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22話 感謝のBBQ大会①

予約投稿に失敗していました。

 子爵家でジョゼフ父さんがフリード子爵の子だということが判明したり、組織の狙いが分かったりと衝撃的な事実を伝えられてから十日以上過ぎた。

 この間にいろいろなことがあったわけだが、一番大きいのは、不正に関わっていたザヒール商会とルフェル男爵家に領主様から沙汰が下されたことだろう。

 商会の方は解体されることとなり、男爵家は爵位のはく奪という形で、完全に取り潰しになった。

 また、不正に関わっていたとされる者たちは相応の罰を受けることになるそうだ。


 不正に関わっていなかったザヒール商会の息子カリムと、ルフェル男爵一家への処遇については、俺の主張をフリード子爵が受け止め、動いてくれたため、最悪の処罰である死刑は免れた。

 しかし、サターシャ先生によると、この判決に対してアブドラハの貴族たちの間で不満が広がっているようだ。

 特に生き残ったルフェル男爵一家とフリード子爵には、風当たりが厳しくなりつつあるらしい。

 話したいことは山ほどあるんだが、今日はその話をいったん忘れよう。


 なんたって今日は待ちに待ったバーベキュー大会の日なのだから!


 とりあえず氷を売ろうと始めた俺の屋台はアミルと共にかき氷を売り、シータ達が仲間に加わり、何とか今年の夏を乗り越えた。

 今日はそのねぎらいの意味を込めて、バーベキューをみんなでやろうって日だ。


 俺たちは本当に頑張ったよ……。


 酷暑が続くアブドラハではかき氷が飛ぶように売れ、アミルもシータ達も本当に大変だったはずだ。

 その苦労をねぎらうために前もって計画を立て、鉱人ドワーフで鍛冶職人のガルダさんにバーベキューのコンロや網など、必要なものを依頼したり、マルハバ商会に上質な肉や新鮮な野菜を卸してもらえるようお願いしたり、屋台と並行しながら着々と準備していたのだ。


 なんでバーベキューなのかって?


 夏といったらバーベキューやりたいじゃん。

 みんなで肉を焼いて、楽しく話して、何故かわからないけど想像するだけで気分が上がってくる。

 せっかく色々準備したので、アミル達だけでなく、その家族たち、お世話になった人たちを呼んで大勢での開催だ。

 バーベキューは匂いとか煙が出るので、場所をどこにするか悩んでいたら、ラフィ達が住んでいる家の周りには家が少なく、人通りも少ないということだったので、そこの広場でやることにした。


 俺も家族、ジョゼフ父さんとエリーラ母さん、リトを呼んだ。

 両親は最初、遠慮していたが、リトと一緒にお願いしてきてもらった。

 こういう時にしか親孝行ってできないし、それに何より俺が頑張った証みたいなものを二人に見てもらいたかったんだ。

 リトのおねだり上手が役に立った。


 ガルダさんに用意してもらった木炭をコンロに入れ、ラフィに火をつけてもらう。


「こんなもんでいいか?」

「ああ、ありがとう」


 ラフィの火魔法はこういう時に便利だ。


「おい、小僧。コンロの調子はどうだ?」

「あっガルダさん。今火をつけたんですけど、良い感じですよ。毎回変な注文しちゃってすみません」

「何、小僧の考えるものはどれも面白い。それに儂が作りたいのは人の生活を便利にするものだ。武器以外ならなんだって作ってやる」


 ガルダさんは武器を作りたくないみたいだ。

 それが原因で鉱人ドワーフの集落から出てアブドラハにやってきたとこの前話してくれた。

 アブドラハでも色んな人から武器の製作依頼が来るみたいだが、どれも断っているとのことだが、俺が武器を依頼することはないし、いい関係を築けている。


「良いお酒も用意してあるので、楽しみにしていてください」

「本当か!? それは楽しみだ」


 今日は色んな人に楽しんでいってもらいたい。

 俺の日ごろの感謝を伝える場だからな。


「おーい、クラウ! 色々食材を持ってきたぞ」

「この辺りに置かせていただきますね」

「ありがとうございます」


 そう言ってやってきたのは、マルハバ商会の会長バルドさんとターバンの優男のハーリドさんだ。

 二人には食材関係で色々お世話になっており、今後も良い関係を築いていきたいと思っている。


「息子がいつもお世話になっています」

「いえいえ、こちらこそ。うちの息子の方こそ迷惑をおかけしてばかりで…」


 向こうの方ではアミルの父親と俺の両親が挨拶をしている。


「クラウ! これそろそろ焼き始めてもいい頃合いかな?」

「そうだな。じゃんじゃん焼き始めよう」


 アミルも初めて見るバーベキューコンロに興味といった様子で興奮しているみたいだ。


『うわーこれかっこいい』

「あまり近づきすぎないようにね」

「君がクラウ君の弟のリトだね。よろしく」

「はじめまして、りとです。おにいちゃんたちはだれ?」

「えー可愛いー」



 興奮する年下組のビン、サーラ、アイシャの3人を年長組のうちの一人シータが注意しており、俺の弟の面倒を年長組の二人、カイとメリアが見てくれている。


 ジュージュー


 熱された網の上に、脂ののったおいしそうな肉ときれいな色とりどりの野菜が並べられ、焼かれていく。

 参加しているみんなはそれぞれ手にコップを持ち、好きな飲み物を注いでいく。

 その手には皿を持ち、その時が来るのを今か今かと待ち構えている。


「クラウ、今日の主役はお前だ。何か一言言ってやれ」

「えっ、俺がですか!?」

「お前以外居ねえだろ。ほら、みんな待ってるぞ」


 バルドさんに言われて、会場を見渡すと、みんな俺の方を向いている。

 うーん、気の利くことは言えないけど、


「みんな来てくれてありがとう。今日は俺がみんなに日ごろの感謝を伝えたいと思って、バーベキュー大会を開きました。これからもいい関係を築いていけたらなと思います。どんどん食べて、楽しんでください。あ、大人の皆は飲みすぎには注意してね。」


 大人たちから笑いがこぼれる。

 始まりは小さな部屋の中だった。

 それが、今ではこんなに大勢の人たちとつながることができた。


「それじゃあ皆さん、日ごろの感謝を込めて乾杯!」

『乾杯!!』


 さて、バーベキュー大会の始まりだ。



明日の2回投稿予定です。

それでこの章は終了となります。

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