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異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
3章

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29「酷い復讐方法じゃね?」





「俺は復讐をやめることはしない! まずは、すべてのきっかけを作った青山銀子から復讐する!」

「いやいや、弟と婚約者が元凶っすよ! 絶対、陰であんたのこと笑ってましたよ!」

「じゃから、燃え盛っている炎にガソリンを入れるのはどうなんじゃろうか!? 天使的にはNGなんじゃが、人間的にはありなんか?」


 余計なことをまだ言う銀子の口を、さすがにどうかと思ったのか小梅が手で塞いだ。


「無論、青山銀子へ復讐を終えたら、俺を裏切った弟と婚約者にも復讐だ!」

「ま、あんたがそれで気が済むなら、俺は止めないけどさ。――俺の前で、銀子さんに指一本触れられると思うなよ?」

「な、夏樹! 銀子がとぅくんってなってるんじゃが! 心拍数上がっておるし、はぁはぁ興奮しておるんじゃが俺様どうすればいいんじゃ!?」

「無視してあげてください!」


 真面目な顔をして征四郎と向き合った夏樹の背後から、小梅の叫びが届き、気が抜けてしまう。


「なんか、すみません。俺たち、基本的にギャグ担当なんです」

「……わかっている。そうやって、俺を挑発しようと企んでいるのだろう。その自然体、見事だ」

「……深読みしすぎぃ」


 勘違いをしている征四郎は十束剣を地面に突き立てると、懐に手を伸ばす。


「――っ」


 飛び道具が出てくるのではないかと身構える夏樹たち。

 しかし、征四郎が懐から取り出したものは、一冊の冊子だった。


「なぁにそれ?」

「少年、教えておいてやろう。殺すことが必ず復讐になるわけではないのだよ」

「いや、殺す気で剣を振り回していたじゃん! っていうか、なにそれ、同人誌? なんか美少年と美少年が抱き合っているんですけど?」


 はて、と夏樹、千手、蓮、小梅が首を傾げる。

 祐介は「あー」って感じになんとも言えない声を出し、銀子はなにやら慌てた様子で小梅の腕を振り解くと、顔を真っ青にして前に出た。


「そ、それは、まさか!」

「ふっ、覚えがあるようだな」





「――高校時代に照子ちゃんと一緒に描いた同人誌じゃないっすか!」





 夏樹たちの目が点になったのは言うまでもない。

 この状況で、なぜ征四郎が銀子と天照大神の描いた同人誌を取り出したのか、まるで理解できなかった。


「少し読んだが、理解できず、なんかしゅごかった。わかるか、青山銀子? 俺がこれからなにをするのか?」

「わ、私の思い出の品を! 伝説と呼ばれた作品を、破いたり燃やすとかするつもりでしょう!」

「笑止! そのようなことで、俺の復讐が終わるはずがない。よく聞け、このエグい内容の同人誌を、ネットにアップする」

「――違法アップロード!?」

「しかも、貴様の顔と経歴、現在の職業をセットでだ! ――社会的に殺してやる!」

「ぎゃぁああああああああああああああああああああああ!」







「え? 神剣みたいの持っているのに、復讐方法それなの? え? マジ?」

「まあ、公務員がエグい同人誌描いてましたなんて晒されたら、ネットのおもちゃだわな」

「えぐいのう! 人間怖いのう!」


 夏樹が首を傾げ、千手が納得し、小梅が人間を怖がるのだった。






 ちなみに、どうやって征四郎さんが同人誌を手に入れたかと言うと。


 征四郎さん「あ、こんにちは。突然、お尋ねしてしまい申し訳ございません。実は私、銀子さんの元担任で」

 銀子ママ「あらあらまあまあ、銀子がお世話になりました。あいにく銀子は家にいないのですが」

 征四郎さん「そうですか……困ったな。銀子さんにお貸ししているものがあったんです。大事なものだったんですが」

 銀子ママ「どうしようかしら? じゃあ、おあがりになってくださいな」

 征四郎さん「申し訳ございません」


 お部屋がさごそ。


 征四郎さん「ふははははは! 青山銀子、貴様の大事にしているものを取ったどーー!」

 銀子ママ「あの、先生。よければお茶でも」

 征四郎さん「あ、すみません。いただきます」


 征四郎さんは、お茶飲んでケーキ食べて帰りました。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 征四郎おそるべし! お茶とケーキと薄い本 歌になりそう?
[気になる点] うーむ、銀子ママ、少しはおかしいと感じましょうよ、 娘の部屋に勝手に侵入させるとかさ、あかんやろ、 それはそれとして、 照子さんに飛んでいった火が太陽温度よりも低いなら被害は気にならな…
[一言] なんてえぐい復讐方法だ…
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