第二十六章 そして、物語は続いていく
——こうして。
数え切れないほどの出来事を乗り越え、グリザイユくんとキアロくんは、一人前の隊員として大きな成長を遂げた。
最初は右も左も分からず、不安そうに周囲を見渡していた二人。
失敗して落ち込み、悔しさに歯を食いしばった日もあった。
何度も壁にぶつかり、その度に立ち止まりそうになった。
それでも二人は、仲間を信じ、自分を信じ、一歩ずつ前へ進み続けた。
その積み重ねが、確かな力となったのだ。
そして今日。
二人は新たな任務地へと旅立っていく。
その隣には、最後まで彼らを見守り続けてきたバロロさんの姿もあった。
見送りの中で交わされた笑顔。
励ましの言葉。
「また会おう」という約束。
別れは少し寂しい。
けれど、それは終わりではない。
それぞれが新たな場所で、新たな命を守るための始まりだった。
僕はそんな三人の背中を、しばらく見つめ続けていた。
そして——。
僕たちにも、新しい道が用意されていた。
新たな任務。
新たな仲間。
新たな出会い。
僕たちが足を踏み入れることになったのは——
Venom Desire、医療班。
命を救う者たちが集う場所。
傷ついた仲間の帰る場所。
そして、多くの人々の希望を支え続ける最前線。
まだ知らないことばかりだ。
どんな人たちと出会うのか。
どんな出来事が待っているのか。
どんな景色を、この目で見ることになるのか。
胸の奥では、不安と期待が入り混じっていた。
きっと、この先には。
たくさんの希望が待っている。
誰かの笑顔。
誰かを救えた喜び。
仲間と笑い合える、かけがえのない日々。
けれど同時に。
その希望と同じくらい——。
いや、それ以上の絶望も待っているのかもしれない。
失われる命。
救えない現実。
選ばなければならない決断。
逃げ出したくなるような試練。
この世界は、決して優しくなんてない。
だからこそ。
僕たちは前を向く。
たとえ真黒の欲望が、行く手を阻もうとも。
たとえ何度心が折れそうになろうとも。
たとえ絶望が、この身を飲み込もうとも。
僕は、一人じゃない。
隣には信じられる仲間がいる。
支えてくれる人がいる。
そして、守りたい誰かがいる。
だから。
僕と、僕の仲間は。
決して歩みを止めない。
希望へ向かって。
未来へ向かって。
その先に待つ運命を受け止めるために。
僕たちは、これからも歩き続ける。
そして——。
物語は、まだ終わらない。
新たな出会い。
新たな試練。
新たな欲望。
そのすべてを乗り越えるために。
Venom Desireの物語は、この先も続いていく。
Venom Desire3——coming soon




