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第三章 リュウさんの記憶
「リュウさん…」
アムロの胸が締め付けられた。リュウ・ホセイが生きている未来もあり得るという言葉に、深い後悔と痛みが蘇った。
「あの時、僕がもっと冷静だったら、もっと早くシャアのリック・ドムに気づいていたら、リュウさんは死ななくて済んだのかもしれない」
コア・ファイターでシャアに特攻したリュウの最期。あの瞬間を思い出すたびに、アムロは自分の未熟さを呪った。
しかし、無限の可能性があるということは、自分がガンダムに出会わなかった世界では、フラウ・ボゥやカイ、ハヤト、みんなが死んでしまった可能性もあるということだった。
「そう考えると、この運命も必然だったのかもしれません」
アムロは複雑な心境でつぶやいた。
「未来を知ることで、僕は変わってしまうのかもしれない。でも…でも知りたい気持ちもあります。この戦争が、この痛みが、いつか終わるのかどうか…」