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異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
9章

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エピローグ「佐渡家はやっぱり愉快なんじゃね?」②





「取り乱して申し訳ない。ご挨拶が遅くなりました。私は祐介の父、佐渡隆と申します」

「お恥ずかしい姿を見せてしまってごめんなさい。祐介の母、優香です」


 リビングに通されてテーブルを挟んでソファーに座ると、自己紹介が始まった。


「ご丁寧にありがとうございます。私は、ソーニャ・シラーと申します」


 改めて、ソーニャは祐介の両親に名乗り、お辞儀をした。

 丁寧な仕草は、どこか気品があった。


「シラーさん、その、単刀直入に聞くが……不愉快な思いをさせるかもしれない。いいかな?」

「なんでもお聞きください」

「祐介に拐われたようだが、ちゃんとお家に帰すので警察だけは勘弁してください。どうか、示談で」

「ちょっとお父さん!? まるで僕が犯罪を犯したように!」

「黙れ! 昔から、趣味がぶっ飛んでいる息子だと微笑ましく思っていたが、まさか褐色幼女を攫ってくるとは思わなかったぞ! この親不孝者! しかも、耳まで尖らせて! なんてひどいことを!」

「ソーニャたんのお耳は本物だよ!」

「……この愚息め。年端もいかぬ少女を、たん、付けで呼ぶとは……なんと恥ずかしい!」

「本人の承諾はもらってるもん!」

「ええいっ、可愛らしくいっても駄目だ! 情緒不安定なお前の言葉をどこまで信じていいのか悩ましい!」

「そ、それは……」


 祐介は、異世界に召喚され向こうで数年のひどい日々を送り、帰ってきた。

 地球では一瞬の出来事だったが、経験した祐介は大きく混乱し、恐怖した。

 夏樹が会いにきてくれたことで、同じ境遇の人間がいることを知り、落ち着くことができた。

 少なくとも夢ではないと理解できたのだ。

 ただ、夏樹と出会うまで家族にはたくさん心配をかけていた。

 その自覚がある。情緒もその時は不安定だったのは間違いない。


「お前がシラーさんを解放しないというのなら、後輩の青山くんに電話して然るべき対処をとってもある」

「……青山?」

「私の後輩で、向島市の警察署長を務めている。昔はやんちゃだったが、今は立派になった。よくお互いに相談をする仲だよ」

「まさかの銀子さんのお父さん!」

「……娘さんとお知り合いか? 世間は狭いな」

「それはこちらのセリフだよ! 銀子さんも、ソーニャたんと仲良しなんだぞ!」

「……つまり?」

「――合法です」


 隆は震えた。

 息子は今、なんと言った。

 合法、だと。

 つまり、褐色の尖った耳の幼女は、祐介と関係が許されるとでもいうのか。


「いや、いや、駄目だ。そんなうらやまけしからんことは認められん!」

「……あなた?」

「違うよ、優香。口が滑っただけで、そうじゃない」


 慌てて弁解する父を放置して、祐介とソーニャは顔を合わせて頷きあった。


 実を言うと、ふたりは異世界のことを言おうと決めていたのだ。

 祐介も少々問題のある子だが、常識がないわけではない。

 一般人の両親に外見が幼女のソーニャを連れて「結婚します!」と言っても認めてくれるはずがないことは知っている。

 ふたりは話し合った結果、嘘をつかずに話をしようと決めたのだ。

 その結果、反対されるかもしれないし、正気を疑われるかもしれない。しかし、その時はその時だ。

 まずは誠実に話すことにしたのだ。


「あのさ、お父さん、お母さん」

「どうした? 自首するのか?」

「いや、そうじゃなくて、真面目に僕たちの話をとりあえず聞いて欲しいんだ」


 祐介とソーニャの真剣な瞳に、隆と優香は佇まいを整えた。


「……わかった、そこまで言うのなら聞こう」

「ありがとう」


 お礼を言った祐介は、緊張しながらも包み隠さず話をした。


「ソーニャたんは、異世界のダークエルフなんだ!」

「それで?」

「それで!? もっと違う反応はないの!? 頭が大丈夫か、とか! 冗談はよせ、とかさ!」

「舐めるな! 私は医者だぞ! ファンタジーが怖くて医者をやっていられるか!」

「えー」

「毎日霊能力者が担ぎ込まれてくるぞ!」

「えぇえええええええええええええええええええええ!?」

「なんなら私もお母さんも、そっち側だ」

「ほんげぇええええええええええええええええええええ!?」






 速報:祐介くんのご両親。ファンタジー(霊能関係)の住人だった。


 書籍版『異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。』が発売となりました!

 小梅さんがセンターを飾る素敵なイラスト、挿絵では夏樹くんがちゃんと主人公している場面もございます!

 ぜひお手に取っていただけますと幸いです! よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
あらら 世間は狭いね 青山署長とも関係があるのは先輩後輩というだけでなく仕事での付き合いがあるからかな
関係者かい!? 引き籠もってた息子のケアもやってや!
祐介君めっちゃサラブレッドやん。そりゃ何度も呼ばれるわ
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