7.夢
こんな夢を見た。
江戸時代くらいに見える社で、巫女を手篭めにしようとした男達。野盗か地侍か?それとも、当時の村の不良青年団みたいな奴らか?抵抗して殺される巫女。それに怒り、男たちを殺した化け狐。さらに暴れまわろうとした狐をなだめたのは娘の霊。娘の血をなめて魂を取り込んで一体化する狐と娘。
最初は感情に振り舞わされてとまどったが、これはマスターとサーヴァントのアレだ。と、オタク知識で理解すると、冷静に第三者的な視点で観察を始めた。ようするに、使い魔とのパスによる夢の共有である。
あの社は古いままじゃなかった。少なくとも江戸から明治の時期、戦後まもなく。と、移転と改築を繰り返し。公園造成時には分解されて、一時的に他に移っていた。その間に、神様は居なくなってしまったそうな。狐っ娘は残された主の居ない社を守っていたわけで。離れるのは問題ない。ということがわかった。
そもそも、神奈川の社から、東京の下宿までついて来てるしね。
狐っ娘は霊体化して、ついでに小型化して肩に乗ってきたので。満員電車や乗り換え時にも問題はおきなかった。ただ、周りを面白そうに見る狐っ娘を、ニヨニヨと愛でていたので、変な奴、と思われた可能性はあるが。そういう有象無象をスルーするのが都会人のスキルなので、特にトラブルはなかった。
授業中や道々の念話で相互の自己紹介をすませ。もしかして陰陽道とか知ってたら習いたい。と、期待したが。そういう素養はないそうな。術は化け狐の本能的なスキルで、人に教えられるものでは無いらしい。
おかげで、出席したはずの授業は、さっぱり記憶にありません。