45.金策は重要な些事
雑事や心配事は片付いたものの。現実的な問題が出てきた、ぶっちゃけお金が足りない。
パテント料の手付分は使ってしまったので。次の入金は早くても来年、下手をすると再来年。下宿と固定電話を解約したおかげで、バイト代で生活費と学費はまかなえるが。研究費にはまったく足りない。
植民地総督のアカウントと信用度は偉大で、今まで存在さえ知らなかった、4桁を超える複数異世界の情報ソースにアクセス出来るようになった。物品やソフトも買えるようになった。でも、お金がなければ商品カタログ画面を眺めるだけ。
4桁を超える異世界分なので、地球の通販番組の比ではない物量と物欲に苛まれる。特に、複数世界をまたいで欲しい物を検索してくれるサービスなんて。便利だけれど、悪魔の誘惑。
個人的に贅沢する趣味はあまりないけど。資料や術式、ハードウエア、研究したい素材が山のようにある。賢者の石っぽいものまで通販で買えると知ったら、悪の魔法使いでなくても欲しくなる。
ポチりたくなるが。残高を思い出して涙を飲む日々。だが、嘆いていても事態は解決しない。嘆いてあきらめるか工夫して解決するかが、お金持ちと貧乏の分かれ目。と、ビジネス成功談かなんかで読んだような気がする。
とりあえず、地球で一般人がよくやるお小遣い稼ぎを、異世界でも試すことにする。バザーとオークションである。以前作ったアイテムを量産。地球の技術にこだわらなくてよいので、むしろ楽にできる。攻撃系は規制にひっかりそうなので、防御系アクセサリーを複数作り。ネットの販売代行サイトに出して様子を見よう。
これだけだと、異世界通貨MPは手に入るが、地球のお金は入らない。困った時の宮司さん。「実際に効力のある護符とかお守りを売れません?」と聞いたら。ありました。呪術関係の若手が試験的に立ち上げたネットがあるそうなので、アカウントをもらえるように口利きしてもらうことにします。裏の業界のネットなので、オンラインで入会とかは無理だそうで。後日面談ということになりました。




