表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/137

第52話 恥辱

ウィルは周囲を取り囲むようにして一斉に襲いかかって来た神殿騎士達を瞬間移動でかわすと、磁力操作で作った足枷で神殿騎士達の足を地面に固定した。

「なっ、何だ!?何が起きたんだ!?」

そんな声をよそにウィルはすかさず足枷から免れた神殿騎士達を、銀撃をかけた拳で殴り飛ばした。

一瞬にして数人の神殿騎士達が宙を舞う中、続けてウィルは瞬間移動でウィリアムの背後に回り込むと右拳を繰り出した。

しかし、ウィリアムはその拳を反射的にかわすとウィルに向かって振り向きながら水平に剣を放った。

「うおおおおっ!」

「なんのっ!でやぁぁぁっ!!!」

ウィルはその一撃を左手にかけた反射で弾き返し、体勢を崩したウィリアムの脇腹を銀撃をかけた右足で蹴り飛ばした。

「ぐはぁっ!?」

通常の数十倍の威力の蹴りをまともにくらったウィリアムは凄まじい勢いで吹っ飛び、中庭にあった石像に激突した。

『ドゴォォォン!!』

石像は粉々に吹き飛びウィリアムは地面に転がった。

「団長!?貴様ぁぁぁぁっ!!!」

激昂したミレーヌがウィルへと斬りかかった。

「速いっ!?くっ、受けきれないか!」

ミレーヌの扱うレイピアから連続して繰り出される鋭い突き技に、ウィルはたまらず瞬間移動で距離を取った。

だが、それを見越していたようにいつのまにか起き上がっていたウィリアムが魔法の詠唱を終え叫んだ。

獄炎連矢フラムヘルコンフルシェ!!!」

「くっ!?」

ウィルの移動先を中心に無数の炎の矢が降り注いだ。

『ズゴゴゴゴゴゴッっ!!!』

凄まじい爆炎と共に砂埃が立ち上ると誰からともなく声が漏れた。

「…やったのか?」

徐々に爆炎と砂埃が収まると、クレーターのように抉れた地面の中心に防御障壁を展開した無傷のウィルが苦笑いを浮かべ立っていた。

「いやー、危なかったぁ!なるほど、俯瞰して見られてたら移動先も簡単に把握されちゃうのか。大勢と戦う時は瞬間移動はなるべく使わない方が良さそうですね。」

ウィルがブツブツ言っていると、そこへミレーヌが飛びかかった。

「死ねぇぇぇっ!獄園音速剣フラムヘルビィタスソノー!!!」

炎を纏ったミレーヌの音速を超える連続突きに、ウィルの防御障壁に亀裂が走る。

「くっ!?持たないか!?」

次の瞬間、防御障壁はガラスが割れるような音を立てて砕け散った。

『パリィィィィン!!!』

更にミレーヌは勢いそのままにウィルの首元目掛けて渾身の突きを繰り出した。

「これで終わりよ!!!」

しかし、ウィルはその突きを防御障壁が砕け散る前に出現させていた銀震刃ですくい上げるようにレイピアの刀身ごと切りとばした。

「バカな!?」

ミレーヌはとっさに後ろに飛んで離れようとするが、ウィルはそのまま銀震刃を振り下ろした。

銀震刃の切っ先がミレーヌのフルフェイスのヘルムから鎧の胸当てをかすめた。

そして、ミレーヌが着地すると同時にヘルムと胸当てが縦に真っ二つに割れ、ミレーヌの可愛い顔と豊満すぎる胸が露わになった。

「お、女の人!?…あっ!?」

その場にいた全員の視線がミレーヌの露わになった胸に集まる中、気まずそうにウィリアムが顔を背けると、ミレーヌは悲鳴をあげしゃがみこんだ。

「きゃあああああああっっっ!!!」

「す、すいません!ワザとじゃ無いですからね!そ、それに俺は見てないですから!」

そんなウィルの言い訳にミレーヌは恥辱に身体を震わせながら、腕で胸を隠し立ち上がった。

「…許さない!絶対に許さない!まだ誰にも見せた事なかったのに…。初めては団長に見てもらいたかったのに…。

お前、ぶっ殺す!!!」

魔法を使っていないにも関わらずミレーヌの背景が怒りの炎で燃え上がる。

「ヒィッ!?いやいやいや!見てないですから!ねっ!?皆さんも見てないですよね!?ねっ!?ねっ!?」

ウィルが必死に同意を求めると、火の粉が飛び火するのを恐れた神殿騎士達の中からも見ていないと主張する者達が現れ、いつしか敵味方関係無く妙な一体感が生まれていた。

「ほらっ!?皆見てないでしょ?そこの人も見てないですよね!?」

ウィルが明後日の方向を見ていたウィリアムにも同意を求めると、ウィリアムは静かに答えた。

「ああ、綺麗だった…。」

まさかのウィリアムの言葉にその場が静まり返っていると、いつのまにかウィルの背後へと回り込みその首元へと剣を突きつけていたミカエルが口を開いた。

その片方の手には転移結晶が握られている。

「ははははっ!体を張るとはまさにこの事だね。私も綺麗だと思ったよ。女性の裸体から目を背けるなんて失礼な事、私には出来ないさ。

おかげで凡人顔君の動きも止める事が出来たよ。ありがとう。それじゃあ、私達は余興に行かなくてはならないから、これで失礼するよ。」

「くそっ!?油断した!」

内心、ミレーヌから逃げれる事にホッとしながらもウィルがそう言うと、ミカエルは転移結晶に魔力を込めた。

すると、転移結晶が光り始め、その眩い光と共に2人は姿を消すのだった。

「必ず殺してやるんだからぁーー!!」

ミレーヌの叫び声が響く中、その場にはやり場のない怒りに震えるミレーヌと、それに怯える神殿騎士達、そして明後日の方向を見続けるウィリアムが残ったのだった。


一方その頃、ゲンは六面色揃えの手順をなんとか思い出していた。

「これをこうして、こうすればっと、これでどうでい!」

『カチンッ!』

小気味好い音が鳴り6面全てが揃うと、今まで淡く光っていた六面色揃えはその光を失った。

「よっしゃ!これで結界は解除出来たはずだがウィルさんは大丈夫か?だが、このままここにいても仕方ねぇしララさんを助けに行くか!っと、その前にこの鎧はどうも動きづらくて仕方ねぇや!」

ゲンは鎧を脱ぎ捨てると地下室の階段を駆け上がった。

「ぜぇっ、ぜぇっ、ぜぇっ。次はあの階段か?」

ゲンが1階に上がると、西塔と城を繋ぐ通路の方から神殿騎士達がやって来た。

「いたぞ!侵入者だ!」

「やべぇっ!来やがった!」

ゲンは神殿騎士達から逃げようと階段を駆け上がるが、徐々にその差は詰まり3階に上がる頃にはすぐ後ろまで追っ手が迫っていた。

更に運が悪い事に塔の上層階の警備をしていた神殿騎士達が騒ぎを聞きつけ降りて来た為、ゲンは塔の3階にある広間で挟まれてしまう。

「ちきしょう!万事休すかい!?こうなりゃ煮るなり焼くなり好きにしやがれってんだ!」

ゲンが覚悟を決めその場に大の字に寝転んだその時、突然凄まじい音と共に何かが塔の壁を突き破った。

『ドゴォォォォン!!!』

ゲンや神殿騎士達が唖然としていると、砂埃の中からトーマスとラスクを背負ったアリスが現れた。



先日、ブクマが21件となりました!ブクマして頂き本当にありがとうございます^_^

数字が全てだと思ってはおりませんが、やっぱり増えると嬉しいです^_^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ