表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/3

うどんのおかげ

異世界の人間って人権なかったんですよ

私は報告書をゆっくり書いた。

今回の事件は終わり。

建物を調べたけど、特に危ない物は見つかっていない。

初犯だったし。


――収穫なしか。


私はちらっとアイスの居る課長室を見た。

冷凍庫と呼ばれている。

アイスの出す冷気が漏れないように、魔法がかかっている。


アイスと私は同期だ。


というか、同時期に召喚された者同士。


およそ三十年前の事だ。

一人の魔道士がある発表をした。



異世界人を簡単に召喚できる魔法陣。



これにより、この世界のあちこちで召喚がされまくった。

召喚された人はどうなるか?

人体改造の実験の餌食になったのである。

だって、国籍のない人間だ。

人権なんてない。

この世界、一部の特権階級の人間は不老不死だ。

非常に強い魔力を持ち、様々な能力を持っている。

それに憧れて、体を改造したいマッドな魔道士は大勢居た。

しかし、自分の体を弄るのはリスクがある。

だから、手ごろなモルモットが手に入ると、異世界人の召喚がたくさんされてしまった。

実験はしなくとも、試しに召喚してみたいという、無計画で無謀な魔道士も居た。

放り出されて、生きていけない人も居て……。

滅茶苦茶だった。

国はどうするか対応しかねていた。


私とアイスは、人体改造の実験をされたクチだ。


私は何をどうされたか記憶がない。

元居た世界の記憶は、ちゃんとあるのだが……。


アイスは最悪だ。

体を改造されたのをはっきりわかっている。


三十年前は、本当に最低の最悪だった。

この流れが変わったのは、異世界人が作った料理がバカ売れしたからだ。


うどん。


今では、この街のあちこちにお店がある。


牛丼も登場した。


異世界って金になる!という流れになり、急遽法律が整備され、異世界人の人体実験は禁止されるようになった。

私とアイスは、うどんのおかげで保護された。

しかし、時既に遅し。

当時五歳だったアイスはおじさんの体にされていた。

ハンサムな顔にしてくれたのは、まだ救いだろうか。

全然違う顔にされたと言っていた。

当時12歳だった私は、何をどう改造されたのかはわからない。

色々調べられたが、人間じゃないモノが色々混ざられている…のだろう。

あれから三十年。

12歳だった私は、高校生くらいの見た目にはなっている。

アイスは全く容貌が変わらない。

私達は怖いので口には出さない。

けれど、知りたい。



あと、何年生きるの?



それとも、突然死ぬの?



もしかして、何百年も生きるの?



普通の人間なら、80歳くらいで死ぬ。

長生きしても、100歳くらいだろう。


私達は…、どうなのだろう…?


だから、私は私を召喚した犯人を捜している。


私の体をどう改造したか知りたいから。




地道に三十年、探しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ