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あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~  作者: 深楽朱夜
第5部 ここで生きていく 晴れた日は海を見て編

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10 もう2度と会いませんように

「神様達からの依頼…今回囚われていた子供達は救出出来ましたが、見世物小屋の件も合わせてしばらくこの街と関わる事になりそうですね」

「もうあまり来たい場所でもないが…孤児院を移動させてから考えるか、またどこからか人を攫ってくるだろうな…」

「もういっそゲシュレンの見世物小屋や屋敷を破壊しちゃいますか?もうそんな気を起こさないように」

『………』

「いいね!」

「お、やるか?」

《コウトル》の領主の屋敷に向かう途中で転移から徒歩に切り替え、綴と大河が今後の話しを道中していると、率が過激発言をにこやかに言う、その事は大河も綴も乗りかけたがそれは最終手段として…詠斗とジラは乗り気もやる気も満々だが一旦は止めて置く。

「それは最終手段…だな」

「そう…ですね、いい案だとは思いますが…。着いたようですね、大きなお屋敷ですね」

整地された道を歩くと目の前には立派な門と門番、そしてその先には領主として相応しい屋敷がある。

「領主とお会いしたい」

不愛想な門番というよりかは冒険者のような出で立ちの男に大河が声を掛ける、ジロジロと門番が大河達を眺め鼻で笑う。

「約束は?」

「していない」

「約束無しどこの輩かもかもわからん奴らと領主様はお会いにならん!」

「そうだな、行こう」

威圧的な門番に言われ大河はそうかと身を翻し門番に背を向けた、門番は呆気に取られまさかここで食い下がるとは思わず口を開けて大河達の背を見送る、大河合わない事も勿論想定内だ合わなければ合わないで手間は省ける、領主に会えなかったので許可なく孤児院を丸ごと移動したとでも言って後は金の力でどうとでもするつもりだった。

「待て!領主様はお会いするそうだ」

屋敷から門に向かって走って来た何者かに声を掛けられ、内心大河はチッと舌打ちをするが、門の前まで戻る。

「入れ、ついてこい」

門番よりもごつい男が大した距離を走ってもいないのに息を切らしながら大河達を顎で促し、門番が門を開けて全員入っていく。


「もぐちゃんまってー」

「だっこしてー」

「おいしいー」

ゲシュレンに囚われていた子供達は食事をし着替えをして安心したの布団の中で眠り、他の子供達やはハル達と遊び、回復した先生達は院長から話しを聞き大河達の案に乗る事にし食事の準備などの手伝いを行っていた。

「私たちも元はこの個人の子供だったので、家もここしかないです。院長についていきます!」

「ここの前の領主様が亡くなってからこの街はとても居心地が悪くなりました」

「カイネが働いていた店も今は態度の悪い従業員がいて…評判もすごく悪いですし…ギルドも見て見ぬ振り…」

3人の職員達が口々にこの街で今起きている話しを晴海達にしてくれる、領主が満足に動けないのを良い事に好き勝手しているようだ。

食事と休養で顔色は良くなったが、みんな痩せていてまだまだ休養が必要のようだこれからのこ事はこれから考えればいい。

大河から貰ったスマホにナイルからクッキーを作ってみたので良ければ皆さんでとメッセージがあり、晴海が畑へ取りに行くことにした。

「行ってくるよ」

善行ポイントと引き換えにスキル魔法は全て交換した、出来ることは色々やってみよう晴海がこの世界で決めた事の1つだった…。


「ハインダール様入ります」

守衛の男が屋敷の一階の一番扉の大きな部屋の前でノックをし中に入る、屋敷の中はお世辞にも手入れが行き届いているとは言い難いメイドもいるが客人がいるにも関わらず雑談し、埃や汚れもそのままにされている。

「中には椅子に座って足にはひざ掛けが掛けられた灰色の髪と眼の青年がおり、その横は執事らしき男が立っていた。

「ようこそ、そしてまずは宝石ダンジョンと肉ダンジョン完全攻略おめでとう、《アウトランダーズ商会》の皆さん。私が《コウトル》の領主ハインダール・ラオレランドだ」

大河、綴はこの時点でしまったと思った、おそらくこの領主はユナイドからの賄賂を受け取っていない(・・・・・・・・)目的は1つしかないだろう。

「お願いがあります、ここの孤児院の皆さんを僕たちのいる《トタラナ》に連れて行きたいのでどうか許可を…」

ここは温和で人当たりも良い綴に任せる事にする、ハインダールはニコリと整った容貌に笑みを浮かべ快く快諾する…だけでは勿論済まなかった。

「勿論構わない、彼らをよろしく頼む。だが、条件がある」

「条件と言うのは?」

「私の足を治す事だ」

やはりそう来たか、大河はすぐに鑑定を掛ける ハインダール:前領主が死亡した事故の際に足を負傷 元は頭が切れる人間で領民思いだが傷の件で人間不信気味 執事がゲシュレンと繋がっている …推理小説なら犯人のネタバレも良いとこだが大河は素直に関心し、執事の鑑定も行う 執事?:《ブルラド商会》の者 ゲシュレンの上司 事故もこの男の指示 着服 横領 好き放題 …なるほどそれなら手札が増えるが…この領主をどうも大河は気に入らない、早々にここを撤退したい。

「足を治せないと言ったら?」

「孤児院の移動を認めない…治せるだろう?岩で潰れた子供の怪我を治したのだ、私の足も治せる筈だ。それに落石の時もいたそうだな、奇跡的に怪我人もなく不思議な事に人がいた場所に岩が落ちて来なかったようだが?それと領主の許可無く勝手に大人数を領地から連れて行けば罪になるが?」

その言葉に詠斗が怒りで一歩前に踏み出そうとするのを、大河、綴で手を出し静止し率も詠斗の肩に手を乗せる、率の手からも怒りが伝わってくる、領民が苦しんでいても自分の身体が優先かと状況も把握してしているにも関わらずここで静観しているのが気に入らない。

「孤児院の補助がかなり減らされて貧窮しています、みんなやせ細って…酷い状況です。どうして補助を減らしたんですか?」

「それは無い、前領主の時から額は変わっていない。そうだろうデダノ?」

「ええ、おっしゃる通りですぞ。30日毎2,000,000ログ出しております、誰かが着服しているのでは?」

しれっと顔色1つ変えずにデダノが嘘を吐く、訪ねた率も怒りが増す。

「孤児院への補助の話しはいいな、そんな事よりも。治してくれるのならば、ゲシュレンの商会の荷物を事故で破損させた商会の補助を行っても良いが?本来ならば商会同士の問題は領主は口出しをしないが今回は口添えをしても良い」

必死だ…必死さが伝わるが、大河はそれどころではないこの頭の切れるかもしれない領主は1つボロを吐いた、タオンを治療した際にいた誰かが情報をここに流している…鑑定に掛けるか。

「そうですか、では条件が1つ。そこにいる執事の方を部屋の外へ出してください」

「分かった、デダノ」

「し、しかし!ハインダール様を得体のしれん奴らと…」

「デダノ」

「失礼しました」

執事が一礼しこちらを睨みつけ出ていく、綴が考えがあると言ってそのまま隠しもせず転移魔法を使いテントに戻った。


「晴海君、お願いがあるんですが」

「綴さん?どうかしたの?」

「魔法付与できる札を1枚下さい」

「いいけど、はい」

「ありがとうございます」

「いいよ、これ。ナイルさんが作ってくれたクッキー」

「おいしいですね!帰って来たら皆で食べましょう」

「うん、早く帰ってきてよ」

「はい」

テントで皆でナイルの作ったクッキーとお茶を飲んで、改築組も一息入れていたので、晴海に札を貰いレグに回復魔法を付与してもらう、クッキーを晴海から貰い千眼の分体を借りてすぐさま領主邸に戻った。


「お待たせしました、千眼さん気配遮断をお願いします」

綴の髪に留まっていた(何故か良く似合う)蝶が一度羽を動かす、これで外に音が出ないようになり、本題に入る。

「ケガは治します、それから先は貴方次第です」

「ああ…」

回復を付与された札を領主の足に翳し淡い光が漏れ足を癒していく、常にハインダールを苛み続けた足の痛みが見る見るうちに消えていった。

「足が…動く…立てる…感謝する」

ひざ掛けが地面に落ちるゆっくりとハインダールが立ち上がり歩く、ガクガクとしていたが数歩歩けば堂々とした歩き方をするが、またひざ掛けを持ち椅子に座った。

「私はこの領地を立て直す」

その覚悟を込めた声全て承知の上で自分の動けぬ身を守る為に暗愚を演じているのか、綴は千眼い頼み気配遮断を解いて貰い、外にいるであろうデダノをハインダールが呼ぶ、様子が変わっていない状況に一瞬だが安堵したした表情を浮かべた。

「ハインダール様!ご無事で!足は治らなったのですか!?」

「この通りだ、だが努力は認めよう。孤児院の移動を許可する」

「それはどうも、邪魔をしたな」

「失礼します。もう2度と会わない事を願います」

「なっ!?無礼ぞ!」

「デダノ、良い」

「ハインダール様!」

綴がそう言った視線の先は、ハインダールではなくデダノの方に向けて言ったのをデダノは気づかずハインダールが侮辱されたと憤る。

皆が去り、デダノに茶を淹れるように命を出す、後日デダノがゲシュレンと繋がり奴隷の違法売買に手を染め、前領主夫妻の事故に関与している情報が匿名でハインダールに届き……という話しは少し先の話し…。









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