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エウトピア   作者: 十ノ青日
序章
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37/39

エピローグ→Ⅲ

「リコ……」

「ん?」

「なんか、変わったね」

「そうかな」

「強くなった」


 そして……そう、狡猾になった。

 時に鋭いところは、前からあったけれど。


「変わったら、アキは嫌いになっちゃう?」

「いや。リコはリコだよ」


 ミズキの真似をするように。

 リコは安心したように微笑む。


「よかった」


 僕らはモニタールームを出て、さっきまでいた部屋に戻る。並んで椅子に座ると、リコが僕の肩に頭を寄せた。どちらともなく手を絡ませる。

 ミズキの演説が始まった。僕らはそれを見ながら寄り添いあう。


「変わったとしたらさ」


 リコが言った。


「うん」

「守るものができたから、かな」


 僕は、その幸せを噛み締めた。

 決して、実ることのないはずだった幸せを。

 歪んでいる? 本物じゃない?

 だからなんだ?

 幸せなんて僕の主観で、リコの主観だ。

 僕は確かに幸せで、リコもそれを受け入れた。

 バイバイ、幸せな僕。本物の僕。どちらも半分は本物で、どちらも半分は偽者で、どちらも全部幸せで。

 なら、これでハッピーエンド。

 二人の幸せは、いつまでも続きましたとさ。

 めでたしめでたし。














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