二話 いい加減思い出されろ。
矛盾点がありまくりだったが......。
あれは伏線なんだ。
そう、伏線まみれの伏線なんだ!
回収しろ、作者!
「......猫耳ってあったんだ。」
驚愕の余り思わず本音が口からこぼれてしまった。
そんな驚愕をプレゼントしてくれたのは私の目線の先で優しげに微笑む男だった。
いや、老人といってもいいだろう。なんせ白髪に白髭、笑い皺まで出来ていたのだから。
彼は100人に執事ってどんな人?と聞いたら50人はこんな人、と答えるような、そんな外見をしていた。
......彼の頭で誇らしげに立っている猫耳を覗けば、だが。
「いやぁ、反応が良いようで本当に良かった。わざわざ私が出向くだけの事は有りましたね。うんうん。」
執事らしき男は私の反応に満足したのか独り言を言いながら仕切りに頷いている。
......なんだ無性に腹が立ってきた。どうやら何か知っている様子だし、殴って吐かせることにしよ
「やめた方が良いですよ?私にはあなたが指一本触れられません。」
私が考えている事を読んだかのように男は釘を差した。
先程まで漂っていた穏やかな空気は一変し、私の体を押し潰すように感じてしまっていた。これでも女子なりに喧嘩は強いと自負していたのだが、空気に悟らされてしまった。
本当に勝てない、と。
男の目は全てを飲み込んでしまうような、そんな目をしていた。
怖い。
ただ恐怖を感じてしまった。
「別にとって食おうって訳じゃないんですから。あんまり怯えないで下さい。」
男は私の思考を読んだかの様にそう言う。
落ち着いてなんかいられない。身の危険、死に対しての恐怖が部屋の中に充満していた。
死......?
あれ、ここに来る前の記憶がない。
何で、私はここにいる?
......名前、そうだ、私の名前。なんで、思い出せないの?
ああ、そっか。
わかった。
思い出せないや。
なにもかも。
私は、忘れてしまった。
ここまで生きていた思い出。
それはとても悲しいもので、
私を見つめる男の目は狂喜に染まりつつあったように見えてしまった。
次の更新は今週中です。多分。
短いですがこんな量で頑張ります。




