遺書の秘密
スミマセン!長くなってしまいました天馬が不甲斐なくて…
弁護士の知識があって書いた物ではありません。
誤字・脱字があったらごめんなさい。
座椅子に腰を下ろし、ヒントを繰り返しながら部屋を見回して、ふと仏壇に目が止まった。真新しい母の遺影、オヤジ、爺ちゃんと婆ちゃん…
「…線香くらい、やらないとな」
謎解きに集中していてすっかり忘れていた。
仏壇の前に正座して、蝋燭に火を点けて線香をかざした。
線香を振って火を消し立て手を合わせた。。白い煙が登り、あたりに白檀の匂いが立ち込める。小さい時から、この匂いは好きだった。
「……………」
遺影を見上げてボ〜ッとして…
「…しゃしん…写真!あなたの後ろ…俺の写った写真の後ろ!アルバム!」
これは、絶対に間違いない!母の遺影を見て
「当たりだろう!」
と、言って自然と笑みがこぼれた。
ここまで、分かれば見つけたような物だと、アルバム探しはあとにして、風呂に入る事にした…
風呂から上がると、着替えは持ってこなかったので、また同じ服を着た。タオルは、引き出しにあったのを借りた。
タオルで頭を拭きながら、お茶をゴクッゴクッ…と飲み干し…
「ビールも買って来ればよかったな…」
と、囁いて冷えた弁当の蓋を開けて、食べ始めた。
弁当をたいらげ胸ポケットの携帯を取り出し時計を見た。
11時08分…
着信も、メールもきてなかった。
「…よし、…たしか、アルバムは…ん〜…と…」
目をつぶり、記憶をたどってゆく…床の間の棚の下の小さな襖に母がしまっている映像が浮かんだ。
「あそこだ!」
四つん這いで、床の間の前までいきあぐらをかいて、小さな襖を開けた…何も無かった。
「…あれ?違ったか?…」
襖を閉め、反対側を開けた…
「…ビンゴ!!」
分厚いアルバムが3冊、置いてあった。3冊全部引っ張り出すと、その内の(思い出)と書かれた1冊を手に取った。
「…確かこれが俺の」
表紙をめくった…
「…おっ!」
いきなり、俺のオールヌードが飛び込んできた。もちろん、赤ん坊だからOKである。
「かわいい、チン○ンして…」
パリッパリッ…少し張り付いているページをめくった。オヤジに抱っこされてる写真、母の腕の中で眠る写真……隅々までチェックしていったが、何も見当たらなかった…
「……これも、違ったのか…?自信あったんけどな……」
そのあと、他の2冊も調べてみたが、両親の小さい頃の写真で、何も見つからなかった。
畳みに寝転びながら、ヒントを見ていたが、急激に瞼が重くなっていくのがわかる。理由は、ハッキリしていた…ふりだしに戻って、その後何も浮かばないからだ…
「……………はっ!あぶね…一瞬寝ちまった…このまま、寝たらさすがに風ひくな…」
フラフラと立ち上がり押し入れから、タオルケットを取り出し自分の部屋の窓側の障子を閉め、ベットに横になった。
仏壇の方をみて
「…おやすみ…」
と、言って明かりが照らす中、テレビの音を聞きながら眠りについた…。
…翌日、久しぶりに頭を使いすぎたせいか、起きたのは11時過ぎだった。障子を開けて、部屋の電気を消して回った。
顔を洗い、腕時計をした。目は覚めたが何もよい浮かばなかった。30分程手紙と、にらめっこしていると、ブゥ…ブゥ…ブゥ…携帯が鳴った。
見覚えの無い番号だったが通話ボタンを押し…
「もしもし…」
「もしもし、柳原ですが!」
と返ってきた
「あぁ!柳原さんか~誰かと思いましたよ!」
「いえ、そちらの様子はどうかと思いまして、遺書は見つかりましたか?」
「そうですか、わざわざすいません…」
「で、どうですか遺書の方は…」
「案外簡単でしたよ!」
「本当ですか!凄い!」
「いやいや、て言えれば良かったんですけどね…全然ですよ、思い当たる所は探したんですけどね…サッパリですよ」
「そうですか…まだ、時間はありますからお母様の為にも頑張って下さい」
「1つ聞きますが、すぐに僕がこの家を継ぐのは無理なんでしょうか…?」
「それは…公正に書かれた遺書は絶対です。それに出来たとしても、お母様の意思は無視できますか?」「………いえ…今、言った事は忘れて下さい…」
「大丈夫ですよ!お母様も、きっと天馬さんが見つけてくれると信じてますよ!」
「そうですね…制限時間まで頑張ってみますよ!」
「そのいきです!では、明日の12時に伺いますので…失礼します」
と、言って電話が切れた…。
やるとは言った物の気が重かった…。
パンを食べながら、またも、ヒントとにらめっこ…
「ヒント1は、このまま、家の中だとして…」
オヤジの書斎から持ってきたボールペンで母の手紙の隅に(家の中)と書いて丸をした。
「ヒント2だよな…問題は…あなたの後ろ…あなたか…」
指でボールペンを弾いてクルクル回しながら
「あなた…か、一般には旦那の事をあなたって呼ぶ事もあるよな…?オヤジ!?」
しかし、昨日オヤジのアルバムもチェックしたはず…オヤジの写真で調べて無いのは…仏壇を見た
「…遺影か!!」
サッ…と立ち上がり、お鈴を、
チン・チン・チ〜ン…と、3回鳴らし、手を合わせてから
「悪いけど、失礼するよ…」
と、オヤジの遺影を取り裏返した。
「頼むぞ…」
額の裏を開いた…写真何も取り出してみたが、無かった…念の為、母、爺ちゃん、婆ちゃんのも見たが同じだった…
「はぁ〜…ダメか〜…」
その後、いくつか思いつき、壺の中、掛け軸の後など片っ端から調べていったが、やはり遺書らしき物は発見出来なかった…
「…ダメだ!もう、何にも思い付かねぇ〜や…」 ゴロンッ…と、畳みに仰向けになった。
外に目を向けると、木々が赤く染まり、だいぶ日が落ちている事に気付いた。
腕時計を見ると5時30を回っていた。
「ヤバイ!飯買いに行かないと、暗くなっちまう!」
とりあえず、居間の電気だけつけて、コンビニへと急いだ。
弁当2個とビール2缶を素早く手に取り、チラッと目に入った栄養ドリンクとバナナを持ってレジに急いだ。
ギリギリで、暗くなる前に帰ってくる事が出来た。
ちゃぶ台にビニール袋を置いて、バナナを取り出して仏壇に供えた。
弁当を食べながら、ビールを片手にチビチビ飲みながら、ちゃぶ台に置かれたヒントとテレビを交互に見ていた。もう、半分あきらめていた…。
あとは、調べて無い所を片っ端から調べるしかないからだ…
「あと調べて無いのは…押し入れ、俺の部屋の絨毯の下に雑誌の束、タンスの中、オヤジの本の間とか…」
箇条書きしていった。
ホロ酔いで立ち上がり、短時間で終わりそうな物から片付けたていった。
絨毯の下…雑誌の束…
タンス…押し入れ…
4つを線で消した…。
「…はぁ〜あ……残るは本棚だけだけど…」
2本目のビールを開けながら、本棚の前にあぐらをかいた。
「ゆっくりやりますか…」
と、本を1冊手に取ってパラパラとめくっていった。
…数時間後
半分くらいは、終わっただろうか…想像はしていたがまだ、何もない。
「クゥ〜〜ッあぁ〜…」
伸びをして
「…頭が痛くなってきた」
ズキンズキンと目の奥が痛む…
残りは、朝早く起きてやる事にして、携帯の目覚ましを7時にセットしてベットに横になった。
ズキズキと頭が痛み、なかなか眠れなかった…。
いつの間にか、眠れたのか…翌朝、起きたのは9時に近かった。
目覚ましは、鳴った様だが気づかなかった。
慌てて、顔を洗い無理矢理に目を覚まして、本棚に向かった。
…残り1冊…制限時間まで1時間と迫っていた…
パラパラパラ…パサッ…
最後1冊を調べ終えた…
体を脱力感が支配してゆく…結局見つける事は出来なかった…腕時計を見ると11時20分…そろそろ柳原さんが来る頃だ…。
重い足取りで…
「…ヨイショッ……」
立ち上がり、ちゃぶ台で弁当を食べ始めた。
11時40分…弁当を食べ終えて、雨戸を閉め窓の鍵をかけた。全ての部屋を目に焼き付けながら、障子を1枚づつ閉めていった…。
最後に仏壇に線香あげて手を合わせた…。
その時、外で車の音が聞こえた。柳原さんが来たようだ。
「母さん悪かったな…」
と、立ち上がると…。
ちゃぶ台の上の栄養ドリンクを、ポケットに入れて玄関へ向かった。
靴を履いていると、トントンと玄関がノックされた。
「…あっどうぞ…」
ガラガラと玄関が開いて柳原さんが現れた。
俺の雰囲気をみて察したのか
「おはようございます…そのご様子だと…見つかりませんでしたか…」
と、言った。
「うんしょっと……」
立ち上がり
「えぇ…遺書の様な物は見つかりませんでした…」
「そうですか…とても残念です…」
「仕方ありません、母には死んでから謝りますよ…」
と、玄関を出ようとして鏡が目に入った。鏡に向き直り、柳原さんに言ったのか自分に言ったのか…
「母によく言われたんですよ…寝癖を直せ、だらしない格好で外に出るなって…」
チェックしていると、鏡の中の自分と目が合った……………。
「………!!!柳原さん!少し待って貰えますか?」
「えぇ、もちろん!待ちますけど…どうしたんですか?」
「チョット!」
と、言って靴を脱ぎ自分の部屋に行き、走ってドライバーを持ってきた。鏡の四隅のネジを取ってゆく…鏡を押さえながら、最後のネジをはずした。
「手伝いますか?」
「大丈夫です…俺の推理が正しければ、ここに遺書が…」
鏡を持ち上げ横にずらした…。すると……
10cm程の棚が現れたのだ!そこに、封筒が1枚ポツンと置いてあった!鏡を置くと慌てて、封筒を取った、確かに遺書と書かれていたのだった。
「よっしゃ〜〜っ!」
と、ガッツポーズをした!
「あの!アレ!コレ!」
興奮の為、言葉が出てこなかったが、柳原さんに遺書を渡したのだった。
柳原は遺書を受け取ると
「…はい!お母様の遺書に間違いありません!それにしても、何でここだと?」
「鏡の中の俺の後ろって意味だったんですよ!」「あぁ!なるほど!」
と、言った。
よしっ!やったぞ!やったよ母さん!………
「あ、あの〜これで、この家の権利は俺のなんですよね!」
興奮して言った。しかし、予想外の言葉が返ってきたのだった…
「…いえ、そうゆう訳にはいかないんですよ」
「……えっ…ど、どうゆう事ですか!だって!遺書を見つけたんだから…」
そこまで言って、柳原に遮られ
「まぁ〜まぁ〜、落ち着いて下さい」
「落ち着けって…!」
柳原は振り返って、携帯を取り出すと、どこかに かけ始めた…。
「…チョット!柳原さん!まだ話が…」
「…あっ、もしもし…はい…はい…見つけましたよ…はい…」
と、誰かと話始め…
スッーと、携帯を俺に差し出した。
「えっ…お、俺が…?」
「はい…」
訳もわからず携帯を受け取ると
「…あの…もしもし…」
「もしもし…久し振りね、天馬…よく解けたね…」
懐かしい声が聞こえてきた
「……!!母さん!?母さんなのか!?」
「あらやだ、母親の声も忘れたの?」
「あっ…いや…そうじゃなくて!死んだんじゃ…」
「もう、手紙にちゃんと書いたでしょ?あ・そ・びって」
「はぁ〜っ!じゃあ全部嘘かよっ!ふざけやがって!柳原もグルか!」
柳原を睨みつけた…
「柳原なんて呼び捨てにしないの!死んだのは、う〜そ!でも、ガンは本当!今、病院よ。抗がん剤治療を受けてるのよ」急激に怒りが治まっていく
「それは、本当なんだろうな…?」
「…残念だけど本当、でも助かる確率は半々なのよ?そこでね、最後に天馬に会いたと思って思い付いたの」
「そんなの、帰って来いでいんじゃ…」
「…だって…それじゃあ面白くないじゃない!」
「…くっ…ババア…」
「ババアって、言葉に気を付けなさい!いいわ、柳原さんに代わって…」
柳原さんに携帯を渡した
「…はい……はい…いえ、いんですよ…はい、分かりました…では」
と、携帯を切ってポケットにしまった。
「あの…呼び捨てにして…睨んでしまって…」
「怒って当然ですよ、こんな事されれば…少しは落ち着きましたか?」
「あ…はい、もう、大丈夫です」
「…では、お母様のお見舞いにいきましょうか?」
と、ニコッと笑った。
「そうですね!それに…良く効く薬を持ってるんですよ!」
と、ポケットの栄養ドリンクを握り締めた…。
‐おしまい‐
もっと細かい描写を書きたかったのですが、文字数が足りなくなって、色々削った結果…200~300文字で次話に持ち越したくないと、無理な所もあったかもしれません。ゴメンです。




