川
翌朝。
三人は半地下の外へ出ていた。
目的は食料。
まずは周囲を知ることだった。
エルドが欠伸をする。
「狩りって言っても、
俺できないぞ」
「私も」
リナも即答した。
二人の視線がレイへ向く。
レイは少し考える。
「俺もそんなに得意じゃない」
「終わってるじゃん」
エルドが頭を抱えた。
だが。
三人とも少し笑う。
その時だった。
リナが足を止める。
「……水の音」
三人は耳を澄ませる。
確かに聞こえる。
地下水路とは違う。
もっと大きい。
森を抜けると、
小さな川が流れていた。
エルドが目を見開く。
「おお」
水は綺麗だった。
流れもある。
そして。
小魚が泳いでいる。
リナが少し嬉しそうな顔をした。
「食料発見」
「魚か」
レイも川を見る。
大きくはない。
だが。
数はいる。
エルドが川辺へしゃがみ込む。
「これなら何とかなるか?」
「なるかもしれない」
短い沈黙。
三人とも川を見る。
昨日まで。
逃げることしか考えていなかった。
だが今は違う。
食料を探している。
暮らすために。
生きるために。
リナが小さく笑う。
「なんか、
本当に拠点作り始まったね」
レイは川の流れを見る。
半地下。
廃村。
川。
まだ何もない。
それでも。
少しずつ形になり始めていた。




