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餓鬼族に襲われた
餓鬼族に襲われた。
私たちは銀貨を手に入れた。
よくわからないが、貰わなければならないらしい。
……。
……。
「お前等、メッチャクチャ強いじゃないか」
ルースがへんな声を出している。『驚く』というものらしい。
私も『驚いた』。ピーターは強い。
小柄だが身体能力が私より高く、風の精霊より素早く、鋭い動きをし、魔法の呪曲まで使う。
加えて色々な荷物まで持ってくれるし、荷物が無くなる事もない。
……あの棍棒は私にも襲ってくるのは問題があるが。
「……ディーヌお姉ちゃんの分け前はこっち」「??? 」
「餓鬼族を退治したでしょ? 」「襲われたから身を護っただけだが」
餓鬼族は毛の無いサルのような容姿の妖魔種で、小柄な体格に反して強い力を持つ。
「お前、依頼の意味、わかっているか?
……と言うか、最初の作戦、聞いてなかっただろう? 」
「私は、人間の言葉は『共通語』しか知らない」
「……」「……」
勝ったからいいや。そうルースは言った。




