれ」
「自動マッピングも便利だな。現在地と周辺の事が分かる。転移魔法と相性が良い上手く使っていってくれ」
「善行ポイントも依頼を受けてくれた報酬なのです、もちらん達成したらポイントを更に付与しますなのです」
「ありがとうございます」
「では、次は《アタラクシア》について知識を、額を…」
音もなく詠斗の額に指先を充てる、ポゥ…青白い光が指先から詠斗の額の中に入っていく。
「《アタラクシア》に生きていくいく上で、必要な時に必要な分の知識、知恵を貴方に与えてくれます」
「すごい…」
何も知らないまま異世界に行く事の大変さを神々は理解している、できる限りの事をしてくれる、目の奥が熱くなるがまだスタートにも立てていない、気持ちを切り替える。
「後はこれを…」
別の神がくるり指を回すと、詠斗の首に長めな革ひもの様な物に大きめな乳白色に、様々な色を取り込み角度によって神秘的な輝きを持つ石の首飾りが出現した。
「魔法みたいですね」
「魔法だからな。ふむ、馴染んでいるな。それが君が《不毛の地》の所収者である証だ。何者にも君から《不毛の地》を奪う事は出来ん。人は自分の物に証明を付けたがる、だから君に証たるそれを贈ろう」
「確かに…人間は証拠がないとそれが自分の物だと証明するのは難しいですね」
どんな場所でもそうだ、確固たる物が必要で証明をしたがる、何故なら不当な理由で奪おうとする者達がいるからだ。
首飾りは不思議と温かく、詠斗を安心させてくれた。
「では、長くなってはしまいましたが、最後は日本から決た君の持ち物についてと君が転移した後の日本での影響について話しておきたい」
「あっ…仕事や部屋とか…」
全て投げ出す形で来てしまったが確かに、気になる。
あなたは異世界に行ったら何をします?~異聞・蒼刻の剣と黒騎士に捧げる英雄達の詩~
06刻 ヴィーの夢
ヴィーの家は2部屋しかない、そのうちの1つが寝室でもう1つが食事や作業をする部屋で祖父が造った家だと言っていた。
ヴィーは両親に囲まれながら寝付けず目を開けて隙間風の吹く天井を眺め、ヴィーは将来を考える。
町に行って冒険者になって薬師になり両親に楽をさせたい、後4年もすれば冒険者登録が出来る、それまでに魔法と剣に文字を読めるようにしておくのがヴィーの目標だった。
ヴィーはゆっくりと蒼い瞳を閉じる、眠るのは好きじゃない、知らない誰かの時間が訪れるからだ。
でも、そのうち睡魔が訪れてくる…静かに深く招かれるように…。
「これは傷や火傷に効く、こっちは腹を下した時に良い。干して細かくして粉にするんだ。量は身体に合わせる」
傷だらけの男が笑って薬を作る姿、1人なのにずっと独り言のように呟きすり鉢で薬草を擦っていた。
「知識や経験は財産、人生そのものだ…」
男はいつもそう言って笑う、でも寂しそうだった…。




