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夜のチャイム  作者: 紫木
14/21

幕間 ある日の桜の下で

「今年は入学式の最中に桜の雨を降らそうと思う」

「アホか、ふざけんな」

「虎徹、真面目に考えて下さい」


波乱尽くしだった卒業式のリハーサルも無事終わり、僕たちは本日も無駄な会議を繰り広げている。

虎徹と青葉先輩はもうすぐ最上級生となり、僕も1年生という殻を破り捨てる時期がきたというのに、相も変わらずグダグダの委員会活動。

よくこれで風紀委員を名乗れたもんだとつくづく考える事がある。


風紀改善委員会、本日の議題は『新入生の入学を派手に祝う方法』。


そもそも、こんな事は風紀委員の管轄ではないと声を大にして叫びたい。


「馬鹿かお前達は?新入生の門出を祝わずして何が風紀委員だ!」

「馬鹿はお前だ。それは生徒会の役目であって、僕たちは粛々と脇役に徹するべきなんだよ」

「卒業式はアイツ等に譲ってやると言っただろう?入学式は是が非でもうちが担当する」

「何だよ、その縄張り争いみたいな言い方は?」

「京太、キミは何を安穏とした事を言ってるんだ?春の陽気にでもやられたか?どれ、目を覚まさせてやろう、セイッ!!!」

「痛ったぁぁ!!テメー、いきなり人様の頭をどつくとはどう言う了見だ!?」

「ふむ、少しは活気が出てきた様で何より。では話を続けよう」

「しれっと流してんじゃねぇよ!!そっちがその気なら、、、」

「止めてください、京太くん。これ以上、馬鹿が増えるのはたくさんです」

「ちょっ、青葉先輩まで馬鹿呼ばわりするんですか?」

「当たり前です。もう貴方達の行動には慣れてしまいました。いい加減、少しは学習して下さい」

「青葉、よく言った。先輩を先輩とも思わん様な後輩は厳しく躾けるべきだ」

「虎徹?私は貴方にも言ってるんですけど」


とまあ、これが風紀委員の通常運転という訳だ。

何故だろうか?涙が出そうになる。


「とにかく!新入生の歓迎を怠る事は許さん!!絶対に驚くような舞台を整えるんだ!これは決定事項だ!反論があるならかかってこい!」


こうなった虎徹を説得するのは非常に難しい。

コイツは自分の中に一端の指針を持って行動をし、それがブレる事を極端に嫌う習性がある。

だから、なんとも情けない話、僕と青葉さんはいつもその煽りを受ける羽目になる。


「またそんな事を言って、去年もそう言って自分ひとりで突っ走ってしまったじゃないですか」


去年というとあれか。

桜の木をバットで殴打し、校庭中に桜の嵐を巻き起こした槻島高校始まって以来の特異的な伝説。

実際にその場面に立ち会っていたとはいえ、あんな事を思いつく馬鹿も実行できる人間もコイツ以外にはいないだろう。


「あれは青葉が頑なに「そんな事出来るはずがありません」だなんて、私を侮辱した事を言うからだな、ちょっと目にものを見せてやろうと思って、、」


「「新入生への歓迎の気持ちは何処にいった!?」」


「いやいや、もちろんそれを忘れていた訳じゃない。誤解しないでほしい、、、だからそんなに怒るなよ二人とも」


僕と青葉さんの糾弾に珍しく狼狽するコイツを見て、青葉さんがしみじみと感慨深く口を開く。


「まぁその件は少し置いておくとしまして、、それにしても、虎徹は本当に変わりましたね?」


「はぁ?いきなり何を言い出すんだ青葉は。頭でも打ったのか?おいっ京太、春の陽気にやれたのはお前だけじゃなかったみたいだぞ」


ピキッと一瞬笑顔が固まったものの、さすがは青葉先輩、すぐに落ち着きを取り戻し、いつもの表情で答える。


「その失敬な発言については後ほどきっちりと言及させて頂きますが、私が言いたいのはですね。少しは他人に依存するようになったという事ですよ」


あんまり落ち着きを取り戻してなかった!?

どうやら思いのほか、頭にきていたみたいだ。


「その言い方ではまるで今までの私は暴虐不尽の塊だったみたいじゃないか!!」

「ええ、そう言ってるんですよ?貴方が起点になった諍いに対して、私がどれだけフォローしなくちゃいけなかったのかを想像してみて下さい」

「ぐっ、今日はやけに突っかかって来るじゃないか。だがしかし!!私には頼れる相棒がいる事を忘れるな!京太、出番だぞ!愛しの先輩のピンチだ!」

「ほら、そこですよ。虎徹は京太くんが風紀委員に入ってから、考えられないくらい彼に甘えるようになりました。自分でも少しは自覚しているでしょう?」

「私が京太に甘えているだと!?先輩が後輩に甘えてどうする!!よしっ京太!!私の懐の深さを詩的に語ってやれ!!」

「オマエ本当、いちいち僕を巻き込むなよ。そもそも僕は詩なんか詠めねぇよ、題材がクソみたいに破綻してるしな」

「クソみたいに破綻しているか、、そうか、そうだな!!いい加減、私もオマエの口の悪さを矯正したくなってきた!!そこに直れっ!この馬鹿後輩が!!」

「だからなんでオマエの矛先はいっつも僕に来るんだよ!!いい加減ウンザリしてきた!上等だ!決着けりつけてやるよ!!」


「はぁ~、何だかんだ言いながら、すぐに二人の世界に入るんですから。やってられませんよ。頭痛い」


いつの間にか、いつものノリでバトル開始寸前だった僕たちを見て青葉先輩が頭を抱える。

おかしいな?いつもならすぐに止めに入ってくるのに。


「虎徹、いや、木乃宮先輩。今回に限っては僕が誤る事にする。確かに先輩に対する口の聞き方じゃなかった。ましてや呼び捨てはダメだよね。これからは気を付ける事にするよ」


毒気を抜けれた僕は何だか居心地の悪さを感じて、バトル気にもなれず素直に謝罪する。


「いや待て、その、、なんだ?呼び方はそのままで良いと思う。うん、そのままの方が良い」


すると虎徹はそっぽを向きながらそんな事を口にする。

いったいコイツはどうしたいんだろう?

いよいよ意味不明な展開に頭が付いていけなくなった時、青葉先輩が僕に向かって言う。


「京太くんはどうして虎徹にだけそんな暴言を吐くんですか?」


その声はやけに真剣味を帯びていて、何故だか即答する事を躊躇ってしまった。

青葉先輩はそんな僕の様子を見て、得心がいったという感じで言葉を続ける。


「ふぅ、これは中々手強そうですね。ここまでそっくりだなんて、いっそ諦めてしまった方が良いんでしょうか」


何やら頭を抱えて苦悩してるようだけど、僕の紳士レベルではどうすれば良いのか皆目見当も付かない。

すると、そんな青葉先輩の様子を知ってか知らずか、三度、仕切り直しの声が上がる。


「脱線しすぎた。そろそろ決をとろうと思う。ちゃんと聞いてるか?二人とも?」


脱線の原因がよくもまあ、そんな堂々と言えたもんだ。

でもここで突っ込むとまたしても混沌としたやり取りが繰り返される事が分かっているので、僕は言葉を飲み込む。


「では本日の議題、『新入生の入学を派手に祝う方法』について、何か意見のある者は?」


シーンと静まり返る教室。


「よろしい、では当日は自由行動とし、各々が手法を凝らし事に当たる事を望む!以上!!」


それだけを言い切って、颯爽と教室から出て行ってしまう我らが委員長様。

教室に取り残された僕たちはお互いの顔を見合わせて意思確認をする。


「「絶対に何か突拍子もない事をやるつもりでしょうね」」


結局、自分で勝手に決めるんなら会議やる必要なかったのに。

そんな溜息をついて帰り支度を始めた僕に、青葉さんが声を掛けてくれる。


「今年の入学式には虎徹にもちょっと思い入れがあるみたいですよ。何たって妹が入学してくるらしいですからね」


「へぇ~、アイツに妹なんていたんですか。そりゃあ、、、今年も無事に済みそうにありませんね」


一瞬、アイツが二人並んだ絵を想像してげんなりしてしまう。


「でも話に聞く限りでは虎徹のイメージとは随分違う子の様ですよ。ちょっと物言いに問題があるらしいですけど」


「いやいや、虎徹のちょっとは普通の意味合いとは随分違いますからね。出来れば僕は遠慮させて頂こうと思います」


これ以上の破綻者が現れたら、僕の学園生活は確実に真っ黒になってしまう。


虎徹の妹とは万が一にも接点を持たないよう真摯に心の中で願っていると、


「わかりませんよ?何たって京太くんは変な人材を引き付ける事に関しては学内一ですからね」


青葉先輩はそう言って楽しそうに笑う。


まだ見ぬ虎徹の妹よ、どうか僕に平穏な学園生活への希望を摘み取らないでくれ。

ホント、お願いします。


○ ○ ○


本日は第35回槻島高校入学式の日。


無事進級を果たす事が出来た事に安堵を覚えながら、2階の教室から校庭に群がる新入生諸君を眺めている。

ホント、あれだけ滅茶苦茶やってよく進級できたと思う。

木乃宮虎徹に付き合うと、本当に要らない心配事だけは増えていく。


「はぁ~、そろそろ行くとしますか」


ため息ひとつ、感傷に浸る時間を強制的に打ち切り、僕は校庭を目指しひとり歩き出す。

目標はただ一つ、木乃宮虎徹が何かとんでもない事をやらかす前にその身柄を確保すること。

これは生徒会長から内密に依頼された至極真っ当な風紀委員としてのお仕事。

その内容が風紀委員長の確保とは何とも情けない話だと思うが、こればっかりは無下に出来ないだろう。

青葉先輩は入学式の式典準備として体育館のほうにスタンバイしていた筈だけれど、現状を顧みるに問題は起こらなかった模様。


という事は、虎徹が動き出すタイミングは今しか無い。

ヤツは必ずこのタイミングで何かトンデモナイ事を計画しているはずだ。

ホント、何でこんな事になるかなぁ。


慣例となった行事を滞りなく終わらせた新入生たちが溢れる校庭に辿り着く。

さて、虎徹が攻めそうな箇所で心当たりがあるのは去年伝説を作った桜の大木くらいだ。

あそこなら見通しも良いし不測の事態が起こっても何かと対応はしやすいかなと思い、取り敢えずは校庭にデカデカと鎮座する桜の木へ向かう事にする。

それにしてもあの桜の木もあんな事されて、よくもう一度、花を咲かせようと思ったもんだ。

いきなりバットで強打されたんだ。僕なら不貞腐れてもう二度と咲いてやらないけどな。

自分でも馬鹿な事を考えてるなと自覚しながら、一歩一歩桜の木に近付く。


そんな考え事をしていたもんだから、あと数歩で手が触れる距離になるまでそこに人がいる事に気付かなかった。


彼女は桜の木を背にして、校庭に溢れる生徒たちをつまらなそうな顔で眺めている。

自然に考えて彼女も新入生のひとりで間違いないと思うんだけれど、彼女の纏う雰囲気は他の生徒たちと一線を画しており、大人びていると言えば聞こえはいいと思うけど、どちらかというと彼女の雰囲気は浮いていると言った方がいくぶん適切だと思う。

それ程までにその姿は異彩を放ち綺麗だった。

その眼差しは睨む訳でもなく、呆れている訳でもない。

ただ彼女は、住む世界を間違えたかのようにそこにポツンと立っていた。


「何か用かしら?」


僕の金縛りを解いたのは、そんな冷たい一言だった。


「あなた、聞いているの?まさか『理解出来ませんでした』なんて事は言わないでしょうね?確かに知性には乏しそうな顔をしているようだけど」


僕の怒りに火を灯したのも、彼女のそんな一言だった。


「聞こえてるよ、ごめんね邪魔しちゃって。それにしてもアレだね、随分な口の聞き方をするね、一年生?」


僕の皮肉真っ直ぐの言葉受けても、彼女は顔色一つ変えない。

それにさっき僕が口にした言葉は、自分を思いっきり棚に上げている事も十分理解できているのであしからず。


「あら、上級生の方だったんですか。それは随分と失礼な言葉遣いをしてしまい、申し訳ありませんでした」


言葉とは裏腹に彼女の表情に謝罪の色は無い。


「背も低く知性さの欠片もない、挙げ句の果てには新入生を軟派する様な雑魚がまさか上級生面するだなんて、私の頭では到底理解が追い付きませんした。そうは思いませんか、先輩?」


毒、それも猛毒。

敵意というよりも反骨。


「いやいや、なかなかロックな新入生じゃん。マジぶっ殺すよ?」

「まるで獣のようね。首輪が付いていないところを見ると野良かしら?あなたのご主人様にも困ったものだわね、品性の欠片もない雑種を放し飼いにするなんて」

「キミはひょっとして僕に喧嘩を売っているのかな?野良犬レベルと同等にみられて黙ってられるほど僕も温厚な方じゃないんだけど」

「勘違いしないで、野良犬未満よ」

「以下どころか未満だと!?ふつふつとキミに対する殺意が湧いてきた!!」

「あら、発情期?我慢なさい、貴方には私よりももっと素敵な相手がいるわ。、、、お犬様とか」

「生類憐れみの令上等!!もう先輩後輩関係ないよね!我慢しなくていいよね!!」

「あと、そこに立たれていると邪魔なんだけど、早く退いてくれないかしら?

「ここにきて原点回帰!?もはや僕の想像もつかないような切り返し!!」


言葉の応酬を終えて肩で息をする僕。

それでも彼女の顔色は一切変わらない。

恐るべし被虐女子、まるで勝てる気がしないのは何故だ。

僕が彼女の存在に旋律を覚えていると、


「何だか臭うわね。加齢臭?いや腐敗臭かしら?何処から臭ってくるのかしら、不愉快ね。あぁそこのキミ、少し私から離れてくれないかしら?」

「ぶっちぎりで僕が原因だって決めつけてるじゃん!!!これでも身なりは清潔にしてんだよ、マジで傷付ける事言うのは止めようぜ!!」

「ところでおチビさん、貴方のお名前は?」

「何で自分発の言動放棄して次に移っちゃってんだよ!!それにそんなにしゃがまなくても見えてるし聞こえてるだろ!!それはもう蟻の世界だ!!」

「うるさい奴ね、私の質問にとっとと答えなさい」

「何だその女王様気質!?もう傲岸不遜ってレベルじゃねぇ!!」

「ちなみに私の名前は『摩訶不思議マカ フシギ』よ。嘘だと思って覚えておきなさい」

「嘘なら覚えねぇよ!!!」


突発的に始まった第2ラウンドもあっさりとKO負け。

体力が底をつき、惨めに膝をつく僕。

その僕を見下ろす美しき加虐者。

なんだこの絵?上下逆じゃね?いや、逆にする趣味も無いんだけど。


「うふふっ、キミ、なかなか楽しいじゃない?」

「それはどうも、僕の名前は『和泉イズミ 京太キョウタ』、現2年だよ」


膝についた砂を払いながら、僕は彼女と目線をあわせて仕方なしに名乗りを上げる。

きっと彼女は今後の学園生活に色々と絡んでくる、何故だかそんな不吉な予感が鳴り止まなかった。


イズミキョウタね、彼女は口の中で僕の名前を反復すると、肩に掛かるほどの長さの髪をかき上げて自分も名乗りを上げる。


「『木乃宮小太刀コノミヤ コダチ』よ、覚えておきなさい。光栄に思うことね、キミは私の記念すべき一人目よ」


その言葉を脳が理解したと同時に、僕は再び地面に膝をつき、世界が真っ白になったかのように燃え尽きる。

そんな、、、馬鹿な。

こんな偶然、有り得るはずがない。

彼女は今なんて言った?


「あら、気が遠くなるほど嬉しかったの?確かに女運は無さそうな顔をしているものね。でも安心なさい、キミが考えているような方向性の話では無いわよ。そうね、強いて言うなら唯の暇つぶし仲間といったところかしら」


今の僕にはそんな毒よりも、もっと致命的な仮定がある。


「あの、、ちょっと聞きたいんだけど、木乃宮ってまさか。。」


「そんなとこで何をしてるんだ?」


僕が最悪の仮定について確認しようとした時、日本刀を腰に携えた人物が現れる。、、なんでさ?

この学園でそんな描写が出来るのは一人しかいない。

槻島高校風紀委員長、別名『災厄』こと、木乃宮虎徹の登場だ。


「小太刀、こんな所にいたのか。お前、私の番号、着信拒否してないだろうな。何回も電話掛けたのに」

「そんな些事よりも姉さん、そんなモノで何をしようというのかしら?」

「うん?ああ、この日本刀の事か。これはちょっとそこの桜の木をぶった斬る為にだな、、」

「はぁ、やっぱり姉さんはいつも通りね、おかしな事ばっかりして。少しは自重したらどうなの?」

「お前は本当に私に対して小言ばっかり言うなぁ。お前こそ、そんな斜に構えた態度だと友達の一人も出来ないぞ」

「私を理解できない人間ならこちらから願い下げよ。それに、もう仲間は一人確保したわ」

「あぁ!?そうなのか、それはいい事じゃないか!!まさかそんな奇特な人間がこんなに早く見つかるなんてな!」

「言葉の節々で馬鹿にされているのは不愉快だけれど、確かに言っている事は正論ね。私も正直、今日の今日でこんなに遊びがいのありそうな人間に出会えるなんて思ってもいなかったもの」

「いや、一概には言えないぞ小太刀。私にも去年似た様な経験があったからな」

「そう言えばそんな事を言っていたわね。それで、その姉さんの心を射止めた朴念仁は今どこに?」

「心を射止めたとか言うな!まぁなんだ、その話はちょと此処ではだな。。それよりもお前の初めての友達の方が気になる、取り敢えず呼び出せ」

「また無茶苦茶な事を言い出したわね。まぁいいわ、ほら?なんでか知らないけれど、さっきからそこで真っ白に燃え尽きている彼よ」

「はっはっは、何を言ってるんだ?さすがに冗談にしてはヌルイな。お前は知らないで言ったんだろうけど、そこでアホみたいな顔して燃え尽きてるのは私の仲間だぞ?」

「はぁ!?コレが姉さんのお気に入り!?冗談が過ぎるのは姉さんのほうね。コレは今しがた私が見つけた暇つぶしに最適の仲間よ?」

「いやいや、冗談はもういいから。それ以上言うとぶっ飛ばすぞ?」

「いやいや、姉さんこそ冗談が過ぎるわね。撤回なさい」


「「・・・・・」」


「「はぁ!?本気か(で)!?」


これは僕にとって二度目の春先におこった出来事。

『災厄』の妹、木乃宮小太刀コノミヤ コダチとの初めての邂逅。

これより僕の高校生活は、今まで以上の加速度を以って走り抜ける事になる。


ホント、勘弁して欲しいんですけど。。。

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