【クラウス・グランディアの書斎にて】
【クラウス・グランディアの書斎にて】
重厚な扉が静かに閉じられた時、部屋には3人の青年と1人の威厳ある男の姿があった。
クラウス・グランディア――かつて王国騎士団を率いた男であり、今もなお王国内に強い影響力を持つ。
その厳しい眼差しが、ゼイランとユリウスへと向けられる。
「……父さん。今日は二人を紹介したい。ゼイラン・ロアと、ユリウス。俺の仲間だ」
レオンの声には迷いがなかった。クラウスは頷き、一歩前へ出る。
「話はおおよそ聞いている。ゼイラン、お前は教団に身内を囚われたなか、命懸けでこちらに情報を流す覚悟を持っていると」
ゼイランは静かに膝をつき、深く頭を垂れる。
「はい……ですが、私は未熟です。洗脳も完全に解けているわけではない。もし私が、再び教団の手に落ち、敵として貴方がたの前に現れるようなことがあれば――」
そこまで言って、彼は目を閉じる。
「……その時は、私を処分してください。それが、私の贖罪です」
しばしの沈黙の後、クラウスは重々しく口を開いた。
「……その覚悟、しかと聞いた。だが、それでもなお生きて戻る道を探れ。命を捨てるのは、最後の最後だ」
その言葉にゼイランの肩がわずかに震え、彼は深く頷いた。
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一方、ユリウスは静かにレオンの隣に立っていた。
クラウスは彼に目を向けると、引き出しから小さな木箱を取り出した。
「ユリウス、お前にはこれを預けたい」
箱の中には、小瓶に封じられた黄金の聖水が入っていた。
それは魔を祓い、呪具の力を偽装・逆転させる極めて希少な聖水――教団の目を欺くための鍵。
「……君の冷静さと、的確な判断力に期待している。ゼイランの支えになってやってくれ」
ユリウスは、何も言わずに聖水を受け取り、箱を胸元に抱えたまま頭を下げた。
「かしこまりました、クラウス様。必ず、ゼイランを“表”に戻してみせます」
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レオンは二人の背中を見ながら、心の奥で静かに誓っていた。
> 俺は、誰一人失いたくない。
だからこそ、全てを知る父の前で――二人に、命を託した。
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