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翌朝、寮の食堂に集まった門下生達は、改めてセンガ老人の存在の大きさを思い知らされていた。
「あのじいさんがいないと、何か調子狂うぜ」
「もう、寮の一部と化してたからなあ」
「例えて言うなら、そうだな。今、この寮は、犬のいなくなった犬小屋みたいな感じだ」
ワシャ犬か。しかも外飼いとは、お前らも薄情じゃのう。
そんな風にやり返してくれる陽気な老人はもういない。
「今までだって何日か留守にして、寮にいなかった事はあったが、何か違うな」
「分かる。もう、遺体を見ちまったからだろう」
「生きてる内は、散々死をネタにしてからかってたんだがなあ、いざ死なれると、何も言えねえや」
それ以前に、死をネタにするんじゃない。不謹慎じゃぞ、この罰当たりどもが。
そんな風にやり返してくれる気丈な老人はもういない。
センガを門下生達が取り巻いて、賑やかに始まる朝の光景は、もう二度と見られない。
朝がこの有様なら、晩はもっと食堂の雰囲気は一変している事だろう。
晩酌をしつつ陽気に管を巻く老人は、もういないのだから。
そんな事を考えながら、門下生達は浮かない顔のまま朝食を済ませた。




