新進気鋭とオジサニア3
ちょと行間をあけてみました、読みやすくなっただろうか。
ついにきた!この時が!突撃!異世界晩御飯!
グー!
最後のはお腹のおとじゃないです。嘘ですお腹の音です。恥ずかしい、けどお腹すいた!!
シアと共に1階の食堂に来た、何人か食事を始めている人ももういて余計に食欲を掻き立てられる。
「はいよ、今晩のメニューはイノノシシシのシチューがメインだよ」
目の前に料理が並んだ、この匂いッ!暴力的ッ!
匂いを湯気と共に運んでくるイノノシシシとかいうふざけた名前の魔物?の肉入りのシチューにたぶん野菜?のような植物性のものを何種か炒めた
もの。それに黒パンにミルクが夕食だった。
「おお、イノノシシシの肉がとれたんですね。これはいい!早速いただきましょう」
うむ!!食べよう!!もう!おなかとせなかがくっつくよ!ひー!
とりあえずシチューを口に運ぶ、うん…おいしい…異世界の食べ物だからってなめてた、なんかこう…コクが…深みが…みたいな、食レポは苦手なのでとにかくおいしいとだけしか思わない。
「とってもおいしいです、この宿にしてよかったです!」
そう私が言うとおばちゃんは安心したようににかっと笑って、ごゆっくり、とだけ言って戻っていった
「このイノノシシシって魔物?のお肉、臭みもなくて柔らかくておいしいね!」
「ああ、イノノシシシの肉は臭みは少ないけど別に柔らかい肉じゃない。ここまでやわらかいのはこの宿の料理がいいんだよ」
なるほど、さすがシアの選んだ宿だけあってなかなかいいじゃない、さらに話すとイノノシシシはCランクの魔物らしく流通はしてないというほどではないが普段はあまり入荷されないらしい。
「ふう、お腹も少し落ち着いたことだしこれからのことを話そうか」
シアがそう切り出してきた。たしかに、シアはどう見ても王子様お姫様オーラがプンプン出てるし、その日暮らしの冒険者というには仲間の選別も含め少し違和感がある。
「アヤ、私はね、一流の冒険者。それこそ英雄と呼ばれるくらいの冒険者を目差しているんだ」
フム、そういってたよねたしか。
「詳しくは言えないけど家の事情でね、強くならなきゃいけないんだ。でも、それ以上にね、一流の冒険者にすごく憧れているんだ。風に任せて旅をして、各地で強大な魔物に立ち向かう。そして仲間と勝利と栄光を掴む。そんな絵本みたいな冒険者に憧れているのさ、笑っちゃうかい?」
普通なら話の途中で吹き出してしまうような内容だろうけれど、シアは冒険者として駆け出しにしては順調すぎるほどランクをあげるだけのの実力を持っているし。何よりシアの真剣な眼差しが私に笑うことを許さず、笑う気もまったく起こさせなかった。
あと王子様キャラが夢を語っているのがあまりにも絵になっていたのでちょっと見とれてた。
イケメス…はあ…よい
「なるほどね!私は特に目標も目的もなく漠然とこの街に来ちゃったけど、シアの冒険のお手伝い、というか、私も一緒に色々なところを見て、この世界を周りたいな!私は旅をすることが目的であり手段!シアとぴったりじゃない?」
多少シアにあてられたところもあるだろうけど、本当にそう思っていた。特に使命も何も無いし、旅っていうのもなかなかいいんじゃないだろうか。
「そ、そうか!!よかった。各地を巡る旅なんて言ったら断られるかと思って不安だったんだ。じゃあ、改めて、これからよろしくたのむよ!」
「うん!こちらこそよろしく!目指せ!Sランク!」
「「おー!!」」
こうして私の長い…かどうかはわからない旅の仲間ができたのであった。
大将のオジーサ、出番無しでした。たぶんここででなきゃもうでない。