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人の姫は魔王に恋をする  作者: 青留 なる
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1.牢を抜け出すお姫さま

約一ヶ月開いてしまいましたごめんなさいm(_ _"m)




「はあ……」


 魔王城の牢に来て一日目の人間の姫は溜息をついた。


「おい。アレ、人間の姫……だよな……?」

「俺らを怖がってる様子はない、な……?」

「でもでっかいため息ついてるぞ……?」

「フツウは助けを求める感じじゃないんですか?」

「さあな。そこらの冒険者とは違って、王族ともなれば冷静になるんだろ。前例がないもんだから知らんけど」

「姫とは言え普通の冒険者(人間)と同じだろ」


 そんな魔物たちのとある牢の前でのひそひそ話。

 ちなみにこのような会話はすでに耳にタコができるぐらいは聞いた。


「……はあ――」


 人間の姫、マナルート・ソフィアが大きなため息を二度もついた理由は三つある。


 一、とにかく魔物の野次馬が多いことだ。

 ソフィアは「見世物じゃないんだから」と思っている。


 二、食事がまずいことだ。

 人間と魔物では食べ物が違うためまったく口に合わない。


 三つ目 恋のため息だ。

 突然の出来事(誘拐)で気絶してしまったが(そもそも誘拐は突然でなければならないのでは?)、正体の分からないイケメンに連れ去られてきた上にお姫様抱っこだ。恋愛など一切してこなかった思春期真っただ中の十六歳の姫は簡単に恋に落ちた。


 ……というわけで解決するためにソフィアが思いついたこと。

 それは――――牢を出ること!



 一は見られるの飽きたな~的な。

 二は(私の食べられる)食料ため込むか~的な。

 三は想い人を探すため……的な。


 二つ目クリア出来たら上出来な方。

 あと、せっかく敵地に来たんだ。色々情報も集めておきたい。


 最悪死んだところで、ここ、魔王城には蘇生できるものがいる、という報告が上がっていたようないなかったような。(いなかったらどうするつもり?)


 ……とりあえず、人間と魔族、魔物とは長くにして争ってきている。


 ただ、今まで人間側、魔物側どちらとしても人質を取った、取られたという前例はない。

 魔王城に向かった冒険者は決して帰ってきてないが、人質を取ったという連絡はない。


 だが魔王の考え方として人間の姫()を人質に取った理由はあるだろう。

 まあ何が何でも蘇生してくれるんじゃない? ってことで、魔王城を歩き回っている。


 出た理由としては、食事を届けに来た者がカギを牢の外に落としていったからだ。


「あれ~? アレ人質の姫じゃない~?」


 そう言うのは羽の生えた青年がだいぶ下の階から話す声が聞こえる。


(はぁ……そろそろあの狭い牢に戻らなきゃいけない時間かな……)


 それはそうだろう。人質のはずなのに寝巻のはずなのにそこそこキラキラしている服を着て外を歩いていたら。


「んなわけねぇよぉ~。幻覚でも見えてるんじゃね?」


 とその姿を確認せずに先を歩いていく……犬みたいな耳が生えているのでおそらく狼男の奴。


(……そうなるだろうか?というか誤魔化せる……?)


「いや~最近視力悪くなってきてさ~。な~んかキラキラしてるのが見えるんだよ~?」


 と羽の青年


(この服だと目立ってしまってたか……盲点だった……!)


「最近人魚さんが入りましたし、その鱗とかじゃないですか?」


 エルフ……よりかは肌が黒いからおそらくダークエルフの青年が言う。


(……人魚という実物を見たことはないが、我が国に伝わる昔話による太陽に照らした宝石なみ、とかなり輝いているそうだ。多少脚色されていたとしてもかなりの輝きだろう。この寝間着はそんなに輝いてるのか……?)


「ああ~一理あるね~」


 そう言って納得したのか視線を前に戻す。


(納得しちゃったよ? 視線戻しちゃった。バレなかった? ……え?)


 まさか本気でやり過ごせると思っていなかったため疑問がいっぱいだ。


「人魚さんって謎が多いんだよなー。今年入ってきたばっかなのに、水中エリアボスサマが退職した次は新人の人魚だとかって噂も。俺らなんて五年下っ端やってんのにさ~」


 と狼男(仮)(カッコカリ)がうらやましそうな声で言う。


「君たち。うらやましいなんて思うなら、こんなところで油を売ってないで早く職場に戻りなさい?」


 いつの間にかに三()の頭上に現れその黒い羽で飛ぶおそらくヴァンパイアのかた。


「「「パ…パイア先輩……」」」


 どうやらヴァンパイア(仮)(カッコカリ)は先輩のようだ。


「に――ちゃん! あんまりガミガミ怒んなよ! にーちゃんこそ七年やってるのに下っ端だろ!!」


 ヴァンパイア弟(?)が出てきた。


「チスイ。下っ端と言ってもかなり上ですよ。……仕事が少ない割には給料は位が上がったのとほぼ同じ。なのにさぼっ――」「大変だあああああ!!!」


 走ってやってきたのはゴブリンだ。

 似たよう見た目の者をよく周辺で見るので断定できる。


「何事ですか!」


 ヴァンパイヤ兄が即座に反応する。


「人間の姫がいないぞおおおおお!!!!」

「人間の姫が!? 至急魔王さまとエリアボスさまに報告を! 手の空くものは魔王城と周辺の森を探しなさい!」


(そろそろ限界か。……にしても気が付くの、遅くない?)


 そう思った姫は隠れる……のではなく牢の場所に戻っていき、何人( ?)かいる中で視線を気にする様子もなく、普通の振る舞いで牢に戻って行った。


 目撃していた魔物たちは思考が一瞬停止したという。


「ま……魔王さまに報告!」


 ソフィアは今日分かった情報を整理した。


 一 視力の低下がある。

 二 人間と同じく職場や給料がある。

 三 人間と同じく上司や下っ端などの制度がある。

 四 人間と同じく兄弟がいることがある。

 五 人間と同じく魔物の種類以外にも個人( ?)個人( ?)の名前がある。


 ――ほとんど……というか容姿や能力が違うだけで全部人間と同じ……?


 ともかく、姫が城に来て一日目は、珍事件はあったかもわからないような短い時間で終わったという。


おはようございます。もしくはこんにちは。もしくはこんばんは。

…長いですね。おはこんです。青留あおとなるです。

こんな感じに投稿期間が一ヶ月開くかもですが、よろしくです。


修正済み

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