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この辺には歓楽街もあったんだっけ
街を歩いていると、うっかり歓楽街の方に足を踏み入れてしまった。我ながら迂闊なことだと思う。見れば、道行く人間の身なりは上品なものからややワイルドなものまで種々雑多といった風だが、通行人の数そのものが少なく、性別の割合としては圧倒的に男性が多い。まだ昼間ということもあり明かりはついていないが、ここは夜の方が賑やかなのだろうな。
人攫いに遭う心配をしているわけでもないが、目立つ真似をして冒険者ギルドに借りをつくるのも面白くない。
「変なところに迷い込んじまったようだ。エレン、帰ろう」
「……ふーぞく、見て行かないの?」
「ばっ、おまっ、どこでそんな言葉……!」
なんてことを憶えてやがるんだ、と驚愕したのだった。
いつの間にかどこかムスッとした様子になっていたエレンだが、当然ながらここがどういう場所かは理解しているようだ。
いつだったか、ニール達と猥談で盛り上がってしまい、物陰に隠れていたエレンにバッチリ話の内容を聞かれてしまったことがあったが………そもそもそんな下品な話、聞き訳の良い子供に聞かれることがあってはならなかったのだ……反省しよう。




