表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

243/1632

65「征四郎さんと甥っ子じゃね?」




「はじめまして、おじさん。神奈義政です。あ、違った。父とは血の繋がりがなかったんでしたね。神奈姓を名乗るのは烏滸がましいのですが、母方の風間も名乗れないでしょうから、すみません」

「…………神奈征四郎だ。弟の子と聞いているが、いくつかな?」

「五歳ですが?」


 ハーフパンツにパーカーを着た少年――神奈義政は、ズレてくる眼鏡をくいっ、と直しながらお辞儀をした。


「まさか母が追い出されただけでなく、父までどこかに連れて行かれてしまうとは、僕の人生も前途多難ですね」

「……本当に五歳かな?」

「ええ、五歳です」


 くいっ、と眼鏡を触る少年は、五歳とは思えない言動だった。


「そ、その、両親のことは……すまないと思っている。俺の一存ではなにもできなかった。だが、君のことは保証すると約束しよう。この家で過ごしてもいいし、他家に預かってもらってもいい。神奈家の当主にはなることはできないが、子供のいない分家ならば……いや、子供に何を言っているんだ?」


 子供に言う内容ではなかったことを思い出し、咳払いをした。

 弟と元婚約者のことをすまないとは思わないが、子供の手前言っておいた。

 義政も両親から五歳で引き離されてしまったのだ、さぞ不安だろう。なによりも、征四郎たちを恨んでいるだろう。


「おそらく風間家でも僕を引き取りたがらないでしょうし、この家では……お婆さまに申し訳ありません。愛人の子でありながら、図々しくおじさんから次期当主の座を奪った父親に、浮気者の母親の子供ですからね」


 くいっ、と眼鏡を触る義政少年は、五歳とは思えないニヒルな笑みを浮かべた。


「君、本当に五歳!?」

「もちろんです。最近の五歳児なんてこんなものですよ」


 くいくい、眼鏡を触りながら義政少年は、嘆息する。


「僕としても、あのような両親から解放してくれて感謝しているんです」

「なんだって?」

「両親は僕を神奈家の当主にするつもりで、五歳児には厳しすぎる訓練をさせていました。特に母ですね。自分は父以外と浮気しているのに、当主になれ当主になれと良いご身分です」

「……ま、待て、朱美は浮気をしていたのか?」


 子供に聞くようなことではないが、つい訊ねずにはいられなかった。

 義政は、眼鏡をくいっ、と直すと「はい」と肯定した。


「僕の習い事と言って男と会っていましたよ。霊能関係の人ではないようですが、僕のことを子供だと舐めていましたね」

「……なんてことを」

「征四郎おじさん……一度浮気をするような人間は何度でもするんですよ」

「……君本当に五歳!? 中身、転生者じゃない!?」

「転生者ってなんですか?」

「ほ、本当に言ってるのかな? わざとかな? 俺にはもうわからない!」


 すでに朱美はいないので、問い詰めることもできないが、風間家の人間には言っておこうと決意する。


「それで、君は今後どうしたいのかな? できるだけ、希望に添いたいんだが」

「僕には将来の夢があるんです」

「ほう。若いのにいいことだ」

「――動画配信者になりたいんです!」

「あ、よかった。ちゃんと子供だ」


 動画配信者になりたいと、瞳をキラキラさせる義政に征四郎はちょっとだけホッとした。

 だが、やはり彼のためにはどうすればいいのだろうか、と悩み、しばらく時間をもらうこととなる。


 だが、後日、母が義政と話をしてみると、「友達と離れたくない」と言ったので、そのことを第一に今後の方針を決めることとなった。





 しっかりものの五歳児義政くん。

 補足として、今後あまり深掘りする予定はありませんが、彼はちゃんと成長し、幸せになります。


 楽しんでいただけましたら、ブックマーク登録、ご評価、ご感想を頂けますと励みになります。

 よろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
友達と離れたく無いなら青森には送れないなぁ。
義政少年5歳・・・本当に「あの二人」の子供なのだろうか?(๑✧∀✧๑)ニヤリ
“正義は、眼鏡をくいっ、と直すと” 正義は(せいぎ)じゃなくて(まさよし)で義政(よしまさ)の 誤字ですかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ