第12話、セリア皇后の誕生パーティーで
皇国に来て4カ月が過ぎ、皆さんが優しくしてくれるので暮らしやすく魔道具の研究の仕事もやりがいがあり充実した生活でした。
お父様も皇帝陛下の相談役として内政の改革に腕を振るい、貴族の皆様の信頼を得て王国にいた時と違い生き生きとしています。
記憶喪失のお母様も徐々に今の生活に慣れて笑顔も増えてきて、子供みたいに、お父様に甘える事も覚えて皇国に来て良かったと思っています。
ただお兄様が生きていたならどれ程良かったかと思うのです。
セリア皇后様の誕生日を祝うパーティーをするので参加するように言われたのです。
考えてみるとパーティーなど参加した事が無いのでドレスなどあまり持っていないので困りクリス様に相談すると
「私に任せろ」
と言われて次の日にはセリア皇后様に呼ばれて行くと。
衣装係りの人達に囲まれて、身体の寸法を測られてセリア皇后様が「うんうん」唸りながら生地を選んで私はまるで人形の様に立っていたのです。
数日して私の元に皇后さまから高価なドレスが10着も届いて驚きました。
パーティーの当日はセリア皇后様の侍女達が前の晩から私の屋敷に泊まり込み私をオイルマッサージなどで磨き。
当日は侍女たちが
「本当に綺麗ね~、ん~、素肌が綺麗だから自然な化粧の方が良いかも」
「スタイルが良いからコルセットは要らないわね」
等と言いながら私を着飾っり終わると侍女長が私を見て
「うん、やっぱり素材が良いと違うわね
最高の出来ね、こんなに綺麗で可愛い令嬢は見た事が無いわ」
「イザベラ様、今度はイザベラ様の結婚式の時に私たちが総力を上げますね」
私は一瞬クリス様を思い出したが、結婚する相手どころか恋人もいないので笑って胡麻化して
「はい、そんな時が来たならばよろしくお願いいたします」
用意が出来上がるとクリス様が私をエスコートする為に迎えに来ました。
クリス様は普段でも精悍な男らしい素敵な顔立ちなのに、正装していると一段と素敵で私の胸はドキドキしてしまったのでした。
だがクリス様は私を見て暫くなぜか固まっていたのです。
私は不安になり
「クリス様、私どこかおかしいでしょうか?」
「いや、反対だよ、イザベラ嬢が妖精みたいに余りにも綺麗で可愛い過ぎるので見とれてしまっていた、ゴメン」
「ええ~!そんな~、でも褒めて頂きありがとうございます」
私はクリス様の言葉に更に胸の鼓動が早くなり顔が赤くなるのが自分でもわかり困ったのでした。
私たちの住まいは城の敷地内にあるのですが住まいから城までは大分距離があるので馬車で城に向かいました。
城に着きクリス様のエスコートでパーティー会場に入ると会場にいた人たちが一斉に私たち2人を見たのです。
クリス様が私を見て
「大丈夫?、心配しないでいいよ」
「はい、一斉に見られて驚いただけです、
もう大丈夫です」
私の両親も招待されているので探していると両親の方から近づいて来てお父様が
「イザベラ、今日は一段と綺麗だね」
そんな時、
「皇帝陛下夫妻が入場いたします、皆さまご静粛に」
皇帝陛下ご夫妻が入場して着席して皇帝陛下が
「皆の者、面を上げよ、今日はわしの妃の誕生を祝う為に集まってくれてありがとう。
パーティーを楽しんでくれたまえ」
皇后様が笑顔で挨拶に立ち
「今日は私の為にありがとうございます。
パーティを思う存分楽しんで下さいませ」
クリス様が私を連れて皇后様に誕生日のお祝いの挨拶に行かれ先にクリス様が
「母上、お誕生日おめでとうございます」
「クリス、ありがとう、来年はイザベラちゃんと結婚して私に娘のプレゼントしてね」
「もう~、母上、、、」
私も精一杯の笑顔で
「皇后様、今日はお誕生日おめでとうございます」
「まぁ~、イザベラちゃん、今日は一段と綺麗ね」
クリス様は皇帝陛下に呼び止められたので。
私は先に両親の所に戻ろうと歩き出したが中央付近で先程から私を睨むように見ている女性がいたのです。
こぼれそうな巨乳が見えそうな真っ赤なドレスを着たお色気満点な令嬢が私が近づくと。
「キャーッ」と悲鳴を上げて持っていた飲み物を私に掛けてから私にぶつかり、又「キャーッ」と悲鳴を上げて今度は自分で後ろに飛んで倒れたのだ。
私はあっけ取らて茫然としたが其の令嬢は起き上がり
「何よ~!!、私が躓いてよろけたのに、突き飛ばすとはひどーい」
「貴女が最近皇太子さまに媚びをうって可愛がられているらしい、噂の血の匂いの戦姫ね。
皇太子様には血の匂いを移さないでよ
貴方は皇太子さまに相応しくなないわ、フン」
私は誰が見ても自作自演の行動に驚いたが直ぐに太った豚みたいな中年の男が飛び出して来て
「貴様~、わしの可愛い娘を突き飛ばすとは何事だ! 許さんぞ。
お前は最近ヤジャリー王国で罪を犯してを追放になって、皇帝陛下に賄賂でもして取り入った奴の娘だな、やっぱり罪人の娘だな」
私は豚男が言う事を聞いていて王国での冤罪の追放劇と婚約破棄を思い出し。
この薄汚い親子を許せなくなり激高したのだ。
私の身体から怒りの為に魔力が漏れ出して、青白い炎が立ち上り始めると薄汚い親子は
「ヒィ~」
悲鳴を上げて後ずさり尻もちをついたのでした。
お父様とクリス様が飛んで来て、私を抱きしめて
「大丈夫だから、落ち着いて」
王座から皇帝が大きな声で
「静まれ~!!、ジョウガ伯爵何事だ」
伯爵らしい豚男が
「この女がわしの可愛い娘を突き倒したので
詰問していました、この女は罪人の娘で許せません」
「ほぅ~、そうか、わしは最初から見ていたが、お前の娘はイザベラ嬢に飲み物を掛けてから自分から彼女に当たり、自分で後ろに飛んで倒れ込んだのじゃないのか?」
「いや、優しい娘に限ってそんな事はありません、悪いのはその女です」
皇帝陛下は冷たい顔になり怒りを露わにして
「お前は皇帝であるわしが嘘を言っていると言うのに間違いないな?」
「いえ、決してそんなつもりはつもりでは・・・・」
「うるさい、もう一度言う!!、貴様は皇帝であるわしを嘘つき呼ばわりしたのだ。
不敬罪は免れないと思え、騎士団!此奴を親子共に牢屋にぶち込め~」
私はもう何が何だか分からなくなり意識を失ってしまったのでした。
意識が戻ると知らない部屋のベッドに寝ていたのでした。
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