竜の神様、薄目で見つめる。
ファルファラさんが来たことで、唐突に恋を自覚したけど、始まる前に終わっている私の恋。
なんとか傷の浅い内に結婚しようかと思ったけど、オミさんに「魂と魂を結ぶ」って言われて、これまた簡単な話じゃないと知って、頭が痛い。
本当にどうしたものかなぁ‥。
きっとこのまま一緒にいたら、私はますます好きになってしまうと思うんだけど。
朝ご飯を元気にモリモリ食べているオミさんを見て、思わず遠い目になる。‥本当に、なぜ見込みのない恋をしてしまったんだ自分。
そう思いつつ、上手にできた目玉焼きを食べる。うん!半熟具合が大変良い。もぐもぐと食べつつ、頭を整理する。
オミさんへの恋心はあれだ、薄目で見よう。
なんとなくもしかして好きかも?くらいのスタンスで行こう。そして、悩む期限は一年としよう。そうすればオミさんもファルファラさんの結婚式には出られるだろうし!!
最悪お見合いの相手を探すのは、言の葉の神様か、蛇神様にお願いしよう。今でさえ山盛りの釣り書きが来てるし‥。最善を成したら、あとは神様にお願いするしかない!!
「‥なに百面相してんだ」
「へ?」
「さっきから、面白い顔しかしてないぞ」
オミさんはニヤニヤしながら私を見ている。
‥人が真面目に考えているのに、本当にこの神様は。
「花の乙女の顔をジロジロ見ないで下さい」
「花の乙女??」
「「わざとらしく見ない!!!」」
ますます笑って、面白そうに見てくるオミさんの視線から逃れるように、プイッと横を向く。ただでさえ見られると顔が赤くなりそうなのに!!無遠慮に見てくるでない!!
オミさんにチーズパンを出すと、意識が逸れた。
よし、次もこの手でいこう。
「‥今日もお休みだけど、何しましょうかね」
「そーだな。神域だから遊ぶ場所もねーしなぁ」
「ゲームでもあれば違うかな‥」
「ゲーム?!!」
食いつきいいなぁーー。
すると、玄関の扉がガラガラっと開いた音が聞こえた。
誰だろう??オミさんと思わず顔を見合わせると、バタバタと足音がしてリビングの扉を開けたのは、
「「ゲームすると聞いてー!!!!!!」」
「‥期待を裏切らない蛇神様だった‥!」
なんか最新機器持ってますね?
後ろから大人の姿のシキさんがひょっこり出てきて、「騒がしくしてしまってすみません‥」って言うけど、振り回しちゃってすみません‥。
テレビにシキさんがゲーム機器のケーブルをあちこちつなげて、ネットも繋げて、いつでも対戦オッケーです!な状態にしてくれた。なんと頼もしい‥。
「シキさん、機械に詳しいんですね」
「まぁ、蛇神様と一緒にいると詳しくならざるを得ませんね」
「‥あの、今度モデムを買い換えようと思ってるんですけど‥」
「よろしければ今度のバイトまでに調べておきましょうか?」
「「た、助かります!!」」
シキさんが輝いて見える〜〜!
機械には私も疎いので、ネットで検索したけどよく分からなくて‥。いくつか候補をメールしてくれると言うので、スマホのメルアドを教えていると、オミさんが「ほら、青葉げーむするぞ!!」と、すかさず呼ぶ。ちょっと待ってくれよ‥。
「もう、オミさん落ち着いて下さい。何をするんですか?」
「蛇神の言ってた、まりかー???だ」
「なぜそんな疑問符を浮かばせながらやろうとする‥。オミさんゲーム初ですよね?まず簡単なコースから馴らしていきましょうか。確実に負けますから」
負ける‥という単語に、ピクリとこめかみが引きつるオミさん。
「負けねぇ、難しい所?からでいい」
「ええ〜〜、そんな無茶な」
「「やる!!!」」
知らないぞ?
私は言っておくけど、これ得意だからね?
チラっと蛇神様を見ると、ニヤニヤしている‥。これはボコボコにする気満々だ。軽快な音楽が鳴って、カウントダウンが始まる。後でどうやって慰めようかなって思いながら、華麗なスタートダッシュをかました。




