プロローグ
「カジノって映画見たかい」
「いーえ、見てないわ。面白いの?」
「俺は大好きだね。主人公はカジノを経営するプロのギャンブラーなんだけど、周囲の人間のせいで結局衰退してしまった」
「あら、可哀想な主人公」
「ひたすら同情しかなかったんだけど唯一俺が彼に文句があるとしたら結婚した嫁を頑張って愛した事」
「良い人じゃない」
「アル中で素面の時間が一日2時間だけ、下品な幼馴染みの小悪党の為に主人公から25,000ドルを訳も話さず盗み出す、愛人に夜会いに行くために実の娘をベッドに縛り付ける・・・まだまだあるけどそんな女をやっぱり愛している事」
「優しいあなたがこうも憎まれ口を叩くなんて、よっぽど酷い女ですのね」
「君はどうかな?金持ちの男の金だけを見て結婚しちゃう?」
「しちゃうかも」
「それは信用ならないな、そんな女の子はお仕置きだ」
「ふふ・・・んっ」
その映画を見て学んだ事がある。
主人公の古い友人は彼を見て触発され自分も成り上がろうとするがその行為が主人公の環境を崩壊させた。あるタイミングまでは二人は良き友人だったのに主人公はその友人を段々煩わしいと感じ始める。そもそもボディーガードとして派遣されてきた時から嫌な予感はしていたが彼は断れなかった。二人ともギャングに身を置いていたからである。
自由でいるためには集団に身を置いてはならない。何故なら最悪他人のせいで自分が死ぬから。
ヤバいと感じる人間とは距離を置き、それを保たなくてはならない。何故なら最悪そいつのせいで自分が死ぬから。
仕事を信頼できる仲間は持つべきだがプライベートを信頼できる友人は持ってはならない。何故なら最悪それのせいで自分が死ぬから。
最後に頼るのは己でなければならない。何故なら最悪頼ったやつに生殺与奪の権利を握られるから。
そして己は己に信頼され、頼られるようにならなければならない。何故ならそうでなければ格好良く死ねないから。
五つもあった。




