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木屋町ホンキートンク Ⅰ  作者: 鴨川 京介
第3章 世界を救う?冗談でしょ?
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39 テンエレメント

 最近電話掛かってくるのって、猫又のおばばだけじゃない?

 俺ってもっと友達いたはずなんだけどな。…とか考えながら、電話をとった。


 「まったくお(ぬし)は油断も隙もないな。おぬしが今考えていることは、五行思想から大きく外れてすでに新しい思想になっておる。しかし、魔法や魔素を表すのに的確な考え方ではある。モノの構成要素の大まかな分類としてはそっちの方が正しかろう。むしろもうずいぶん前に人間の考えた思想が、今までずっと使われてきていたことの方が問題なのかもしれぬが。おぬしが今考えているそれは、確かに魔法を構成している要素をすべてはらんでおる。人が使える魔法には『時間』と『空間』の概念がないからの。名づけるとするとさしずめ『10(テン)エレメント』とでもいうかの。」


 おっと。新しい魔法理論を作っちゃったよ。


 「もっともその10エレメントはお(ぬし)のような膨大な魔力をその魂に取り込めんと使いようはないがの。いわば、お(ぬし)独自の魔法理論といったところじゃ。しかし、『風』の概念を五行思想に取り込むのは、自然の要素を表すのには適しておるじゃろうの。それに『光』と『闇』の考え方もそうじゃ。」


 つまり、空間と時間をのぞいた8エレメントで、一般的な魔法は構築されてるってことなんだろうな。


 「もともと愛がお(ぬし)に五行思想を転送しようとしたのはこれらのイメージがしやすいため、魔法の発動をうながすためだったのじゃが。まさか、それに疑問をもってその先に行くとは…。」


 そういわれても疑問に思ったんだから仕方ない。新しい理論ができたってことはよりイメージしやすくなったってことでいいじゃない。


 「先ほどお(ぬし)が考えておった『地球ごま』じゃが、まさにそのイメージは核心をついておる。魔法はその想像力『イメージ』が重要なのじゃ。どんなことをしたいのか、どうあってほしいのか。それを魔素を扱って作り出す。それが魔法じゃ。」


 「そうするとわからないことがあるんだけど。おばばたちは、異界を作った時この地球を『複製』したんだよな。星丸ごと一つの質量を。あれはどうやってやったんだ?」


 「あれはまず、同質の質量を持つ惑星を捕まえての。それを『変質』させていくことで星を作り出したのじゃ。もっともその術式にはわれらあやかしの長達が長い年月を使って行使し続けてようやく完成したのじゃからな。順番でいうと、まず異界の『空間』を作り出して、そこに星を構成していく。その上で異界の方へ魔素をすべて移していき、封印する。年月でいうと、およそ1万年ほどかかったかの。星ひとつ入るための空間一つ作るのにも膨大な魔力がいったのでな。われらの魔力では何千年もかかってしもうた。」


 「お、ということは、俺がもらった『無限収納』も実は『無限』じゃないということ?」


 「厳密に言えばその通りじゃ。もっとも星が丸ごとはいるほどの容量はないが、そこそこの量は入る。あれを作るのにもわしが一年がかりじゃったからな。人が一生に手に入れる物量なら問題あるまい。そういう意味で『無限収納』なのじゃ。」


 なるほどね。これも疑問に思ってたんだよね。だって、無限収納印籠で本当に無限にモノが取り込めるなら、異界をこの中に作ることもできたんじゃないかって思ってた。確かに『モノ』に収めるには大きすぎるよな。

 でも、俺にその星が一つ入る器を作らせるんだよな。一体何年掛んだよ。


 「そこでお(ぬし)が研究しておった、あのフォームの考え方が必要なんじゃ。今まで『球を内包する多角形』や『多角形の中に内包する球』の理論的構築を行ったものは出てこんかったのじゃ。あのバックミンスターという男は天才じゃな。もっとも異界の星の結界に使われるとは本人も思っていなかったじゃろうが。」


 「いやいや。フラードームはその発展形として『内包する空中都市』をイメージして作ってたみたいだぞ。」


 「なんと。それは面白い。そやつもあやかしの血を引いておったのかもしれんの。」


 まあ、その辺は何とも。

 しかしこれでようやく頭の中で魔法の理論が整理できそうだな。


 「ひと段落ついたら伏見稲荷まで来い。どうせ理屈がわかったら、それを試そうとするのじゃろ。そこらで魔法を試すわけにもいかんじゃろうから、この屋敷にある『修練場』で試すがよい。ここなら魔法を使っても問題なかろう。」


 「おぉ。ありがとう。どこで試すかも悩んでたんだよ。さっそく明日にでも行かせてもらうよ。」

 そういって電話を切った。


 しかし、やっぱり俺の思考や俺の行動をずっと監視してるんだな。

 確かに何しでかすかわからないと不安だろうしな。ましてやあやかしを超える魔力を持ってるんだ。俺がそんな奴見つけたら怖くて隔離するね。拘束されないだけましなんだろうな。しかたないか。


 それにしてもずっと俺って流されているよな。

 きっかけは万眼鏡だったにしても…。

 お、今なんかおばばが舌打ちしたような。そこに気付きおったか…じゃねえよ。


 もう電子機器を使いこなしてるじゃねーか。

 ミニ猫又のおばばが俺のノートパソコンの画面で走り回ってるんだが…。


 猫又のおばばの3頭身アニメキャラって需要あんのかね。確かにかわいいんだが。


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