第53話:カウンターの向こう側(公共サービスの奪還と、沈黙の支持者)
商人連合が「薬の販売禁止」を王宮に働きかける中、ケニーは第26話で確立した「ギルド窓口代行サービス」の真の力を発揮させる。
1. 牙を剥く「公共性」
「販売が禁じられたなら、薬を売る必要はない。……だが、薬師ギルドへの『調剤依頼の取次』と『完成品の受け渡し』、これは第26話で認められた『窓口代行業務』の範疇だ」
ケニーの不敵な笑みに、ソラリスが目を見開く。
商人連合が薬を売るなと言うなら、コンビニは「薬を売る店」ではなく、「国民と薬師を繋ぐ、国が認めた公的な窓口」として振る舞うのだ。
2. 第26話の「実績」という盾
商人連合が差し向けた役人たちが店に乗り込んでくるが、ケニーは第26話で交わした公的な契約書を突きつける。
「忘れたのか? この青い看板のカウンターは、王宮も認めた『各種ギルドの公式な出張所』だ。ここで薬の相談を受け、薬師に繋ぐことを禁じるなら、それは王宮自らが承認したシステムを否定することになるぞ」
役人たちは言葉を失う。第26話で「便利だから」と安易に許可した窓口代行が、今や商人連合を縛り上げる強固な鎖となっていた。
3. 深夜4時の「静かなるデモ」
かつて第26話で、面倒なギルドの手続きをコンビニで済ませられるようになり、救われた冒険者や職人たちがいた。
彼らは今、深夜のコンビニに集まり、静かにコーヒーを飲みながら、店を囲む役人たちを無言で威圧する。
「……ここは俺たちの場所だ。勝手な真似はさせねえぞ」
武器を抜くわけではない。ただ、そこに「客」として存在し続けるだけで、ケニーへの圧倒的な支持を突きつける。
4. 2代目の「越境」
「商売っていうのは、一度便利さを知ってしまったら、もう後には戻れないんだよ」
ケニーは、第26話から積み上げてきた「信頼」という名のドミナントが、ついに王国の古い法を飲み込んでいくのを確信した。




