18話「拷問の始まりである」
短め
「ケルト。大丈夫だった?」
「おう。問題しかないぞ」
うん。問題しかないな…。
つーかただの骨なんかに部隊長を任せるなっての。
「え?大丈夫なの!?」
「もうなるようになれって感じだよ。その代わり、成功したらデカイぞ?そうだ。なんでも部屋を用意するって事だから、そこについたら詳しく説明するよ」
それからしばらく待たされ、用意された部屋へと通された。
うん?マオー様のお隣のお部屋?
「はぁ…。魔王様はなんでこんなどこの馬の骨かも分からない奴を…」
案内してくれた騎士は、グチグチ言いながら出ていった。
馬じゃないが骨だがね!
「うぃー。お引越しおめで…」
ガチャリとおこさまおうが入ってきて、そのまま出ていたった。
「今の誰?」
「シラネー」
「ここが今日から貴様らの部屋だ。ありがたく思え」
魔王モードでもう一回入ってきた。
「いや、もう威厳ねーよ!」
「ワンチャンあるっしょ!!」
ダメだこいつ。早くなんとかしなければ…。
「あー…。まああれよ。意思疎通の話。あれ教えに来たのよ」
「うん。その前に一ついいか?」
「なんだ?」
「なんで隣なんだよ!!警備ゆるゆるかよ!」
「楽しそうじゃん!」
こいつ本当に魔王様なの?ドッキリじゃないの?
スカルなんてついていけてないぞ?
「あーもういいわ…。で?教えてくれるんでしょうか?」
このおこさまおうさまは聞き流すぐらいが良さそうだな。
「あーそうそう。テレパシーってね、無線通信みたいなものなのよ。周波数が違えば聞こえたり聞こえなかったりみたいな?でね。種族間のテレパシーの場合そう受信の周波数がオートで固定されてるわけ。そこイジればいいのよ。じゃあ、適当になんか送るから受け取ってね」
なんかサラッとやれって言われてね?
話は理解できるよ?でも理解と実行は別ものよ?
「えー。わかんないよー?」
ほら、スカルだって。
「パンはパンじゃん!」
なんの話よ!
「ほー。すぐに出来るとは思ってなかったね。君。魔法適正高そうだね。よしそうだね。君には専属の教師を付けよう。また明日から頑張ってもらうから、今日は休むといいよ」
「えー。答え教えてくれないの?」
「後のお楽しみって奴よ」
あー。ナゾナゾでも送ってたのか。
てか、スカル速攻出できたのかよ!?
「よし。それじゃあえーっと…。ケルト君には私が直々に教えてやろう」
そう言って、骨盤辺りをガシッと掴まれて引っ張られる。
「は!ちょ!力強!」
「当たり前だ!まおーさまだぞ?」
そのままズルズルと引きづられ、何もない部屋に連れて来られた。
「よし。ここは頑丈な造りだから、暴れても…ん?なんだ。犬コロ連れてきたのか」
おや?知らないうちにべロスがくっついていた。
「まあいいか。こういう時アンデットは楽よね。とりあえず12時間は魔法。12時間は近接戦闘を叩き込むわ。時間配分は適正見てから」
「休みは?」
「いるの?」
どうやらとんでもない所に連れて来られたようだ…。
おこさまおうの残念度が上がった!