さいご
また私は階段を上がっていた。
上へ上へと続く一本道は、まだまだ先が長いと思っていたけれど、終わるときはあっという間で、気づけば、もうそこに屋上への扉があった。
屋上へのドアに手をかける。ドアノブをまわしてみると、すぐにガチャガチャと音がした。
扉には鍵がかかっていた。でも、どうすればいいのか、もうわかっていた。
階段を一つ前の踊り場までおりる。そこで、足を前と後ろにかるく広げて、走るポーズをとった。不安で心臓はバクバクしていた。
そして、扉めがけて走りだした。
階段を駆けていく。
運動不足の私のカラダは今にもバラバラになりそうで、扉が近づいてきて、怖くて目をつぶった。
グニュっとした抵抗感の後、私はとまる気力もなく、目をつぶったまま、だんだんカラダが遅くなるのを耐えた。
ようやくカラダが止まると、風を感じた。
さっきまでの疲れは、星が見れると思ったら、どこかへいなくなって、うつむいたまま、私はゆっくりと目をあけた。
そこには私が着ているセーラー服がひらひらとしていた。最初から着ていたのに、きっと一度も着なれたことがなかったセーラー服だった。
ゆっくりと顔を上げる。
遠くには見なれた山なみと、横には行きたかった海が見えた。きっともうどこにも行けないんだろうな、と思った。
さいごに私は空を見上げた。
そこには満天の星空が待っていて、私に暖かな光を届ける。月明かりはないはずなのに、太陽があるみたいにまぶしかった。
気づくと、私は手をのばしていた。
届かない星空に手をのばす。
のばしても、のばしても、私の手は空をえがいて、そこにほしいものがあるのに、手が届かなかった。
でも、ほしいものはそこにあった。
そんな私を見かねた星空が私に微笑みかけると、星は流れる線となってこぼれおちた。
星がつぎつぎと流れ星に変わっていく。
星空が少しずつ流れ星になっていく。
流れ落ちた星はきっともう元には戻れない。
そんなことを知った私は、やわらかい笑顔で、泣きそうな瞳で、星空と流れ星に微笑みかえした。
お読みいただき、ありがとうございました。
これにて、『星空と流れ星』は完結です。
短いお話ではありますが、随所に意味を忍ばせましたので、その点も味わっていただければ、幸いです。
話は変わりますが、次回作の更新目安をお伝えできればと思います。
新作の投稿を考えているのは12月の第2週で、ジャンルといたしましてはホラーを一度離れ、文芸の中で投稿しようかと考えております。
改めまして、私の作品をお読みいただき、本当にありがとうございました。
読者の皆様に文章の形でお会い出来る日を楽しみにしております。




