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最強なのに無能扱いの俺、グータラ生活を維持するため今日も最低限の働きをする。  作者: 鯖村光輝


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第10話「激突」

玉座の間。

 

思い空気が漂う。


リナ「下がって、二人とも」


リナが杖を構える。


シン「いいよ、俺がやる。

お前じゃこいつはさすがに無理だろ。」


シンが前に出る。


リナ「でも...」


シン「大丈夫大丈夫。」


シンはゆっくりと魔王の近くに向かっていく。

いつも通りの気の抜けた声。


前から歩いてくるシンを見て、

魔王の目が変わった。


魔王(この男...

とてつもなく強い。)


魔王は、

目の前の男が“普通じゃない”ことを瞬時に悟った。


魔王「貴様」


魔王が低く呟く。


魔王「何者だ?」


シン「ただのFランク冒険者だよ。」


魔王「嘘をつくな!」


シン「別になんだっていいだろ。

ほら来いよ。」


魔王「ふ、面白い。

ヘル・ドミネイター!」


ゴォォォ!!


魔王の掌から放たれる恐ろしい威力の炎魔法が

シンに向かって放たれる。


シンの姿が炎の中に消える。


炎がそのまま壁を突き破る。


リナ「シン!」


ライラ「やめてー!」


泣きながらライラが叫ぶ。


魔王「少し買い被りしすぎたな。

強いといっても所詮は人間か。」


大量の煙が少しずつ晴れていく。


シン「なかなかやるな。

さすがは魔王だ。」


無傷のシンが姿を現した。


魔王「な、なんだと。」


リナ「シン!無事なのね!

よかった。」


シン「んじゃ、次は俺から行くぞ。」


シンの姿が消える。


魔王に対して、

無表情のまま拳を振るう。


ガァァァン!!


魔王が腕で受け止める。


凄まじい爆音。


魔王「……っ!!」


魔王(これが本当に人間の力なのか...)


魔王「フッ、面白い」


ドンッ!!


再び衝突。


拳。


蹴り。


魔王の激しい魔法。


衝撃。


一撃ごとに空間が悲鳴を上げる。


床が砕け。


壁が吹き飛び。


天井が軋む。


災害級の戦い。

 

リナ「...す、凄すぎる...」


リナの声が震える。


リナは初めて次元の違いを感じた。


そして時は過ぎてゆく...


シンの強烈な蹴りが魔王を直撃。


魔王は壁に叩きつけられる。


よろけながらゆっくりと立ち上がる。


魔王「グッ...

俺は負けられない。

あいつらは俺が守るんだ。」


シン「ん?

お前何言ってんだ?」


魔王「とぼけるな!

貴様の仕業だということはわかっているんだ。」


シン「おいおい、

お前何言って...」


魔王が魔力を解放する。


魔王「消し飛べ!

ヘルフレア!」


ゴォォォォ……


黒い炎。


圧倒的熱量。


しかし...シンには効かない。


魔王「なっ!」


シンの超高速移動。


シンの拳の一撃が魔王に直撃。


ドゴーン!


魔王「グッ!!!」


魔王が仰向けで倒れる。


魔王「く、くそ。

俺の力では...

あいつらを守ることができないというのか。」


シン「なんか言ってる意味がわかんねぇんだよなー。

お前何か勘違いしてないか?」


魔王「とぼけるな!

貴様らが魔物たちをさらっているは、

わかっているんだ。」


シン「は?俺たちが魔物をさらう?

そんなことして何の意味があるんだよ。

街の近くにいる魔物たち危険だから

ちょっと討伐はしちゃってるけどさ...」


魔王「...」


シン「だってあいつら、街の外に出たら襲ってくるんだぜ。」


ライラ「魔王様!聞いてください!

みんながさらわれているのは、街の人間たちの仕業ではありません。」


魔王「なんだと!

嘘を言うな。」


ライラ「本当です。

彼らはとても気さくで、いい人たちばかりです。」


魔王「...信じられん...」


その時だった。


ズズズズ……


空間が、歪む。


リナ「なに?この不気味な魔力...」


シン「...」


奥の方の床に黒い魔法陣。


そこから、何かが現れようとしていた。


魔王の表情が変わる。


魔王「...ま、まさか...」


シンが目を細める。


次の瞬間。


巨大な魔物が現れた。


だが。


様子がおかしい。


全身に刻まれた、不気味な紋様。


虚ろな目。


後ろには黒装束の怪しい男。


そして。


魔王が、震える声で呟く。


魔王「...お前、なのか」


絶句するライラ。


リナも息を呑む。


魔王の声が、わずかに震えていた。


「なぜ...そんな姿に...」


その瞬間。


魔物が、咆哮を上げる。


凄まじい殺気。


空気が裂けた。


シン「ったく、次から次へとなんなんだよ。」

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