32・エピローグ
あれから、クレテールの復旧は目まぐるしいスピードで進んでいった。
どうやら古代種から得られるアイテムがとても高価で、王都からも人を呼べたところが大きいらしい。
なのですぐにいつも通りの生活に戻ったんだけど……、
「痩せてない」
私は体重測定器の前に乗って、ぼそりと呟いた。
体重測定器というのは、重力魔法の魔石が使われており、台の上に乗っただけで体重が分かる便利アイテムだ。
結構、高かったけどどうしても気になったんだから仕方がない。
『ダイエットコースに通い始めてから大分経ったけど、どれくらい痩せたんだろうなー』
って。
いや、最初は期待していたよ?
ウキウキ気分で体重測定器に乗りましたよ。
でも——体重測定器に表示されている数字を見て、絶望する。
「ってか太ってる?」
どういうことだ?
だって、ダイエットコースで一杯運動頑張ったよね?
いや、私にとったら運動にもならないような軽いものばっかりだったけど……。
プニプニ。
お腹のお肉を掴んでみる。
「分からない……なんで太ったんだ!」
このままじゃ、本当にオークみたいにデブになっちゃうよ!
こうしちゃいられない。
「は、早く運動しないと!」
私は家から飛び出した。
決まってる。ランニングをするためだ。
「なんで! なんで! なんで!」
半泣きになりながら、街中を疾走する。
ちょっと本気で走りすぎて、お腹が減ってきたなー。
そうだ! これが終わったら、フローラのお店に寄ってケーキを食べさせてもらおう。
「甘いもののためなら、頑張れる!」
甘いものを頭に思い浮かべたら元気が出てくる。
ちょっとここで小さな違和感を感じるけど、細かいことを気にしちゃいられない。
——痩せないといけないからね!
復興していく街並みを眺めながら、私は心の中でそう決心するのであった。
これで完結です!
ここまでお読みいただきありがとうございした!
もしよかったら新連載、魔力ゼロの魔法使いもよろしくお願いいたします!




