64.電車にて
電車で戻る間、「ちょっと肩を貸して」と美月に体を預け。仮想加速空間に入る。アイデアをまとめて検討。考えたのはSFによく登場する全自動治療カプセル。超振動波をレンズ効果で治療箇所に集中させ、癌細胞のみを破壊する。電車が着くまでの20分で、ネットによる類似技術の検索。その結果を踏まえた、おおまかな図面と必要部品をまとめ。ネットに保存。大学のプリンターにも転送し「印刷結果は教授に」と付記しておく。以上が終了したあたりで電車到着。
「エレナが魔法の流れに気づいたかもしれない」と、美月からの報告。仮想空間に入るときと出る時の揺らぎを感知したらしい。ま、大きな問題は無いね。
学校に向かう坂を登る途中も、脳内会議続行。エレナは無言でうなずきあう変なカップルに奇異な目は向けない。そろそろ念話の存在に気づいてもおかしくない。ヒントはたくさん出したので、答え合わせは君次第。
教授はプリント結果を見たらしく。「いつのまにこのようなものを?」と言われたが、「30分前です」とも言えないので、曖昧な言葉と笑みで誤魔化す。
患者に残された時間が僅か。ということで、俺一人は全てを棚上げにして集中する。鑑定魔道具のほうは、美月を暫定責任者にしてエレナを補佐にして継続。と、言うことになった。
しかし、それでも時間は足りない。なので、浮遊砲台に再登場してもらう。込める術式は体力回復。それも癌細胞は活性化させないという特別性をヤミに作成させる。異世界サーバーの処理能力は半端なく。夜には完成。浮遊砲台を遠隔で操作して患者の病室に。
さて、久しぶりに。狙い撃つぜ。




