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47-3 校歌斉唱

 せっかく御出でなのでルイス国王にも軽く御挨拶を頂いて、街の来賓の方からも色々御挨拶を頂いた。


 そして国歌斉唱。

 アルバトロスの国旗が掲げられる。

 それを騎士団の旗持ちが、がっしりと持っている。

 まだここは屋内だからいいけど、あれは風があったりすると大変なんだよ。


 重さを軽くするライトウエイトなんていう魔法を使うような軟弱な事は許されない。

 だが、この旗を持つ役はみんながやりたがる。

 名誉な役なので中々やらせてもらえないものらしい。


 今日の旗持ちは将来は副騎士団長候補と言われている有望株だ。

 顔には王国騎士団員としての誇りが強くにじみ出ている。


 いや、これ只の小学校の入学式なんだけど。

 な、なんか悪いね。

 まあこいつらは、日頃から厳しいネイビーシールズばりの訓練をしているしな。

 いや訓練にも異世界風味がかなり濃厚に漂っているので、それ以上なのかもしれん。

 こんな事くらいは屁でもないのだろう。


 国歌は日本語にすると、こんな感じか?


「我ら、誇り高き神の鷹。

 古の誇り胸に今奮いたたん。

 我ら稀人の子、その志、忘るる事なかれ。

 勉学と武門の誉れあれ。

 魔道の力踏みしめて、清貧の教え忘れまじ。

 ああ栄光のアルバトロス、ロスの名の下に栄あれ」


 ちゃんと神の鷹アルフォンスから始まって、ロスの名で〆るようになっている。

 この歌の意味を忘れて色々とやらかしていた連中は、俺が纏めて退治してやったっけなあ。


 続いて校歌の「ケモミミの歌」が始まった。

 それに合わせて、するすると可愛いケモミミの旗が掲げられる。

 ケモミミハイムの馬車に付けられていた奴に刺激されて作ったものだ。


 シンプルで可愛い絵柄だ。

 真っ赤なかわいいニャンコのシルエットだけの奴だけど。


 背景はオリハルコンの山吹色だ。

 だが染料には本物のオリハルコンの微粉末を配合しているという隠れた贅沢さだ。

 この旗に使用している分だけでも、旗が大きいから並みのミスリル製の剣よりも高価だもんね。

 これのデザインをしてくれたのは、WEBデザイナーをしている掲示板の住人である御兄ちゃんだ。


 うちの旗はアルスが持ってくれている。

 こっちだって、今世界で二人しかいないSランクの旗持ちなんだぜ!


 葵ちゃんが前に出て指揮棒を持っている。

 ちゃんと練習したのだ。


「神々の晩餐アドロスの、その名に集いしケモミミのー。

 我らは獣人小学生。

 スパルタ教育、なんのその。

 ダンジョン魔物は晩御飯。

 今日も勉強がんばるぞ。

 我らケモミミ小学校、元気がいっぱいさー」


 作詞作曲は園長先生だから、こんなもんだな。

 俺ってば、音楽と美術は全く才能がありませんでした~。


 伴奏のオルガン演奏は、なんと山本さんだ。

 俺が作ったエセ足踏みオルガンを、苦も無く弾きこなしている。

 この人って本当に才能豊かだなあ。


 俺なんか足踏みオルガンでは「猫踏んじゃった」くらいしか弾けないんだぜ。

 それも今ではもう無理なんじゃないのだろうか。

 あれを弾いていたのって小学校六年生くらいの頃だし。

 あの頃は教室に足踏みオルガンが置いてあったんだよなあ。

 もう何十年も引いていないから、オルガンの弾き方すら完全に忘れているわ。


 それから簡単に閉会の挨拶をして入学式を終えた。


 ちょっと早いが、もうバザーにする。

 今日は遊園地の御披露目もあるのだし。

 新小学生どもには、制服を汚さないようにエプロンを装着させておく。

 まあ汚れてしまったら浄化の魔法の出番だな。


 一応、エルフ茶屋も出してもらった。

 まだ花見団子の季節だ。


 粽と柏餅の準備も余念がない。

 漉し餡も山本さんが既に供給済みだ。

 この世界産の小豆や砂糖からも餡子は生産されているし。

 そういや、この世界初の餡子を作ってくれたのはエリだった。


 山本さんも、色々な春の新作和菓子を出してエルフ茶屋の方へ回してくれた。

 色鮮やかな餡物や葛を使った和菓子などは、この世界ではあまり見ないものだ。

 今はもう、この街にはいっぱいあるのだが。


 フードコートにおいても「山本菓子本舗」と「山本うどん店」が並んでいて、これらも大人気だ。

 フードコートで、異世界の金髪貴族達が抹茶を飲みながら、竹製の小さなナイフで和菓子を上品に切り分けていただいているのを見ても、全く違和感が無い。


 日本で外国人旅行者が日本文化を楽しむ姿は見慣れたものだし、彼ら貴族の上品な所作のせいで、ごく自然に受け止められる。

 そして彼らは、うどん屋で箸を上手に使って、うどんをつるつると啜り上げるのだ。


 この世界でも、箸はハシという日本語風に呼ばれる事になった。

 古い文献には、初代国王がそんなような物を使っていたらしい事は書かれている。

 だが日本食文化とセットで無かったため、文化としては普及しなかったのだ。


 今は昔と違って豊かな時代なので、比較的豊かなこの国にも元々食文化が発達していた。

 だから新しい食文化を受け入れる素養があった。

 地方というか辺境では、さすがにそれはなかったが。

 それもまた、いずれは。


 俺が持ち込んだ食材その他と、ネット知識などの影響が大きい。

 エリのように優秀な子もいたし。

 そして何よりも山本さんの出現が大きかった。



 本日のバザーも大盛況だ。

 フードコートや園のバザー、俺が中心となって行なう夏祭りや桜祭りなどの行事を中心に、この街では他都市の貴族並みに一般市民も豪華な食文化に親しむのだ。


 案外と素直に異世界の文化が受け止められているので、俺としても少し驚いてはいるが、まあそいつは別に悪い事じゃあないので。


 子供達が御昼寝中に、街の人を連れて遊園地へと向かった。

 もう、ここは「観光バス」に頼った。

 いっそ簡易的に鉄道でも敷いてしまおうかと思ったが、さすがに止めた。

 今回鉄道を作っても恒久施設にするわけではないので。


 ゲートの魔法を使うのもなんだしな。

 あれはやたらと公に使うと、またミハエルが煩い。


 バスは続けて地道に改良を進めていたので、当初のオモチャっぽい感じではなくて本物っぽくなっている。

 運転手のゴーレム達は、最早別物だ。

 最初の頃はなんとか自立的に動いてくれてはいたものの、動きもトロい、物言わぬ岩くれの人型だった。


 今はもう「アンドロイド」と言っても過言じゃないほどの出色の出来となった。

 見かけもほぼ人間と変わらず、言葉も流暢に喋る。


 そして、彼らは只の人形じゃなかった。

 最初に作っていた只のゴーレム魔法に使っていた魔核に、真理のコア情報をコピーして改良した俺のゴーレムには、どうやら魂のようなものがあったらしい。


 ゴーレムのバスガイドさんも乗り込んで、バスに不慣れな乗客達を笑顔で捌いていた。


 さすがに、このサイトでも自分で考えて書いた歌詞はOKでしょう~。

 内容も、ほぼアルバトロス国やケモミミ園専用の名称や意味だし。

 そもそも、歌そのものが実在していない、ただの小説の文章ですので。

 国歌や校歌を書き込む、異世界チート小説は珍しいかな?

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