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プロローグ
『勝てば官軍、負ければ賊軍』という言葉がある。勝利の前ではどんな悪行も正当化されるという意味だ。
……だが、果たしてそう上手くいくだろうか?
確かに勝者は全てを肯定され、敗者は全てを否定される。しかし、敗北者達は、例え賊軍に成り下がったとしても自らの敵を討ち滅ぼすまで戦いを止めないのでは無いだろうか? また、仮に全ての敗北者達を皆殺しにしていったとしても、その憎悪は何処か別の場所で芽吹くだけなのでは無いだろうか?
『父様と母様の名誉を穢し、全てを奪った憎き敵【革命党】………世界が貴様らを祝福しようとも、ボクが必ず貴様らを地獄の底へと叩き落としてやるっ!』
そう例えば、この少年ヴィンセント・アルバトロスの様に………