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異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
十三章

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46「お久しぶりのアマイモン様の戦いじゃね?」①





「元気だったか、杏よ。私は、ガープばかりに買い物に行かせるのも悪いと思い、一緒に外に出たのだが……いやはや、まさか杏が襲われているとは思わなんだ」

「アマイモン様、ありがとうございます」

「礼には及ばん。しかし、この少年は力も歪んでいるが、心も歪んでいるようだな」

「かつての私を見ているようで心が痛いんです!」

「それもまた杏が立ち直った証拠だ」


 アマイモンが優しく杏の頭を撫でた。


「なんだよ! なんだよ、お前は! 俺と明日香の愛を」

「私は覚えている。松島明日香は欲望に取り憑かれた少女だった」

「――ああ?」

「私も人のことをどうこう言える身分ではないのだが――哀れな少女だった」


 獅子山の拳を力強く握りしめながら、アマイモンは視線を向けた。

 アマイモンの獅子山に向ける感情は――憐憫だった。


「愛する少女の死を看取れなかったことさぞ悔しいだろう。だからといって、無関係な杏にあたるのは違う」

「何が無関係だ! 俺は神から聞いた! 綾川たちが異世界で俺の明日香を殺したんだって!」

「間違ってはいない。だが、正しくもない」


 獅子山はアマイモンの手を振り払おうとするが、びくともしない。

 神の力を得たというのに、これはなんだと歯軋りをする。


「落ち着け、少年。もしこれ以上何かをしようというのなら、私は拳で応えなければならない」


 落ち着かせようとするアマイモンの言葉は獅子山に届かなかった。

 むしろ、杏からアマイモンに標的を向けてしまった。


「あんたのことも知ってるぜ。弱い魔族なんだろう?」

「――貴様ぁ! アマイモン様になんと無礼な口を! 控えているよう言われたので静かにしていたらこれかぁ! アマイモン様、このガープにお任せください。私がアマイモン様に変わり、この小僧を三途の川に送り込んでバタフライさせてやりましょう!」

「――よせ、ガープ。この少年は私が相手をしよう」

「しかし!」

「任せてくれ」


 獅子山にアマイモンを侮辱され、激昂したガープだったが、他ならぬ主人の言葉に膝をついた。


「――はっ。アマイモン様の御心のままに」

「感謝する。さあ、杏も下がりなさい」

「は、はい」


 杏がガープに並ぶように下がったのを確認して、アマイモンは獅子山の拳を離した。

 ようやく自由になった獅子山が、距離をとって構えた。


「俺はまだ魔族と戦ったことがないんだ。どれくらい強くなったのか、お前で試してやるよ! そして、綾川、次はお前だ! 三原一登も、由良夏樹も、全員ぶっ殺してやる!」

「……少年よ、落ち着け。私が杏と戦いを代わったのは、杏が勝てないからではない。不必要な人殺しをさせないためだ」

「――あ?」

「気づいていないようだが、少年は杏よりも弱い。確かに新たな神々に力をもらったのだろうが、その力を鍛えず、使いこなせるようになってもいないのであれば、ただの人がナイフや拳銃を持っているのと変わらん」

「俺を、馬鹿にしたな?」

「そんなことはない。誤解をさせたのであれば謝罪しよう」

「俺を、馬鹿に、したな?」

「だからしていない」

「俺を馬鹿にして、明日香への愛も馬鹿にしたな?」

「……すまないが、話が変わっていないだろうか?」

「俺をぉおおおおおおおおおっ。明日香をぉおおおおおおおおお!」


 ようやくアマイモンは察した。

 ――この少年に言葉が届いていないのだと。


 襲いかかってくる少年に向かい、アマイモンは魔力なしの身体で構えた。

 左足でしっかり大地を踏み締め、腰を動かし、右腕を放つ。

 アマイモンの正拳突きは、獅子山の腹を貫いた。






 シリアス先輩を押し退けてガープさん「さすがアマイモン様ぁああああああああああああ! さすアマ! さーすーアーマー!」


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挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
アマイマ…ゲフンゲフンアマイモン様は人格者(゜д゜)
今年の標語は「さすアマ!」かな。 なっちゃん「さすなっ!は? ああすごく言いにくい」
結局最後まで獅子山は自分に都合の良い妄想の世界にしか生きていませんでしたね アモイマンが弱いとしても自分の拳を平然と受け止め涼し気に説教してくる相手が弱いと思えるなんて、ある意味で幸せな生き方してまし…
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