93「新たな神々の企みじゃね?」③
新たな神々の一柱である二代目門の神は、隠れ家にしているマンションの一室で目を瞑って「準備」をしていた。
一見すると、瞑想しているように見えるが、違う。実際は、いくつかの世界に干渉しているのだ。
「――門の神」
「うん?」
部屋の入り口から声をかけてきたのは、交友がある祝福の神だ。
現在、利害の一致で行動を共にしている。
「お仕事中にすみませんが、お耳に入れておいて欲しいことがありまして声をかけさせていただきました」
「何かあったの?」
「――死の神が由良夏樹と接触したそうです」
「うわぁ、面倒くさくなりそう!」
門の神は少年の姿形をとっているため、言動が子供のようだ。
対し、大人の姿の祝福の神は落ち着いた様子を見せている。
「死の神は、我々とは関わりはありませんが敵対はしないということで自由にさせています」
「そうだねぇ。そんな死の神がなんで由良夏樹と接触したの? あ、もしかして殺し合ったとか!?」
「残念ながらそうではありません。ただ、接触しただけなのですが……」
「何か問題でもあったの?」
「問題といえば問題ですね。死の神はなぜか人間と手を組んでいるようです」
「――は!? あの協調性ゼロの死の神が、人間と協力!? あいつ協力って言葉知っていたの!?」
「さすがにそれは言い過ぎですよ。気持ちはわかりますが」
死の神は十天に属す新たな神々ではあるが、まともに関わったことはない神でもある。
新たな神々の中でも古い神であり、「死」から生まれただけありその力は強大だ。
彼が協力的だったなら、とっくに幾つかの神話を根こそぎ破壊できただろう。
それくらいの力があると、門の神たちは考えていた。
「死の神に接触して協力をするという考えもできますが」
「いいよいいよ、放っておきなよ」
「よろしいんですか?」
「死の神の行動理由なんて僕たちにはわかりっこないさ。案外、勝手に殺し合ってくれるかもしれないよー。うまくいけば、共倒れしてくれる可能性だってあるし」
「いくら由良夏樹が強くても、死の神には勝てないでしょう」
「だけど、由良夏樹は人間でありながら、僕たち新たな神々に勝利してきた。先代門の神なんて無惨にやられたじゃないか。だから、僕が門の神として仕事をしないといけない。正直、とっとと死ねって感じだよ」
由良夏樹の力は未知数だ。
本来ならば、絶望の神も門の神も、いくら異世界で勇者になったとはいえ人間ではまず勝てないのだ。
勝つ方がおかしいのだ。
「それよりもさ、ちょっと今、面白いことをしているんだけどさ」
「なんですか?」
「前にさ、由良夏樹に他世界の勇者をぶつけるとか、何もない亜空間に閉じ込めようって言ったじゃん?」
「はい。そう言っていましたね」
「確実性が欲しいから、何もない亜空間に他世界の勇者と一緒に閉じ込めてしまおうって考えて、強固な亜空間を作り上げたんだよ。で、本題はここから。それはそれとして、万が一ってことがあるから、僕たちの自由にできる勇者ってほしくない?」
「――まさか」
「そう! 適当に異世界に飛ばして勇者を増産してみようと思いまーす!」
門の神は、突拍子もないことを思いついてはしゃぐ子供そのものだった。
作戦、うまくいくといいっすねぇ。
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