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聖書  作者: 鈴木 厳流彩


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教会を見守るものの話

教会の中を見守る者の話


あるとき、主が天の国より地上を見下ろしていると、神の御名を讃えるために建てられた神殿の奥で、幾人かの信徒が円座をなし、全自動雀卓を囲んでいた。




牌は機械の腹より絶え間なく現れ、信徒たちは祈りの言葉よりも早く、「ポン」「チー」「ロン」と声を上げた。




これを見た主は、いたく嘆き悲しんで言った。




「父よ。彼らはあなたを讃える家にありながら、祈ることを忘れ、四角き石を積みて戯れております。なぜ、このようなことをお許しになるのですか。」




されど、天の父は何も答えなかった。




ただ静かに御手を上げ、卓を囲む信徒のうち、一人の男を指し示した。




主は、その御心を悟ることができなかった。




されど父の沈黙には、言葉よりも深い意味があることを知っていたので、その男の歩みを地上において見守ることにした。




男は牌を一枚引き、長く考えたのち、白を捨てた。




すると隣の者が叫んだ。




「ロン。大三元。」




男は天を仰いだ。




そのとき主は、父がなぜ彼を指したのか、ますます分からなくなった。

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