29 ナイトプールやん
「みんな、どうだった?」
「忙しいけど、面白い!」
「あーいうのもいいな!」
「作るの慣れたよ」
等々声が上がる、明日も面子を変えて売りにいく。
「畑も順調だな」
種も巻き魔力で雨の様な水を降らせる魔法具もカルと率で作り、一旦は様子見という事で畑も片付いた。
「作物が育てば、売れるし食料として自分達で消費も出来る」
「果物の木とかもありがとな、じーさんやばーさんが喜んでる!」
「沢山食ってくれ」
「ああ!」
ランダが嬉しそうに笑う、大河達は畑に戻る事にして転移魔法で移動する。
「ただいま!」
「ただいま」
「おかえりなさい」
「おかえり…」
「率さん達はまだ戻らないのでお茶飲などどうですか?その後プーに行きませんか?」
「水着あるわ、プール久しぶり」
「水着!そうだった!そうだった。忘れてた」
「それはありがたいな」
「何を飲む?」
「私は紅茶をいただきます。プールって川遊びみたいたものですか?」
ラジカは椅子に座りクッキーと羊羮を食べる、ラウラスは懐記から天ぷら作りを教わる。
「ああ、近いな。人工的に水を貯めて泳ぎを競ったり水中で遊んだりする」
「久しぶりだから楽しみです」
「俺はクロールとバタフライ位かな出来るの」
大河と綴は緑茶、詠斗は果実水を飲みながらクッキーを摘まむ。
「戻りました」
「ただいま!」
「戻りました」
『おかえり』
《トイタナ》チームも戻休憩を楽しむ、晴海は何処かそわそわしているが思い切って話を切り出した。
「俺、アイス屋さんをやってみたい!モギのミルクで!」
「良いね!やろう」
「だったら、移動販売車をもう1台作ってどこででも売れるようにしますか?」
「僕も手伝うよ!」
「ああ、子ども達が喜ぶな」
「ミルク味と果物のアイスとかど?」
「…小豆とミルク味もどうだ…?」
皆笑顔を晴海に向けてくれ背中を押し応援してくれている、なんだかくすぐったい、嬉しいという気持ちと言って良かったと思った。
「プールから戻ったらさっそく作る!俺の雪魔法を使うときが来た!」
晴海が嬉しそうに立ち上がり、さっそく皆でプールに向かった。
『………』
「プール?」
「プールだ」
「プールですね…?」
「ホテルとかのプールみたいですね」
「プールだけど俺が思ってるのと違うよ」
「へぇ、パリピが行くようなナイトプールじゃん」
『それだ』
と目の前の建物を前に詠斗達は呟く、全員学校や市民プールのような物だと思っていた。
目の前のドーム場の建物、どこから持ち込んだのかバナナモドキが生る木々が入り口付近に等間隔に植えられ入口のドアに立つと自動で扉が開いた。
「お、これカジノでも使お」
「この建物には神鋼と魔鉄が使われているようですね」
「ああ…」
懐記が楽しそう内部を見渡し、ラジカが素材について千眼に尋ねれば同意が返ってくる。
「中も凝ってますね」
「薄暗くない?」
「おー来た来た」
「詠斗…おにぎり」
「はいおかか、泳ぐとお腹すくしね」
「ん…」
「皆さん、ようこそ」
奥からラドゥ、オリガ、タッセルやハル達が迎えてくれる、ラドゥ達の服装は派手なシャツと緩い感じの短パンにサンダルのよう靴、本気でプールを楽しんでいる感じだった。
「いやあ、すごいわ!この鉱物!俺達この建物の上に引っ越したよ!」
「こんど、友人を連れて来ても良いですか?是非見せたくて」
「いいよー、これは見せたくなる!」
「転移札あげる」
「サンキュ」
どうやらフロント部分らしく、ソファに冷蔵庫もありプール上がりに休憩出来るスペースも完備され淡い照明が照らしていた。
「私達の鱗も壁に混ぜられているので思ったより明るいですね」
「そうそう、ちょっと薄暗くても見えるし」
「壁に鱗混ぜたの?」
「細かくして、魔鉄に混ぜた」
「へぇ、いいわ。参考にする」
「懐記さん!俺の鱗もあげます!」
「サンキュー」
「じゃ、さっそく着替えてきてよ!スマホも持ってくれば撮影も出来るぞー!」
「撮ろう撮ろう!」
ラウラスからラベンダー色の鱗を貰い、更衣室というか銭湯と同じような棚がある広めの部屋で懐記から水着を貰い各々着替えてプールに向かった。
『……』
大河が以前工事中に見た時よりも遥かにグレードアップしている、外観と中の広さが違うのは神鋼のお陰かプールの底に照明が付きピンクに色がついたようなプールの中央には何故か小島が浮かび、奥には巨大な螺旋状のウォータースライダー、手前に円形の泡が出ているプール、その左先にはモギ達が5頭程遊んでいる流れるプールといった感じのレジャー施設となっていた。
「あれ、25mプールはないんだ?」
「俺が渡した雑誌はレジャーとかの特集の物だから無かったな」
「でも面白そー、モギたちと泳ぐ」
「その前に準備運動ですよ、晴海君」
「そっか!」
「詠斗達、何してんの?」
「プールに入る前の準備、軽くストレッチとかすれば足とかつりにくいよ」
「へぇ」
「…(状態異常無効だから必要ないと思うが…)」
千眼が内心そう思いつつ皆で準備運動のストレッチを行い、遊びたい場所に向かった。
「ウォータースライダー1番!俺の後に少し遅れて続いて!ひゃほー」
「何これ!面白!」
「ん…滑る」
ウォータースライダーには詠斗、ジラ、チグリスが滑っていく、透明な素材で周囲の景色も見えて流れも早く楽しい。
「はや!もう終わりか」
「また行こ!」
「ん…」
また階段を駆け上がる、はまったようで何度も滑っていった。
「この泡気持ち良いですね」
「身体が軽くなります」
「そうだな」
一方泡、ジャグジープールに浸かるナイル、ラジカ、大河達はどちらかと言えば風呂感覚でまったりしていた。
「モギも来たか」
「ベルンさんに呼ばれない限りはここで一日中遊んでるらしいですよ」
「そうか、ゆっくり休めよ」
『……』
モギもプールに浸かり刺激される泡に目を細めている、気持ち良さそうだ。
「晴海っち、モギが背中に乗ってって」
「いいの!」
流れるプールでは晴海、懐記、ラウラスが流れに乗ったり逆らったりしながら、晴海はモギの背中に乗って回っていた。
「撮るよ」
スマホで懐記が写真を撮る、晴海は大喜びだった。
「きれいな色ですね」
「すごい、プールですよね」
「気持ち良いな…」
「はい…」
小島が浮かぶプールには率、綴、ニア、ルオ、ネオも犬かきしながら泳いでいた。
「おーい、飲み物用意したぞー」
「飲んで下さい」
「うまいぞ!」
オリガ達が空魔法でグラスを運んでくれる、皆一旦プールから上がり喉を潤そうとするとドリンクも凝っていた。
「うわ、すご!ストローまで」
「懐記から教えて貰った」
「よく出来てるわ」
グラスにはストロー、切った果物を差し込み果実をふんだんに絞った冷えたジュースをご丁寧に用意された白いテーブルと椅子に座り味わう。
『おいしい!』
「だろ!懐記がくれたミキサーでやってみた!」
「…おかわり」
オリガがチグリスにおかわりを渡す、飲み終えまたプールで遊びを再会した。




