最後の復讐・エピローグ
長らくお待たせしました。
最後になります。
雪菜と飯倉による激しい戦闘が繰り広げられていた。
その戦闘はまさに冒険ファンタジー小説でお目にかかるようなそんな戦争だ。
光の弾が飛び交い、周囲の建物を崩壊させていく。
しかし、人は騒がず、警察や軍が外からやってくることはない。
それは彼らが異業のものならではの能力を用いて人払いをしているからだ。
「時に、堕天使雪菜さん。どうして、あなたはネットなどというものを使って人を集めていたのでしょう?」
「は? それがなに? あなたには関係ないことよね?」
「ええ、そうですね。ただ興味本位で聞いてみたいと思いまして」
「興味本位? 悪魔にそんな理由離して私の何か特になると思うの?」
「いえね、私思うのですよ。もしかしたら、あなたは最初はただ人間を食い物にしか考えてはおらず復讐の手助けなんてする気はなかったのではないかとね」
勇気は目の前で交わされる二人の会話を聞いて固まった。
「堕天使であるあなたが人間の手助けなどするはずもない。あなたも本性は堕ちた天使。人間の善意を食い物にする化け物」
「あなたと一緒にするな! 人間を餌としか考えていないゲスめ!」
彼女の放つ黒い槍が放たれたが桃子はそれをすべて弾き飛ばす。
「あらあら、なにをそんなに焦ってるの? 図星だからじゃない?」
勇気は姉を失ったばかりもありもし、彼女が餌にしか考えていないと考え始めて絶望にどんどんはまっていく。
「あはぁああん! さ・い・こ・う! やっぱり彼の絶望は甘味!」
「っ! 私を揺さぶって彼を落とすために!」
雪菜は気づいた。
さっきの諫言は勇気を絶望に落とす意味合いだった。
雪菜は明らかに動揺するだろうと考えても含まれていた。
「この甘味を味わうために私は長いこと彼を観察し続けた。最初彼に目を付けた時運命を感じたわ。妙な神秘の力。そして、悪意のない絶望を知らぬ純粋な少年。そんな彼を絶望に落とし続けたらどうなるのか味わいたくなった。そして、私は実行した。ゆうきくんの両親を殺し、彼を養父母のもとに引き取らせ、その養父母に催眠暗示で彼を痛めつけるように誘導してどんどん彼は暗くよどみ絶望を蓄積し常に排出続ける私の栄養源になった! 最高の餌、これ以上のない餌」
「俺の両親を殺した?」
勇気は飯倉桃子を凝視した。
彼女は「ええ」と恍惚にした表情で満面の笑みを浮かべた。
「あのとき、あなたの両親を殺したのは私よ。覚えてないかしら?」
「あ、ああ……」
勇気の記憶にずっと靄があったものが鮮明に晴れ渡り黒い存在が如実に女性の姿を形作り思い出していく。
なぜ、今まで思い出せず見えなかったのか。
「あなたは最低な悪魔よ! どんな悪魔よりも最低で最悪な悪魔!」
「アハハハ! 悪魔には誉め言葉よ! でもね、あなたも最低よね。さんざんに彼を利用して善意をもらっていたじゃない。それがあなたには餌となった。さらには彼の大事な姉の性格を変えてしまった。それがなによりもあなたの罪でもあるのよ」
「ええ、そうね。罪。わかってる! だから、私はあなたという存在を消した後この町から去るつもりよ」
「去るね。それはさせると思う? 私はあなたの絶望を味わうまでそうはさせない」
そういき込んだ飯倉桃子。
次の時、彼女は背中につよい衝撃を受け喀血した。
「な……に?」
「はぁ、はぁ」
ゆっくりと振り向いた彼女がみたのは銃口を掲げた勇気の姿。
彼の銃口から火煙があがり銃弾が発射されたとわかる。
「権能の武器……そうですか……あはは」
彼女は膝をつくと勇気がゆっくりと近づいた。
その額に銃口が突き付けられる。
「俺はずっと、長年苦しんできた。それは俺が及ぼした行為だと思っていた。自分が悪い、自分にバツが降るなら我慢すればいいと。でも、次第にそれにも疲れた。そんな時にネットで見つけた記事は何よりも救いとなったんだ。それで、まさか最後に本当に復讐したい相手に出会えるなんて思わなかった。でも、それにたどり着くのに俺は最愛の人を失った。だから、この手でもう復讐を最後にする」
「そんな権能ごときで私の命を散らせると思うなくそがきぃいい!」
飯倉桃子の体からあふれ出る瘴気。
しかし、その瘴気を空中から彼女に向け振りかざされた黒い剣が打ち止めした。
「今よ! 勇気君!」
「これでおわりだ!」
一発の銃弾が彼女の脳天を貫いた。
++++++
復讐を遂げてから数日後。
勇気は母親と病院へ訪れていた。
訪れた理由はその病院に入院している最愛の人がいるからだ。
「姉さん来たよ」
「ユウくん」
勇気は見舞いの果物をもって見舞いに来たとアピールする。
その傍らにいた母親を芽衣が見て「お母さんもありがとう」と口にした。
あの復讐を達成してから家族中は良好に戻った。
まるで、喧嘩していた、虐待の件があったこと自体が嘘だったかのように。
母は病院の医者と話をしてくると部屋を出ていくと勇気と芽衣が病室に二人きりとなった。
勇気はリンゴを剥きながら姉と話をする。
それは例の話だ。
「雪菜さん、どこかへ消えちゃったよ」
「そうなの? お礼言いたかったのに残念ですね」
あの復讐から数日、いろいろなことが起こった。
まず、世界の状態だ。
外部の警察機関はこの町との連絡途絶があったのをまるで今気づいたかのように緊急で来て、町の警察の状態を確認し、地下の複数の死体を発見しその死体の中にあった義父の件をふくめた複数の変死体についてが発覚。その事件はすべてが失踪した警察官、および警察に幾度となく通い詰めていた『飯倉桃子』が何かを知っていると容疑者として捜索されている。
捜索というのも彼女はあの時に死亡し消滅したために捜索となっている。
その事実を知っているのは勇気と芽衣だけなのだ。
芽衣については傷がそれほど致命傷にはならず、運良く助かってこうして入院生活を送ることになった。
最後に、雪菜についてだが、彼女は復讐を遂げた後、勇気へ一言謝罪と別れを告げて消えた。
「それに彼女がいなくなったというのは実はいうとわかっていました。あの力が使えませんから」
「あ」
そう、あの力。
それはトリガーと呼ばれる権能。
あれは今はもう出せない。
もう、使う必要はない代物だからどうでもいい話だ。
「姉さん」
「なに?」
「俺たち、次こそ幸せになろう」
「それって愛の告白ですか?」
「うっ、そうだよ」
「っ」
芽衣は珍しくも顔を赤くして「まったくもう」と勇気の額を小突いた。
そんな様子を病室の窓から遠目に観察していた堕天使の雪菜は笑う。
「あの二人実に幸せそうね。さて、私も次の仕事場に行こうかしらね」
雪菜はそういいながら二人に別れの言葉を独り言のようにこぼし、どこかの町の空へ飛びたった。
長い間お待たせしてついに完走しました。
最後の最後にスローペースな執筆で申し訳ありませんでした。
これにて終わりです。
ここで主人公は一体どっちだったんだという疑問があったと思いますがこの作品は勇気です。
続編はこの作品は作る予定はありません。
これにて終わりです。
読者さん方お付き合いいただきありがとうございました。
私はこれからも精進してほか作品の完走を頑張ります。
最後にありがとうございました!
ほかさくひんもどうぞよろしく!




