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ベータ版でやったゲームの製品版

私は湯栗巣路羅。普通の女子高校生だ。


 そんな私の前にはとあるゲームが入ったヘッドギアが置かれている。


『ザンシンファンタジー』、『ホカニハナイ社』略して『ホナ社』が作ったVRゲームだ。

 今ファンタジーVRゲームは、似たような物が腐るほどある。その中で出たゲームだ。


 私はこのゲームのベータ版のテスターだった。大変面白かった。ベータ版は半年前にプレイした。


 その製品版が今日届いた。テスターには全員に届けられるらしい。

 あと製品版は何故かvtuberにしか売らなかったらしい。

 ホナ社がvtuberであるかどうかを1人1人本人確認して売った。みたいな話をどこかで聞いた。


 早速キャラクリの為にヘッドギア被ってゲームスタート。黒い空間に飛ばされる。そして目の前にはキャラクリのサポートAIが立っていた。


 AI「お久しぶりです『ユスラ』さん。ついに製品版が出ました。

 早速ですがキャラクリをしましょう。」


 どうしようかと悩んでいるとAIさんが話す。


 AI「製品版では貴女達テスター以外の第一陣は全員vtuberです。

 vtuberは我が社との規約で、ログインと同時に配信開始、ログアウトで配信終了となります。

 なのでvtuberに晒されて身バレしないように本来の姿から完全に変えた方が良いです。」


 なるほどなるほど、それじゃあ姿を変えよう。


 私は現実では低身長、つるぺた、短髪だ。


 なので身バレ防止のために、高身長、ナイスボディ、長髪。とにかく体型を元が分からなくなるぐらい変える。


 AI「すごい願望の籠った見た目ですね!

 キャラクリも終わったので、ベータ版とは違うところを話してからゲーム開始しましょう。」


 ほう、ベータ版とは違うのね。聞くだけ聞いてみようじゃないの。


 AI「まず大前提としてベータ版で培った経験はほぼ無意味になります。」


 完全に新しい設定ね。なるほどなるほど。


 AI「次にゲーム内の時間について、製品版では貴女達が遊んだベータ版から10年経っている設定です。

 分かりやすく言えばベータ版では王子だった者は、製品版で王様になっています。」


 ほうほう、ベータ版から時間もメチャクチャ経っていると。なるほどなるほど。


 AI「そして製品版から職業が得られる様になりました。元々はスキルだけだったのですが、ベータ版で攻略組がダンジョン攻略に手間取ってたので急遽職業補正たる物を作りました。

 この追加で製品版が遅れました。職業の種類はアップデートでどんどん追加していきます。」


 ふーん、職業ねぇ。それはそれは大変便利な物ができた事で。私に関係あるかは知らないけど。


 AI「ユスラさんは何か就きたい職業はありますか?

 今ならタダで好きな職業に就けますよ。」


 好きな職業ねぇ。私はスローライフ送りたいなぁ。

 ベータ版で沢山戦ったし。職業いらないや。


 AI「なるほど、それならいっそ『無職』で行きましょう。職なしです。

 ベータ版やってたユスラさんならダンジョン程度、無職でも楽勝ですね。」


 と言う事で職業決定!今日から私は立派な無職である。現実だったらヤバいけど、このゲームだったら無職でも生きられる。


 AI「転職したかったら教会行ってください。

 教会で100万ゴールド払って祈れば、好きな職業に就けますよ。」


 教会で転職か。100万ゴールド払えとか結構俗物な神だね。そこが良いところなんだろうけど。


 AI「それでは職にも就けたところで、早速初期地点に送っちゃいます。」


 そう言われると自分の体が突然光り輝く。そして粒になってしまう。


 AI「それでは良いゲームライフを。」


 その言葉と共に私は完全に粒となった。


 そして私は再び肉体が生成される。頭から生成されるので、体が生成されるまでの間に周りの景色が見える。


 ほうほう、おそらく飛ばされた場所はどこかの村。


 いきなり王都に飛ばされるとかでは無いようだ。


 とりあえず体も生成されたので周りを見渡す。頭にはツノが生えて居るし、なんか体が薄紫だ。


 霧に囲まれてる。この村霧に囲まれている。ついでに武器持った村人達にも囲まれている。


「お前どこから来た?」「いきなり頭から現れたぞ。」「殺すか?」


 いきなりハードモードか?ここは大人しくしていよう。と言う事で手を上げて無抵抗のポーズ。


 村人達に無抵抗が伝わったのか武器をしまう。そして拘束されてこの村の村長の家に連れて行かれる。

 そして村長の前に突き出される。


 村長「ふむ、お前が侵入者か。聞くがどうやって侵入した?外からここに来ることなんざ不可能だ。」


 不可能?なんで?霧が原因?ただ霧が深いだけでしょ?


 村長「お、お前。あの霧がどれだけ危険な物なのか知らないのか?」


 すいませんねぇ。神様(サポートAIの事)に、ここに送られたのですよ。


 村長「神様だと…。そうか、なら仕方がないのか?」


「全ての村に伝わる文献通りだ。」「霧が出た後に霧を払う者達が多数現れると言う伝説だ…。」「その1人がこの女?」


 なんかベータ版には無かった伝承が出てる…。


 村長「まぁとにかく神が連れて来た事は信用しよう。現に目の前で頭から現れたと報告する者も居るからな。」


 そう言うと村長は立ち上がって両腕を広げる。


 村長「ようこそ、魔族の村『ゲンカイトチ』へ。」

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