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黒女の哭音が聞こえる ~拐かしの隠れ里~  作者: 夏風
エピローグ

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【おまけ1】女子高生失踪事件 新聞報道

 

【紀州新報 昭和三十年*月*日付 朝刊】


清水町の山中で女子生徒四人転落 一人行方不明に


本日午後、有田郡清水町の山間部で、和歌山県立和歌山高等女子学院の女子生徒四人が谷底へ転落し、このうち一人の行方がいまだ判明していない。


警察の調べでは、四人は学校の部活の課外活動の一環として現場周辺を探索中、何らかの原因で谷底に転落したものとみられる。現場では滑落や転倒の痕跡が確認されており、警察では事故の状況を詳しく調べている。


一方、同行していた生徒らは、「現場付近で偽の看板による誘導を受け、その後、謎の人物に襲撃され、仲間の一人が連れ去られた」と証言しているという。警察は事件の可能性もあるとみて、慎重に事情を聴くなど捜査を進めている。


現場では現在、有田警察署をはじめ、地元消防や住民、学校関係者らが連携して、周辺の山林や有田川本流の捜索活動を続けている。


警察は人命救助を最優先として体制を強化しており、今後、現場の状況が判明し次第、詳細を公表するとしている。


————


【紀州新報 昭和三十年*月*日付 朝刊】


清水町女子生徒不明 同じ部活の部長も失踪 血痕付き短刀を発見


有田郡清水町の山あいで起きた女子生徒の滑落行方不明事故をめぐり、この生徒が所属する部活動の部長を務める女子生徒も新たに行方不明となっていることが分かった。行方不明者はあわせて二人となり、警察は自殺の可能性と事件の両面から捜査を進めている。


行方が分からなくなっているのは、和歌山県立和歌山高等女子学院の女子生徒二人で、このうち新たに不明となった部長生徒は、日ごろから責任感が強い生徒として、周囲に知られていたという。最初の滑落事故の際、この生徒は「見知らぬ男たちに罠で襲撃された」と証言していたが、警察は当初、有田川上流の渓流に流された事故の可能性が高いとみて捜索を続けていた。こうした対応に対し、少女が深く失望し、思い悩んでいたとの話も、周辺から伝えられている。


その後、この部長生徒の自宅から短刀が持ち出され、家族が警察に捜索願を提出した。今朝になって、由良町の戸津井鍾乳洞の入口付近で血の付着した短刀が見つかった。現場は清水町の滑落現場から数十キロ離れており、警察は両事案の関連について慎重に捜査している。


警察によると、短刀から検出された指紋は、この女子生徒本人のものだけで、現場付近に争った形跡や第三者の足跡などは確認されていないという。このことから、警察は女子生徒の単独行動だった可能性が高いとみている。また、短刀に付着していた血液はO型で、女子生徒の血液型と一致。量は致死量には達していないと判断されており、引き続き行方を捜している。


警察は、自殺を図った可能性も視野に、清水町の滑落現場周辺に加えて、戸津井鍾乳洞やその沿岸部にまで捜索範囲を広げた。一方で、当初から出ていた「襲撃された」との証言についても、事件に巻き込まれた疑いが残るとして、今後あらためて評価を行う方針だ。


現場周辺では現在も警察や消防による大規模な捜索活動が続いており、地元住民や学校関係者からは「子どもを一人で外に出すのが不安だ」といった声があがっている。警察は地域住民に対し、不審な人物や車両を見かけた場合はすぐに通報するよう呼びかけている。


————


【紀州新報 昭和三十年*月*日付 夕刊】


行方不明の女子生徒二人を保護 戸津井鍾乳洞前で発見 事件の可能性も


有田郡清水町の山あいで相次いで行方不明になっていた和歌山県立和歌山高等女子学院の女子生徒二人が、由良町の戸津井鍾乳洞の入口付近で保護されたことが分かった。二人はいずれも命に別条はないとみられるが、警察は事件に巻き込まれた可能性もあるとみて詳しく事情を聴いている。


警察によると、二人は滑落事故をきっかけに行方が分からなくなっていた女子生徒と、その部活動の部長を務める女子生徒で、*日朝、友人だという同じ高校の女子生徒と一緒にいるところを通行人が見つけ、通報したという。三人は戸津井鍾乳洞の入口付近で座り込んでおり、駆けつけた警察官に保護された。


二人の女子生徒は体に傷があり、着衣の乱れも確認されたことから、警察は暴行を受けた可能性も視野に入れて、慎重に捜査している。現場付近からは、これまでに発見されていた血痕の付いた短刀との関連をうかがわせる新たな痕跡も見つかっており、警察が鑑識作業を進めている。


警察は三人から当時の状況や経緯を聴くとともに、清水町の滑落現場と由良町の鍾乳洞を結ぶ移動手段や関係者の足取りを調べている。行方不明当時、生徒らから「偽の看板で誘導され、謎の人物に襲撃された」との証言が出ていたことから、警察は当初の事故と一連の経過との関係について、改めて検証を進める方針だ。


地域ではこれまで、警察・消防に加え、地元住民や学校関係者が一体となって捜索活動を続けてきた。清水町の住民の一人は「無事見つかって本当によかったが、何があったのかをはっきりさせてほしい」と不安そうに話していた。


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