道を作る!
私だけが噛まれても動ける、理由は分からないけど、そうなんだ。
だから、私は皆を守らないといけない、そうじゃないと、皆居なくなっちゃうから。
あの夢みたいにならないためにも・・・私が皆を守る!
「私、頑張るよ!」
「そんな気合い入れないでも・・・」
「大丈夫、もう、覚悟は出来たから」
「晴・・・」
その覚悟が出来てから、3日間、私達はこのデパートで暮らした。
覚悟が出来たからって、無理に動くのは良くない、状況が状況だから。
でも、流石に3日が限界だった、状況は確実に悪くなっていく。
水も食料も無くなってきてるし、あまり長い間ここに滞在することは出来ない。
電気は辛うじて点いているけど、食べ物や水の保存は出来ない。
私達の状況はゆっくりと動くしか無い状況になっていった。
「そろそろ移動しないと駄目ね」
「そうですね、食料も水も少なくなってきましたし」
「移動するしかありませんよ」
「大丈夫かな・・・」
「大丈夫だよ、任せて! 道は私が作る!」
私は3日間の捜索で見つかった戦いに使えそうな硬い棒を手に取った。
これが、私の武器だ、もう、これで何とかするしかない。
私達は、この場所にある、保存食をまとめて集めて、この場所から出ることにした。
「皆、私の後に付いてきて」
「えぇ、分かったわ・・・」
私は皆の前を歩いて行った、下はゾンビだらけで、見てるだけで怖い・・・
それに、最初来たときよりも、絶対に増えている・・・これ以上この場所にいたら
きっと、もっと増えてしまう・・・そうなる前に、何とかしないと!
「い・・・行くよ!」
私は1人でゾンビの群れに走って行った。
「1人は無茶だって!」
「私が何とかするから! でりゃぁ!」
私は1人で必死にゾンビ達を倒していった、数が多いけど、れ、冷静に戦えば・・・意外と戦える!
「えい!」
「あぁ・・・」
「キャウ! え、えいやぁ!」
何度か噛まれたけど、私はゾンビにならない体・・・だ、大丈夫! い、痛くない!
涙が出そうになってくるけど、皆の為だから!
「えい! えい!」
「晴! 無茶しちゃ駄目!」
私が戦っていると、久美ちゃんも来た。
でも、久美ちゃんは噛まれたらゾンビになっちゃう!
「く、久美ちゃん!」
「1人でこの数は無理よ!」
「久美ちゃんがもしも噛まれたら!」
「あなたが死ぬよりはマシよ!」
久美ちゃんは下がる気は無いみたい・・・久美ちゃん、自分が危ない状態なの分かってないよ・・・
噛まれたら終わりなのに・・・私と違って・・・こ、こうなったら・・・私が久美ちゃんを守る!
私達は沢山のゾンビの中、何とか道を作り出すことが出来た!
「今だ!」
「あぁ・・・!」
「走って!」
私達はその道を必死に走って、何とか外に逃げ出すことが出来た。
わ、私は3カ所くらい噛まれちゃったけど、久美ちゃんは大丈夫!
「はぁ、はぁ、な、何とか逃げ出せたね・・・」
「そうですね・・・ですけど、外もやっぱり多いですね・・・」
「とにかく、急いで大きそうな建物を探さないと!」
外に出ても、安心は出来ない・・・やっぱり、安心出来るような場所を探さないと!
だけど、車が無い今の状況だと、走って探すしか無い・・・
こんな状況で、見つかるのかな・・・でも、やるしか無いよね。
「あそこを目指そう! あそこならきっと!」
私達は皆で、近くにあった、少し大きめの建物の方に走っていった。
ゾンビが多いけど、あのデパートのゾンビの密集場所に比べれば、楽だよ。
私達は必死に、その建物の方に走っていった。
「全力で走るのは・・・つ、疲れますね・・・」
「普段から走っていないからですよ」
「普段から走る人の方が珍しいですよ!」
必死に走って、何とかその建物の中に入る事が出来た。
ある程度近寄って気が付いたけど、ここは小学校みたい。
「人か? 他にも生存者がいたんだな!」
私達が学校の中に入ると、見張りをしていたであろう、先生が私達の方に近寄ってきた。
どうやら、ここは生存者を受け入れる場所みたい。
「そこのお嬢さん」
「わ、私ですか?」
「あぁ、もしかしてあんた・・・噛まれてるのか?」
その先生は、私の服が破れていることに気が付いたようで、そんな疑問を投げかけてきた。
「は・・・はい・・・実は・・・何度か・・・」
「なら、流石に入るのは許さない」
そう言うと、その先生は私を追い出そうとした、それは当然のことだよね。
だって、噛まれたら感染するんだから、噛まれてる人を入れるわけないよ。
「わ、分かりました・・・」
私はそれを当然のことって、受け入れて、ここから離れることにした。
だけど、皆が私の方に走ってきた。
「こ、この子は噛まれても大丈夫な子なんです! ほら、噛まれた場所の傷はもう治ってますし!」
「だれがそんな話を信じますか、駄目ですよ」
「晴は3日前にも噛まれたけど、まだゾンビになってない!」
「信じられません、とにかく駄目だ!」
皆、必死にその先生を説得しようとしたけど、結局全然取り合ってくれなかった。
少しだけ、酷いって感じたけど・・・冷静に考えてみたら、当然だよ・・・
「そうですね・・・では、その子は別の部屋にいて貰うのはいかがでしょうか」
だけど、その後にやって来た女の人は、私を入れてくれるという。
「何故ですか!? 危険です!」
「あなたの意見もごもっともです、ですけど、もしも本当にゾンビにならない子なら
私達の力強い味方になってくれる可能性もあります、ですので、別室に」
その女の人の言葉で、私を入れないようにしていた男の人も仕方ないという感じで入れてくれた。
そして、私は皆が集まっている体育館ではなく、校舎の職員室の奥の部屋に案内された。
「はい、ここなら良いですよ」
「どうも、ありがとうございます」
「いえいえ、それと、職員室の鍵は掛けさせていただきますね、念の為です」
「はい」
だけど、それから少しして、久美ちゃん達も職員室の中に入ってきた。
「あ、あれ? 何でここに?」
「晴姉ちゃんが寂しくないように」
「はい、それに、晴さんに何かあったら困りますから」
「私は一緒に居たいだけ、親友だからね」
「私は! 晴先輩と! 色々としたいのです!」
皆、私の為に・・・でも、桃ちゃんはちょっと違うのかなぁ?
いや、もしかしたら、私に気を遣わせまいと、あんな態度を取ってるのかも知れない。
「皆・・・ありがとう」




