【幻炎の塔 最上階】待ち受ける者たち
【幻炎の塔 最上階】待ち受ける者たち
最上階の扉を開けた瞬間、黒い風が吹き抜ける。魔力の圧が一変し、空気そのものが重くなる。
そこに立っていたのは――リュシェルの姿をした女性。
「おかえり、レオン君、ジーク君、エリナ君。いや……"囚われの小鳥たち"とでも呼ぶべきか」
「……先生……じゃない」レオンの声が震える。
「まさか……リュシェル先生が、影の存在に……?」女性はふっと笑う。「“リュシェル”などという名前は仮初のもの。私は、《影の座》に連なる存在の一柱、“カルネフィル”と申そうか。お前たちをここへ導いたのは――そう。試すためだ」
彼の背後には、黒い翼のような魔力の奔流。そして、椅子に縛られたユリウスの姿。
「さて、次の試練だ。お前たちの“正義”とやら、見せてもらおうか」
――戦いの火蓋が、切って落とされる。
【幻炎の塔 最上階】決戦 ――対
鈍くきしむ扉の先に広がるのは、漆黒の闇に包まれた広間。空間の中心、まるで王座のような漆黒の椅子に縛られているのは――レオンたちの士官学校の後輩であり、親友の一人。
「来てくれたんだね……レオン……みんな……」
その声はかすれていたが、確かに希望を帯びていた。
そして、その背後に立つ女性。
整った顔立ち、白銀の髪、かつての「リュシェル先生」と同じ顔。しかし、その瞳だけが違う。虚無と嗜虐に満ちた《影の眸》。
「ふふ……やはり、罠だと気づいても来たか。情に厚い者ほど、扱いやすい」
《カルネフィル》が唇を歪めた。
レオンはすぐさま剣を構える。「……ユリウスを解放しろ。あんたの目的はなんだ!」
「目的?」カルネフィルは笑う。「この国の"理想"を試しているだけだ。腐った王政、人形のような兵士、そして君たち――“希望”の芽を刈り取るためにね」
その時、ユリウスの首に黒い刃が突き立てられる構えとなった。
カルネフィルの右手が宙に浮かせた刃の魔力糸で、ユリウスの命をいつでも断てるようにしていた。
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【心理戦】
「動けば――彼の命はない」
レオンは剣を握る手に力を込める。「……最低だ……!」
ジークが一歩前に出た。「目的が俺たちなら、あいつを巻き込む必要はないはずだ!」
カルネフィルはあくびをするような調子で言った。「ふむ、それは選択だよ。君たちが“仲間を信じすぎる”か、“使命を果たすか”。君たちの正義とやら、試してあげよう」
その言葉に、エリナが声を荒げる。「そんなもの、正義でも試練でもない……ただの卑劣な暴力よ!」
カルネフィルの指がぴくりと動く。刃がユリウスの首元にわずかに触れ、血がにじむ。
「やめろぉおおおお!!」
レオンの叫びと共に、戦闘が始まった――!
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【激戦:カルネフィル戦】
第1フェーズ:黒翼の剣舞
カルネフィルの足元から黒炎が爆ぜ、彼の背から漆黒の“魔翼”が伸びる。
「魔神の力を……!」レオンの眼が鋭くなる。
カルネフィルの攻撃は、物理と魔法の複合。巨大な剣を一振りすると、空間が歪み、闇の裂け目から“腕のような触手”が飛び出す。
ジークが前線で剣を受け止め、エリナが光の結界で触手を無力化しようとする。
「やらせないっ!!」
エリナの術式が広がり、闇の触手を分断。
レオンはその隙をついて一気に距離を詰め、《蒼閃突》でカルネフィルの肩口を貫く!
だが――
「見事だ、だが甘い!」
カルネフィルはレオンの胸元に黒炎を叩き込み、吹き飛ばす。
「く……ぅぅ!」
レオンは背を地に擦りつけながらも立ち上がる。
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第2フェーズ:命を盾にした揺さぶり
カルネフィルがユリウスの首元に刃を再び寄せる。
「止めを刺したければ、こいつの命は諦めてもらおうか?」
レオンが叫ぶ。「そんな選択肢はない!!」
エリナがジークの肩に手を置く。「私が幻影を作る……レオンは一瞬でユリウスを助けて!」
レオンが頷く。「任せろ……!」
エリナが光の分身を展開、《幻光転影》――五人のジークが一斉に走り出す!
カルネフィルの目が一瞬揺れたその時、レオンが封印剣を抜く。
「――抜刀・霊裂の牙!!」
光と闇の境界を裂くように斬り込む一閃。
魔糸が断ち切られ、ユリウスが解放される!
カルネフィルが咆哮する。「貴様ら……!」




