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夜明けのゾンビ  作者: 天本一三


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11月16日

 最近まともなものを食べていないせいか、少し痩せてきたようだ。完全に街から人が消えてしまっているのでしょうがない。プウも少し痩せてはきているようだがまだまだ元気そうだ。

 最近は夜も散歩に出ることがある。街からすっかり電気が消えたせいで、夜空の星がくっきりと見えるようになった。まさか都会にいながらこんな星空が見れるとは、と思いながら歩いていると、向こうから人影がやってきた。立ち止まってよく見ると、高校のときの同級生だ。そいつは俺に気づくと、やや怪訝な表情をしていたが俺が「おう」と声をかけるとそいつも「おう」と言って手を上げた。それだけの挨拶だったが、俺は自分にも日常が戻ってきたような気がして、嬉しかった。

 少し前に同窓会があったが、俺は欠席していた。別に用事があったわけではなく、むしろ何もなかったから行けなかった、というべきだろう。「今何してるの?」必ず訊かれるこの言葉を俺は恐れていた。「今どんな仕事をして、いくら収入があるの?」という意味の言葉に、何もしていないよ、と答えると怪訝な顔をされて、少し笑って立ち去られるのが目に浮かんで、行く気になれなかった。

 でももうそんな日常は無くなってしまった。

 今は、今だけの世界になっていた。

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