67.演舞とエレナレポート 3
研究室に顔をだしたら。教授に呼び出しを喰らった。
「もとも拳法はやっていた」、「最初は治療機械を考えたが、あの患者には間に合わない可能性があったので。今回は自分で治療することにした」。「治療機械の開発は、もちろん続ける」と説明。納得出来ないけど納得。という感じで釈明終了。
他の研究員や先輩から。「拳法をやっていたなんて初耳だ」との声が多数。そりゃ、最近始めたからね。「見せてみろ」というので、校舎の前に出て演舞。浸透勁が使える時点で上級者の端っこには入っているので、それなりの動きを見せ。周囲の武道経験者から、「あれは本物だ」という、お墨付きをもらいました。
ということで一件落着。
鑑定魔道具は美月たちで継続して開発をおこなうというので。こちらは、当初の予定通り。治療ポッドの構想に戻ります。実のところ、ポッド型にするかは保留中。拳法の修行をしているうちに頭の中のイメージがリセットされてしまったらしく。治療ポッドに情熱が沸かないのです。
振動波発生機を携帯できるサイズにしたほうが事故現場でも使えるし、医療用だけでなく、精密切断機を実用化しても良いのでは。と、開発方向から見直しをしようかと思います。
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定時報告
宛:大導師ミハイル・カンテ 発:アンナ・コセリウ
調査対象"ヤノアキラ"の新たな能力が判明した。癌の末期患者の治療用装置を開発していると周囲は理解していたが。開発が間に合わないと判断したそうで、自分の拳法で治療すると宣言。患者と医療関係者を説得し。拳法で癌を治癒させてしまった。
理解不能の事態なのに、研究室の他のメンバーは何故か納得している。不思議に思い聞いたところ、「コレを読め」と言われて大量の漫画本を渡され、読んで納得した。達人なら拳法で相手を瞬時に殺すことも、逆に治療することも出来るのだ。本来なら荒唐無稽な漫画と笑い飛ばすところだが。実践する人間が目の前にいる。彼の拳法の動き(演舞と呼ぶそうだ)を見た数名の人間から、「あれは本物だ」という声もあがった。
どうやら、彼は相手を瞬殺することも、治療することも可能な達人らしい。
この件については、さらなる資料を必要とするので。活動資金の追加を申請したい。
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エレナが漫画を買い漁っている。日本のオタク文化に目覚めてしまったのだろうか?




