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異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
十三章

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59「急に部屋を開けられるとびっくりするんじゃね?」③




「そんな!?」

「……それはこっちのセリフなんですけど! ていうか、風の神さん俺の中に置いていかれちゃったの!?」

「そうなんですよ! 焼きそば食べたくて買いに行ったら、いつの間にか……せっかくみんなの分を買ってきたのにっ! だから、今は私が焼きそば焼いているんです!」

「最後の情報はどうでもいいけど!?」

「だから私を解放してください!」

「俺の中に居座らないでください!」


 風の神はどうやら夏樹の中から出ていくことができないらしい。

 夏樹としては、いつまでも自分の中にいてほしくない。

 結果、ふたりは泣いた。


「ふぇええええええええええええええええええん!」

「うわぁあああああああああああああああああん!」

「バイトを無断欠勤しちゃったらどうするんですかぁああああああああ!」

「神様がバイトするなよぉおおおおおおおおおおお!」

「しないと生きていけないんですよぉおおおおおおおおお!」

「神様なのに世知辛いよぉおおおおおおおおおおお!」

「物価高騰やばいんですからねぇええええええええ!」


 夏樹も風の神も混乱しているのだろう。

 きっとお互いになにを言っているのだ、という感じになっているはずだ。


 しかし、残念ながらふたりを止める者はいない。


「…………あ」


 砂まみれになったホラーさんが、夏樹たちを止めようと手を伸ばしてみるが、どう声をかけていいのかわからないようだ。

 オロオロしていたホラーさんだったが、しばらくして諦めてしまい俯いてしまった。

 同じタイミングで、夏樹と風の神も自分たちに対し「なにをやっているんだろう?」と我に返った。


「ごめんなさい、取り乱しました」

「うん、こっちもごめんなさい」


 仲直りの握手を交わす。


「とりあえず、聞きたいんだけど」

「なんでしょうか?」


 握手をしたまま夏樹は風の神に頼ることにした。


「あのね、俺はホラー……じゃなくて、俺に力を与えてくれているそちらの海の神さんとお話をしたいんだけどさ。今まで幾度となく夢の中で会っては、なぜかホラー展開ばかりでそろそろ俺が布団の上に壮大な世界地図を描いてしまうかもしれないのでなんとかしたいんですけど」

「……あー」


 さすがに本人を前にしてホラーさんと言うのはやめておいた。

 ショックを与えたいわけではない。あくまでも友好的に接したいのだ。

 風の神にも言ったが、そろそろ限界だ。

 ホラーであることは覚悟しても、その時その時で演出が違うのが怖すぎる。

 それでなくとも、海に浸かっている夢というだけで漏らしてしまう可能性があるのに、畳み掛けるようにホラー展開も待っているのだ。

 いくら夏樹が勇者であっても、膀胱まで鍛えることはできない。


「ホラー展開だと覚悟して夢の中に来たら、思いっきりバカンスしていたのもある意味ホラー展開だったんだけど、そろそろきちんとお話をしたくてさ。大地の神さんからもらったウィジャボードをもらってきたし、なんとかならないかな?」

「――難しいですね」


 風の神は渋い顔をしてしまった。






 私事でもうしわけございませんが、先日姪っ子が入院しました。

 大事ではなく現在回復しておりますが、妹夫婦が多忙のため甥っ子を預かることになり、少々リアルが忙しくあります。

 連載は止めませんが、ご感想へのお返事を休ませていただくことがあるでしょうが、ご理解よろしくお願いいたします。


 ブシロードコミックス様より「異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。」1巻が発売しました!

 :本日、コミカライズ最新話(9話―①)公開です! ぜひお読みください! 

 なっちゃんの大冒険をぜひぜひ応援して下さい! 何卒よろしくお願いいたします!


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
 甥っ子に作品を読ませてオタクや中二病の沼に沈めるのに忙しいまでは読んだ。
海姉さんそろそろ脱貞子しないとね… 姪御さんどうかお大事に。 市村さん今は甥っ子くんを優先してあげてください。 無理して毎日何度も投稿しなくても我々は気長に待ってるので大丈夫ですよ 締切無しの自由投…
皆さんの言う通り。毎日更新してるの本当にすごいことだし、その上返信してくれる作者さんなんてごくまれですよ。素晴らしい完結まで至れるようにどうかご自愛ください。多少休んでも構いませんので。今回風の神の方…
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