竜の神様、シャボン玉で勝負。
蛇神様に護符という名のネックレスを貰って、ちゃっかり高級旅館のような素晴らしいお風呂まで貸して頂き、さっぱりしてから私達はようやく家に戻ってきた。
またも新しい服まで貰って‥。
蛇神様、お金って大丈夫なのかなぁ??
「はぁ〜〜〜!!疲れた!!」
私はベッドの前の置いてあるビーズクッションに座ると、オミさんは私の隣にどかっと座る。
んん???距離近くない?
私がオミさんを見上げると、オミさんはじっと私を見る。
「顔舐められたっていうけど、どっちだよ?」
「「ええええ、それ、聞いちゃいます?」」
あんまり思い出したくない記憶なんだけど‥。
私がオミさんをじっと見ると、オミさんは一瞬口ごもるけど、また私をじっと見る。‥これはどうも拒否権はないらしいぞ?
小さく息を吐いて、右頬を指差す。
「‥こっちですけど」
そう言うと、オミさんは私の右頬をそっと手で撫でる。
‥それがなんていうか、ものすごく優しくて、壊れ物を扱うような触り方に、なんか胸がムズムズする。
「あ、あのオミさん??もう大丈夫ですから」
「‥お前、目を瞑れ」
「え???」
「いいから瞑れ!!」
「は、はい!!」
あまりの剣幕に咄嗟に目を瞑ると、オミさんの熱い指がゆっくり撫でていると思ったら、手が離れて、ちょっと物音がしたと思ったら、ふんわりと何かいい香りがする。えーと、この匂いは‥、ああ、蛇神様の所にあったシャンプーの匂いに似てるなぁ。
そう思っていたら、ふにっと何か柔らかいものが頬に触れた。
ん??
なに???
「お、オミさん??まだ目を開けちゃダメですか?」
私がオミさんに声を掛けると、なんか笑いを堪えている気配がする。
何??何をしてるの??
「お、オミさん???」
「お〜、いいぞ!」
パチっと目を開けると、部屋中シャボン玉だらけだった!!
え、
え、
ええええ!!!
「ちょっと!!オミさん、賃貸なのに!!!」
「でも綺麗だろ?」
そう言って、私の顔に思い切りシャボン玉を吹き付けてきた!
あ、さっきの柔らかいのこれか!!
ようやく分かって、ニヤニヤしているオミさんが面白そうに私を見ている。‥もう、この部屋どうするんだよ!!絶対掃除するのも私なのに〜〜!!
「‥オミさん、もう一個のシャボン玉は?」
「なんだ?勝負すんのか?」
「ええ、ガキンチョのオミさんをボコボコにしてやります!!」
私がそう言うと、オミさんがニヤッと笑ってスウェットのポケットからシャボン玉のケースを投げるので、慌てて両手で受け止めた。
「勝負は?」
「大きいのを作れた人が勝ち!3回勝負です!!勝ったら、お肉です!」
私がそう言うと、オミさんは窓を開けてベランダへ出る。
熱い空気が窓からむわりと入ってくるけど、構わずにオミさんと出てシャボン玉の吹き棒を受け取ると、ベランダの柵に腕をのせ、シャボン玉液を棒につけて、早速構える。
「せーのっ‥」
私が掛け声を掛けると、オミさんと私で慎重にシャボン玉を吹き出す。
壊さないように、そっとそっと吹いて、結構いい大きさになってオミさんの大きさはどれくらいかな?って、そっと横目でみると、オミさんはニヤッとこっちを見る。
瞬間、胸がどきりと鳴って、吹き棒を落としそうになる。
な、なんだ??
なんか胸が痛かったぞ??
そう思いつつシャボン玉を吹き続けると、パチンと私のが先に割れた。
「あ」
「やった!!1回目、俺の勝ち!!もう一回勝ったら、肉!」
オミさんが嬉しそうな顔をして、シャボン玉の液をシャカシャカと音を立てつつ、棒につけているけど、私はうるさい心臓の音でそれどころでない。な、なんだ???なんだこれ??
「青葉?怖じ気づいたか?」
オミさんがニヤニヤしながら私を見る。
‥くそ、人の気も知らないで。
私はジロリと見上げて、シャボン玉の液をつける。
「‥言っておきますけど、負けた人は部屋中に吹きまくったシャボン玉を拭いてもらいますからね」
私がそう言うと、「マジかよ〜!」っていうけど、大真面目です。
「せーの!!」私が言うと、オミさんがニヤッと笑うけど、私も笑い返した。言っておくけど、負ける気はない!!




