63.医学部にて
医療用に暫定改造したヘッドギアを持参して大学病院を訪問。
さすがに預けて置くだけでは改良や微調整に無理がある。と、双方ともに合意がとれたおかげ。と、いうのが表向きの理由で。最初は他の大学の研究に協力なんて。と、懐疑的だった医学部のお偉いさんが、装置の有用性に気づいたことで掌返しをして来たというのが真相だけど。
今回の同行者は美月とエレナ。女性患者もいるだろうという事と、二人とも改二タイプに習熟してるから。というのが、表向きの理由。本当は、ふたりとも魔法サイドの人間なので、咄嗟の対処が可能、魔法バレしそうになっても問題ない。と考えたから。
今回の対象は、複雑骨折患者と、不治の病と認定された重篤の患者の二人。まず、見た目にもショックが少ない骨折患者から。タンクローリーに押しつぶされて、骨がぐざぐざになってるらしい。痛そう。
医療用に暫定改造したヘッドギアは、モニター部分が広く。骨折箇所を3次元的に切り出しての表示に成功。頭の横にあるボタンの操作で、骨折箇所の細かい部分を色別にして表示。さらに、骨折の状況を現時点でインプットされてる範囲で表示。
「骨折箇所に表示された文字と、症状の色識別は、現時点の暫定です。学習させることで、精度と説明がより詳細化可能と考えています」という説明で。テスト機を3倍に増やし、さらにテストと改良を続けることで合意を得た。
問題は、このあとの重篤患者。
本人と家族の同意が得られているということで、我々も白衣に着替えてマスクと手袋をし。消毒薬を浴びて入室。モニターに表示された答えは末期癌。体中に転移していた、モニターは赤点と、警告の黄点だらけ。これは、医者に問題箇所が見えるだけでは直せない。現在の技術では。
でも、この手には異世界の優れた技術と魔法が有る。少し悩む。
患者や家族の方と話しをして、研究結果が今後の患者の救いなれば。と、テストに合意してくれた事を聞かされた。これは、生きていてほしい人間だ。やろう。と、美月たちと脳内会議で合意を取る。
「まだ研究室内でも出していない技術があります」、「成功の保証はまったくありませんが。もし協力していただけるなら、全力を尽くします」と、話していた。
患者と主治医は了解。病院側としては一日検討して回答する。ということになった。
教授に電話で連絡すると。勝手な行動と、秘匿技術の件で怒られたたが。「とりあえず、帰ってこい。詳しい話はそこで」という事になった。いや、本当は秘匿技術でもなんでもない。今、思いついただけなんですが、加速空間使えば開発が間に合いそうな気がしたもんで。とは、言えない。




