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ぽんこつ魔法使いに適任のお仕事  作者: 秀秋
ぽんこつ魔法使いに適任のお仕事
5/5

御屋敷勤めのメリー


 この前の休日は、久しぶりに同僚のモエと一緒に街にお出かけしたんだけどさ


 そろそろ帰ろうかと話していたとき、モエが急に声をひそめて言ったの。


「見てよ、あれ」


 彼女の視線をたどったら、あいつがいたのよ。本当もう最悪。


 え? あいつっていえばハンターのアレルよ。知らない? あんたこの街に来てまだ日が浅いもんね。


 アレルは一年前まですごいスピードでS級ランクになったって騒がれてたハンターよ。それに……その、容姿がね、ハンターなのに無駄に高貴っていうかスタイリッシュっていうか。


 違う違う! 有名人に会えて良かったって話じゃないのよ。


 あんたも聖女グレイスを知ってるでしょ? アレルはその聖女様を襲ったろくでなしなのよ。本当に信じられないわ。当時はパーティを組んでた仲間だったのよ!?


 それに、それだけじゃないの。彼はこの街でハンターを始めたときからやばいやつだったらしいの。


 これは先輩からきいたんだけど、パーティに入れてもらっておいて、そのパーティの女たちを好き放題荒らしまくって解散に追い込んだんですって。信じられる? 恩知らずよねぇ。


 それからもひどいんだから。手当たり次第、女を取っ替え引っ替えしてたらしいわ。


 そりゃあ、顔はしゅっとしててかっこいいけど、騙されちゃだめ。あの男に出会って狂わされた女はたくさんいるんだからね。

 

 あっ! それでね、この前の休日に話を戻すけど、驚いたのは、あいつが女の子を連れて歩いてたのよ! もうびっくり! 


 モエが教えてくれたんだけど、あの恥知らずのハンターは最近新しくパーティを組んだらしいのよ。モエも人づてに聞いただけだったから、本人を見て「本当だったのね」って驚いていたわ。


 黒髪の見たことない魔法使いだったから、もしかしたらあいつの噂を知らないだけかもしれない。……まあ、知らないほうが幸せかもしれないわ。


 それでさ、近寄りたくもないから移動しようかと思ったんだけど、二人の揉めてる会話が聞こえてきたの。


「アレルさん、週五はあんまりですよ。せめて週三にしませんか?」


「週三!? 俺ら相性いいし、問題ないだろ!?」


「もう足腰が限界なんですよ!」


「安心しろ、明日は休みだ! 明後日には元気になってるさ」


 ねぇ!? 信じられる!?


 よく見ると、魔法使いの女の子は20歳くらいなんだけど、声は枯れてるし、普通に歩くのもやっとって感じでボロボロなの!


 あのろくでなしは鎧姿で颯爽と歩いてたんだけどさ。そりゃもとS級のハンターだからね、乙女とあんたの体力と一緒にするなって話よね。


 だって……だって週ごぉって!! ありえるの? いくら相性がよくてもそんなっ! あの綺麗な顔で!? 相手がいくら若くて可愛いからって!! 町中でそんな話を堂々とするなんて、信じられないわよね! 破廉恥だわ!!


 え? 興奮しすぎ? ごめん、なんかもうびっくりしちゃって。ま、街では聞いてませんよ〜って雰囲気で平然としてたのよ? ふう。うん、もう大丈夫。


 噂通り、やっぱりあの男は顔だけの最低野郎だってわかったわ。あんたもあの男にだけは気をつけなさいよ。


 ……ねえ、週五って普通なの?

その後の展開も書こうと思ったのですが、今回はこれで完結にしてしばらく寝かせたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


よろしければ、☆〜☆☆☆☆☆で評価頂けたら嬉しいです。

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